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五重塔

仕事の関係でなかなか二日続けた休みが取れないのだが、なんとかやりくりして2泊3日ならぬ2泊1.5日くらいの旅程で京都に行って来た。

見物のメインは醍醐寺。
あまり良くは知らないのだが、いわゆる「醍醐の花見」で有名な寺で桜の季節には大勢の人が訪れるとのこと。

上醍醐と下醍醐があって、上醍醐は山道を1時間登らなければ行きつけないということなので下醍醐だけ見たのだがそれでもとても広い。

桜の季節でないからなのか、ずいぶん人が少なかった。
コロナの影響ももちろんあるだろうが、タクシーの運転手さんによるとゴールデンウイークには八割がた観光客も戻ってきていたということで、今、人が少ないのはシーズンオフだから、という理由の方が大きいらしい。

人がいなくて気分が良い


三宝院庭園

「豊臣秀吉が『醍醐の花見』に際して自ら基本設計をした庭」だとか。

三宝院の内部は撮影禁止だったが、襖絵とかも良かった。

唐門

なんか金ぴかであんまり趣味じゃなかったが「国宝」とのことだったので一応写真を撮った「唐門」
まあ秀吉はこういう金ぴかが好きなような気もする。

醍醐寺の五重塔

この五重塔が素晴らしかった。

上手く言葉が思い浮かばないが、雄大というよりは優美という感じ。
951年完成。
「京都府下で最も古い木造建築物」らしい。

× × × × × ×

醍醐寺から京都駅の方に戻って東寺の五重塔も見た。

東寺の五重塔

こちらはもう「立派」という感じ。
なんどか焼失してしまっていて、現在の塔は1644年に再建されたもの。
高さ約55m。
木造建築としては日本一の高さ。
ちなみに醍醐寺の五重塔は約38m。

五重塔は今までにこの東寺のしか見たことが無くて、今回の醍醐寺が二つめだと思っていたのだが、この記事を書くにあたって年代とか高さとかをネットで調べていて、そういえばあと三つ、五重塔を見たことがあったのを思い出した。

旧寛永寺の五重塔

ひとつは、上野東照宮の近くにある旧寛永寺の五重塔。
今は上野動物園の敷地内に建つ。
これも一度焼失して1634年に再建されたもの。
高さ約36m。

厳島神社の五重塔

もう一つは広島、厳島神社の五重塔。
1407年創建。
高さ約27m。

法観寺の五重塔

そしていわゆる「八坂の塔」
清水寺から降りてきた辺りにある。
これもたびたび焼失し、現在の塔は1440年に再建されたものとのこと。
高さ約46m。

× × × × × ×

幸田露伴の「五重塔」は、擬古文なのでとっつきにくいけれども、いったん調子をつかんでしまえばスルスル読めるし、なんといっても単純にめちゃくちゃ面白い小説である。

この小説のモデルになったのが谷中天王寺の五重塔で、1644年に建立され、1772年に焼失、1791年に再建された。
この1791年に再建したのが近江出身の湯島の大工、八田清兵衛で、これが露伴の「五重塔」の主人公のモデルになったらしい。

谷中天王寺の五重塔は1957年に焼失。
心中による放火が原因とのこと。

現在は谷中霊園の中に礎石だけが残っている。

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