「シビル・ウォー」雑感
新宿バルト9で「シビル・ウォー」(アレックス・ガーランド監督)
現代のアメリカで内戦が起こったら、というお話。
これをジャーナリストの目線から「地獄めぐり」みたいな感じで描く。
前評判にたがわず面白かった。
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冒頭近くでSuicideの曲がかかり、「おお、Suicideだ!!」と。
70年代ニューヨークのアンダーグラウンド音楽シーンについて語る時にはラモーンズ、パティ・スミス、テレヴィジョンなどと共に欠かせない存在のバンド、というかユニットだが、何故今Suicideなのだろう。
と思っていたら、エンディングでまたSuicideの曲が・・・名曲「Dream Baby Dream」が流れる。
これ、監督がイギリス人じゃなかったらSuicideは使わなかったんじゃないかな、となんとなく(ほんとになんとなくで別に根拠はないのだが)。
Suicideの曲のひりひりした手触りは、確かにこの映画のアメリカに合っているのだけれど、なんかそれは外から見たアメリカの印象、という気も。
別にそれが良いとか悪いとかではないけれども。
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主役の一人、若いカメラマン志望の女性を演じるのはケイリー・スピーニー。
このあいだ「エイリアン:ロムルス」を観たばかり。
ソフィア・コッポラ監督の「プリシラ」も印象的だったし今作も好演。
今作の方がむしろ幼い印象。
もう一人の主役、ベテランの女性カメラマンにキルスティン・ダンスト。
こういう役をやる年齢になったんだなあ。
そういえばこの人もソフィア・コッポラ監督の映画に出てたっけ。
「マリー・アントワネット」が印象に残っている(好きな映画ではないが)。
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全く退屈しなかったし、見ている間は強烈な印象も受けたのだけれども、不思議なことにあんまり後を引かない、というか、案外あっさりした後味。
この監督の映画は以前に1本だけ、「MEN 同じ顔の男たち」という映画を見たことがあるのだが、そういえばあの映画もそんな感じだった。
すごく面白い設定。
強烈な印象を残すシーン。
画作りも、音の使い方も実に「センスが良い」。
でもなんか軽い。
テーマは重いのに、不思議と「ずっしりとした何かを受け取った」という感じがしない。
まあ軽いのが悪い、ということでもないわけだが・・・。
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