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人の数だけ物語がある。あなたも自分の物語を紡ごう

人の数だけ物語がある。読んでて気づいた、当たり前のこと。でも今このときに気づいてよかった。元気をもらった一冊でした。

本日ご紹介しますのは、こちら。「カーテンコール!」

(あらすじ)
幕が下りた。もう詰んだ。と思ったその先に、本当の人生が待っていた。経営難で閉校する萌木女学園。私達はその最後の卒業生、のはずだった――。とにかく全員卒業させようと、限界まで下げられたハードルさえクリアできなかった「ワケあり」の私達。温情で半年の猶予を与えられ、敷地の片隅で補習を受けることに。ただし、外出、ネット、面会、全部禁止! これじゃあ、軟禁生活じゃない!

「もう詰んだ」なんて上手いこと言うなあ。そんな追い詰められたところから、物語はスタート。

本著はオムニバス形式で、章ごとにいろんな人物が主人公。みーんな訳アリの、卒業できなかったメンバー。シリアスな理由を背負ってる人から、まーねー、そりゃ卒業できんてと脱力系までの幅広いキャラ集まり。一癖も二癖もある強者揃いです。

全員が全員、各々に思ってることがあって。「だからわたしはダメなんだ」「社会生活とかムリよね」「だってこんな私を社会が受け入れるはずも無し」。確かにそう思うに至るわな。読んでて分からんではない。スルッと同一視できてしまう。

生きてきた年数分だけ自分の中に「こりゃムリ」「そりゃ出来ない」を刷り込み、抗う気力を生もうとすら、ナチュラルに思わなくなってた彼女たち。

そんな皆んなへ「実は目の前に、他の道がもう既にあるんですよ。あとはアナタが目を開くだけだったんですよ」とばかりに、教え諭してくれる人物が現れます。その人は、彼女たちをなんとしても卒業させようとした理事長先生です。

これがまた狸で、読んでる途中ではそんな愛ある指導へ繋がってたなんて思いもしなかった。だって彼女たちに負けず劣らず、曲者なんだもの。上手(うわて)も上手、超上手。でも読み終わった今なら思います、真の教育者とはこんな人物なんだ。出来ることならわたしも教えを乞いたかった。

彼女たちはここでの学びをもって、社会へ飛び立つ心構えを育みました。未来へ希望を持つことが出来たのです。

是非とも、生きづらさを感じてる人に読んでほしい。あなたに重なる人物がきっといるはず。心温まる本でした。


昨日書いた「きのうのオレンジ」、そして本日の「カーテンコール!」は共にいわた書店さんの選書です。2冊を読み終え、選んでくださった岩田さんのメッセージに思いを馳せ、ひとりまた泣いてます。わたし、しっかり生きよう。

では また

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