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意を決してルーマニアに行ってみたら古き良きヨーロッパがそこにあった。 シギショアラ~ブラショフ編

 エッ、更新が遅いぞって?
 うーん申し訳ない、再就職活動で色々忙しかったんです。それも何とか一段落ついたので、何とかルーマニア編までは終わらせたいと思います。
 30代後半でリストラされると再就職が大変なので、みんなも気を付けようね!(気を付けようが無い)

シギショアラの動物たち

 旅の楽しみの一つが行った先の猫や鳥を探すことだ。多分そんなん私だけだろうが、とにかくルーマニアは猫が多い。シギショアラでも探してみることにした。

猫探しのきっかけを与えてくれた三毛猫ちゃん。人懐っこく甘えてくるし撫でても怒らない。神。

 朝を待って出かけてみると、いるわいるわ。どうやらお世話している人の家があるらしく、歴史地区にたくさんの猫を発見した。

お利口そうな茶ブチ猫。時計塔もいっしょに。
古典SF小説「夏への扉」を思い起こさせる一幕だ。
さっきの子とはまた違う茶ブチ。呼び方合ってるかな?
欧州らしい屋根をバックに、黒ブチ猫がベンチを占領している。

 ところで、歴史地区では野良犬も見かけた。猫たちは明らかに世話をされている様子だが、野良犬は誰も気にかけていないようだ。犬の方が圧倒的に危険度が高いのは分かるが、ちょっと可哀そうだった。

二匹で行動を共にしているようだ。
立派な犬だが、それだけに嚙まれたりしたら大怪我は免れないという恐怖がある。狂犬病もあるかもだし。

 そしてまた、可能な限り鳥も撮ってみた。もっとも望遠レンズの性能の問題もあってさほど拡大しては撮れなかったが。

恐らくはヨーロッパシジュウカラだろう。日本でも近縁種をよく見かける。

思い残すことの無いよう風景を撮りまくる

 一応シギショアラに来たからには…という事でドラキュラ伯爵のモデルになったヴラド・ツェペシュの生家も見てきた。まあ今はレストランになっていて趣は全くないのだが。

外観。
門から中を撮った所。雰囲気は…無い!

 高台から町の風景を改めて撮影してみた。やはりのどかでいい町である。

ヨーロッパの田舎町という感じで非常に良い。

 歴史地区の今まで歩いたことの無いエリアも歩いてみる。かつて中世のギルドが使っていたという尖塔がいくつかあるのだが、どれが何ギルドの建物なのか分からない。なんか精肉職人ギルドとか革職人ギルドとかあったらしいっす(聞きかじった知識)。

こんな感じの尖塔がいくつかある。
見る角度を変えるとこれもまたおしゃん。
こっちの尖塔は地元のラジオ局が使ってるらしい(多分)
どう見てもハロウィンの時に用意したカボチャを片付け忘れている。12月やぞ。
川むこうから旧市街地を撮る。欧州の街灯っていいよね。

いざ、ブラショフへ

 さて、そうこうしているうちにシギショアラから出発する日になった。滞在中にホテルのランドリーサービスを利用していたので、その料金を払いにフロントへ行くと見事に請求を間違えられた。ま、まあちゃんと指摘したら正しい金額にしてくれたからよし。

 ホテルにタクシーを呼んでもらい、来た時と同じくシギショアラ駅へと向かう。前述の通り車に乗ってしまえばほんの5分ほどなのだが、大きなスーツケースを転がしながら外国の慣れない道を歩くのは嫌なのでタクる。駅舎に入ると、記念にと一応写真を撮っておいた。

駅舎の中。シンプルだが田舎の駅にしてはけっこうお洒落だ。

 この写真で言うと、緑色の服を着ている人が立っているあたりが駅員さんがいる窓口である。スマホ上にあるチケットを見せ、あと何分で列車が来るか確認すると、10分ほど掛かるという。その間駅の中をブラブラすると、奥の方に簡単な喫茶店と、きったねぇトイレは発見した。待ち時間が長い人はカフェを利用しよう。ただし、席数が少ないのだけは注意。

 そんなわけで駅を探索していると、10分経過するよりも大分早い時間にルーマニア語で何らかのアナウンスが流れた。何を言っているか分からないが、何をすればいいかは分かる。スーツケースを転がして慌てて例の階段を下り…

例の階段。つまり、エレベーターは無い。パワー!

 プラットホームに滑り込んだ。ギリギリ!

物凄く年季が入っている。

 電車はクルジュ=ナポカからここシギショアラに来た時とほぼ同じ型のようだった。前回の写真だが、内部のイメージはほぼ同じ。

これはクルジュ=ナポカ発の便の写真だが、大体同じ内装だった。ただ乗客はかなり少ない。

 さて、電車に乗り込み指定しておいた席に向かうと…
 なんか知らないオッサンが座っていた。
 
いや誰やねん!しかも複数人でつるんでるし!怖えーよ!

 しかし、よくよく見ると明らかに鉄道関係者っぽい恰好をしている。危険人物ではないだろう。
 あのーそこ私の席なんですけどー、と聞くと、「まあまあ、他の席どこでも使っていいからさ!」と物凄い事を言われた。まあまあじゃねえんだよ。
 しかしこの電車、先述の通りガラガラなのである。しょうがないので少し離れた席に座り、車窓の風景を眺めながら過ごすことにした。

なだらかで柔らかな丘陵、ホッとする感じだ。
たまに現れる、ポツンと一軒だけ建つ家。バイオハザード8を感じる。
時々ちょっとした集落のようなものも見えてくる。

 こんな感じでいい景色があるたびにカメラを窓に押し付けて撮影していると、例の私の席を奪ったオッサンたちが生暖かい目でこちらを見て来て何か釈然としないものを感じたが、のんびりとブラショフへの道を進んでいった。

 ・・・そう、のんびりとなのである。

 いまこの記事を書きながら検索してみたが、シギショアラからブラショフまでざっくり120~130kmくらいのようだ(ルートにもよるが)。それを4時間かけて進んだ。仮に距離が120kmだとすれば時速30キロとなる計算だ。
 wikipedia調べで恐縮だが、JRの在来線・快速列車の速度が時速30~90キロらしい。そして、東京から120kmの距離に位置する都市としては日光、軽井沢、銚子あたりが当てはまるという。

 シギショアラ-ブラショフ間は、東京から日光まで鈍行で行くようなものなのだ。青春18きっぷか!

 当然、車内販売など無い。以前の記事にも書いたが移動は結構疲れるし、4時間ともなるとお腹が空いてくる。ルーマニアで電車移動をする際は、軽食・飲み物の用意をしておくことを強くオススメする。
 なお、列車のトイレも利用してみたが「まあ我慢できる」程度の汚さだった(気持ちがいいものではないので写真は撮らなかったが)。もちろんその時々で綺麗さは変わるだろうから、気になるならウェットティッシュ等を持ち込むといいだろう。

 そして都市間は山々に囲まれているので、スマホの電波が入らない区間も結構ある事を留意されたし。なんだかんだ大都市間の通信が恵まれているのだ、日本は。

いよいよ暗くなってきちゃったよ

 さて何とか4時間の移動時間を乗り越え、ついにブラショフ駅へと到着した!相変わらずエレベーターは見当たらないので大型スーツケースを持ち上げて階段を降り、駅の入り口広場まで移動する。

駅の入り口広場。色々なお店やらチケット売り場やらが並んでいる。
外から駅舎を眺める。この写真だと分かりづらいが、結構大きい。ちょっと共産味もある。

 さて、ホテルに向かおう。ブラショフは都会なので、Uberが呼べる。という事で早速アプリから呼んでみるのだが、待てどもなかなか捕まらない。
 しかたないので、駅前のタクシー乗り場に大量のタクシーが出待ちしているから、それを拾うことにした。正直なところ、現地の流しのタクシーはボッタクリの可能性もあるし、運転手が悪人だったら郊外に連れていかれて強盗・殺人に遭う可能性もゼロではない。特に外国人観光客の一人旅行となればなおさらだ。だから私は追跡機能があってサーバにデータが残る(はず)のUberの方を基本的に使うことにしているのだが、捕まらないのではしょうがない。それに寒くて、さっさとホテルに逃げ込みたい気持ちも強かった。

 とにかく私は1台のタクシーを捕まえると、ホテルの住所を見せていくらか聞いた。「35レイだ」とのこと。大体1000円くらい、これなら良いだろう。
 近代的なビルが立ち並ぶ道を10分ほど走り旧市街に入るとタクシーは停車した。35レイ払おうとすると運転手のおじさんが一言。

 「45レイな」

 ああ、やっぱり来たか…がっかりとやっぱりが半々の気持ちになりながら、いちおう一言文句は言いつつも言われるがままに45レイ払うことにした。変に揉めて逆上して刺された、なんてことになっても嫌だし。差額の10レイはおおよそ300円だから、300円を守ってもっと嫌な目に遭うのも馬鹿らしい。
 とにかく言われた金額を払って荷物を下ろすと、そこは旧市街地の中心部、スファトゥルイ広場。

ツリーが輝き、出店が立ち並び、クリスマスムード満点。

 そう、今回のお宿は街の中心部ど真ん中に取ってあるのである!

 旅行において意外と重要なのがホテルの位置だ。安いからと言って中心部から離れた場所にホテルを取ってしまうと日用品の買い出しや観光地へのアクセスが不便になる。かと言って中心地のホテルを取ると高い。基本的にはトレードオフの関係だ。

 しかし今回、中心地ど真ん中でホテルズドットコムでの評価が星9を超えるホテルが1泊1万円で見つかったのである!さすがはルーマニア、物価が安い!

その名はカーサワグナーホテル。スファトゥルイ広場直結だ。
ホテルの外観(後日撮影)。専用の建屋があるわけではないので、一瞬気づかないかもしれない。

 中に入ると、いきなり目の前にフロントデスク(という名のパソコンが置いてあるただのカウンター)があり、その隣に2階へと続く階段が伸びている。古民家、というかヨーロッパによくある「築百年以上経ってそうな古い建物」の内部をリノベしたホテルであるらしく、一般的なホテルとは趣が違う。それ故エレベーターも無いので注意が必要だ。ポーターが居るわけでもないので、ここに宿泊するときは、自力で持ち上げて階段を登れないほどの大荷物では来ない方がいいだろう。

 さてチェックインを済ませると、嬉しいサプライズがあった。私は湯船に浸かりたい派なので、予約時に「出来ればバスタブがある部屋がいいです」と伝えておいた。その時は「すみませんがご対応できかねます」という返事が来たので、まあしょうがないねくらいに思っていたのだが、なんとバスタブ付きの部屋が空いていたのでアップグレードしてくれたとのこと。わーい!風呂だ風呂!!

部屋のバスタブ。大の男がゆったり入れる広さがある。欧米人サイズってことか。
浴室の様子(後日撮影)。斜めの屋根の真下だから変に狭いが、バスタブがあるので我慢できる。

 これまでシャワーだけの旅行生活だったので、この湯船は非常に効いた。みなさんも長旅の際はバスタブ付きの部屋をリクエストしてみると良いだろう。

 さてもう夜も良い時間なので食事を取らねばならない。だが今から色々探すのも面倒なので、広場に面したルーマニア料理店に入ることにした。その距離、ホテルを出て30秒。

ルーマニア風挽肉の炭火焼ミティティを注文。付け合わせも嬉しい。

 ミティティ本体が41レイ、右上の飲み物(レモネード)の19レイと合わせて60レイ、2000円弱と言ったところ。観光地でこのボリュームでこれならまずまずと言ったところだろう。
 お味の方は、挽肉を炭火で焼いたのだから、不味いはずがない…と言いたいところだが、非常にしょっぱい。
 いや、美味しいんですよ?美味しいけどかなりしょっぱいのだ。パンと一緒に口に入れて何とか誤魔化すが、だんだん胃が痛くなってきた。それでも何とか平らげて会計を済ますと、また30秒だけ歩いてホテルに戻るのであった。
 連日の観光で疲れてもいたし、長い電車移動もあってより疲れていた。この日はゆっくりと風呂に浸かり、そのまま就寝したのであった。

あたたかなベッドでダウン。疲れた…

 そんなわけで今回はシギショアラのラストとブラショフへの到着の様子をお届けした。次回は素敵な古き良き欧州の街、ブラショフ観光の様子をお届けしたい。

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