劣等感から見えた正義こそ、とてもまばゆかった
本日はこちらの本をご紹介。
主人公はイケ好かない奴です。何を狙いとして作者は書こうとしてんだか。最初は半目で読み進めてました。
一作目が面白かっただけに、きっとこの後に仕掛けがあるはず。口をむんずと閉めて、しばしの辛抱タイム。そしたら、やっぱり展開があって。伏線が回収されてく。
主人公の胸の内には、悔いている過去がありました。世間様に断じられても仕方ない。いや、己みずからにて、真っ二つに自分自身を切りつけたい。悔恨の念が強いものです。
果たして、それほどの罪をしてしまったのか。うーん、どうなんだろう。思うほどに誰も責めないんじゃないかな。その状況なら致し方ない、とむしろ慰められんじゃなかろうか。でもきっと自分を不甲斐ないと責めてることで、ようやく正気を保ってられるんだろうな。わたし自身の身に置き換えて思います。
皆さんの中にもありませんか。どうやっても褒められない過去、良いことにひっくり返しちゃダメなもの。思い出したくもないけど、しっかり頭へこびりついてる後ろ暗いものです。
わたしですか? ありますよ。相手にとっては理不尽な事でしかなかった、でも私はやったよな、とか。そういう類のことです。こうして書き出そうとするだけで、胸の中に黒いモヤモヤが立ち込めてくる。あまり詳らかにしたくないし、出来るなら隠し通したい。
真っ暗なものを心に据えたからこそ、貫きたい思いがある。我こそがやらねばならぬ使命がある。主人公は自分を叱咤する強度が増します。と同時に、「もはや汚れてしまった己が、正義を語る資格はない」とばかりに戒めてもいて。一見すると、足かせのよう。でもわたしは違うと思う。むしろ起爆剤だと思うのです。
真っ白ピュアピュアこそ最強というイメージありませんか。私はそうでした。でも現実問題ではそうじゃない。経験則で感じてます。
この正義をまがい物にしてると感ずる劣等感、ときに卑屈さを併せ持った混合物こそ、最後は成し遂げるパワーになる。立ちはだかる困難も、目の当たりにする失敗も、「さもありなん」と受け止め、そのまま歩み続けられるから。だからゴールへ着実に近づいていける。
子どもの頃に思い描いてた「理想とする未来像」にわたしは成れなかった。そんな失意や失望を抱いた人に読んでほしい。消したいと願った闇こそが、あなたを願ってたゴールへ導く鍵になるんだよ。大きな声で伝えたいメッセージでした。
では また
一作目の本は、コチラの記事にて感想を書いてます。もし良かったら、どうぞです。
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