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コンクリートの箱の中

独特の「くうき」が漂う日本の社会を一言で表したコトバが「コンクリートの箱」である。

そんなコトバがあれば便利だと思って、わたしが勝手に作った造語だ。

コンクリートの箱の中では、お金さえあれば衣、食、住に困ることはない。

コンクリートの箱の中では、過剰といっていいほど、モノやサービスで溢れている。

この社会は長時間労働➡大量生産➡大量消費というサイクルで回っているから、ストレスという負のエネルギーが充満している。

ストレスの爆発を防止する方法も、いろいろ開発されている。

仕事や人間関係の悩みが大きくなっても、休みの日の安堵感も充実するので頑張れてしまう。

コンクリートの箱の中では仕事か消費をしている時に、社会の一員として認められ、人間として正常に機能していると認識してもらえる。

コンクリートの箱の中では組織が仕事をつくる。個人は機械のように振舞っていれば、それでいい。

コンクリートの箱の中では、あらゆる場所で雑音が鳴り響いているが、雑音から逃れる場所は意外と少ない。

そんな「くうき」に長いこと浸っていると、自分の本来のあるべき姿を見失ってしまう。

恐るべきは、そんな環境だと思う。

コンクリートの箱の中では消費をする人のことを「お客様」と呼んで、神様のように崇められている。

「お客様」の要求はどんどん高くなる一方なので、モノやサービスを提供する側は「お客様」に支持されるために更なるガマンを強いられる。

こうして世の中はどんどん便利になっていくのだが、ガマンもどんどん膨らんでいく。

「経済成長」というバカの一つ覚えのような掛け声に踊らされて、
仕事➡ガマン➡お金➡消費➡ガマンの開放といったサイクルは回り続ける。

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