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ADHDと抑うつが併発する?

僕はADHDと抑うつを持っております。
これまで多岐にわたり色々な症状を書いてきましたが今回は、ADHDと関係性の高い抑うつが併発するのか記載していきたいとおもいます。
この記事を見て少しでも病気への理解をしてくれる方が増えることを願ってます。

ADHDと抑うつ:その併発と関係性


ADHD(注意欠如・多動症)と抑うつ(うつ病)は、しばしば併発することがある精神的な健康状態です。この記事では、ADHDと抑うつの関係性について探り、その併発がどのような影響を与えるかを考察します。また、併発のメカニズムや対処法についても紹介します。

1. ADHDとうつ病は併発するか?


結論から言うと、ADHDと抑うつは併発しやすいとされています。研究によると、ADHDを持つ人々の中で、うつ病を経験する割合は一般人口よりも高いです。ADHDの特性である集中力の欠如や多動、計画性の不足などが、長期にわたって心理的ストレスを引き起こし、結果としてうつ症状を悪化させる可能性があります。

ADHDの特性が社会的な成功体験の不足や人間関係の困難をもたらし、それが長期的な自己評価の低下を引き起こすことがあります。これがうつ病を発症するきっかけになることが少なくありません。

2. 併発のメカニズム


ADHDの特性が引き金に:ADHDを持つ人は、日常生活や仕事での失敗や達成感の欠如を感じやすく、これが長期間続くと、自分自身に対する自信を失うことがあります。特に、以下の点が抑うつ状態を引き起こす要因とされています。

• 計画やタスクの遂行に困難を感じる:ADHDの不注意や衝動性のために、計画を立てたり、物事を完了させるのが難しい場合、達成感を感じにくくなることがあります。この繰り返しが自己効力感を低下させ、やがて抑うつ症状に繋がることがあります。
• 人間関係の摩擦:ADHDの多動性や衝動性により、友人や同僚とのトラブルが増えることがあります。これが孤立感や不安感を助長し、抑うつのリスクを高めることもあります。
• 社会的・職業的な不安定さ:ADHDの症状が、仕事や学校生活での失敗や中断を引き起こす場合、それが経済的な不安や将来への不安に繋がり、精神的負担が大きくなることがあります。

3. 併発の影響


ADHDとうつ病の併発は、どちらか単体で存在する場合よりも症状が重くなることが多いです。ADHDの衝動性や不注意が、うつ症状によって悪化し、さらにADHDの特性が抑うつを深めるという悪循環が生じる可能性があります。具体的には、以下のような影響が考えられます。

• 集中力ややる気の喪失:うつ病によってさらに集中力が低下し、ADHDの症状が悪化します。この結果、タスクの完了や日常生活の維持がさらに困難になることがあります。
• 活動量の低下:ADHDによる多動性が抑うつによって抑制され、エネルギーが著しく低下することがあります。これにより、日常的な活動への意欲がさらに失われることがあります。
• 社会的孤立:抑うつが人間関係を避ける要因となり、ADHDによる衝動的な行動が他人とのトラブルを引き起こすことで、孤立感が増すこともあります。

4. 併発への対処法


適切な治療を受けることが、ADHDとうつ病の併発に対処するための第一歩です。以下の方法が効果的とされています。

• 薬物療法:ADHDの治療には、しばしば刺激薬(メチルフェニデートやアンフェタミン)が使用されますが、これがうつ症状にも良い影響を与えることがあります。また、抗うつ薬を併用することも考えられます。ただし、個々の症状に応じた処方が必要です。
• 認知行動療法(CBT):CBTは、ADHDやうつ病に対して効果的な治療法として知られています。ネガティブな思考パターンを修正し、自己評価を高めることが目的です。CBTを通じて、ADHDによる行動のコントロールを学び、抑うつ症状を軽減することができます。
• サポートネットワークの構築:家族や友人、カウンセラーとのコミュニケーションを通じて、孤立感を減らし、日常生活でのストレスを軽減することが重要です。また、ADHDや抑うつに対する理解を持つコミュニティに参加することも有効です。
• ライフスタイルの調整:規則的な生活リズムやバランスの取れた食事、適度な運動が精神状態を安定させ、ADHDとうつ病の症状を和らげることに繋がります。特に、時間管理の工夫やタスクの細分化などが役立ちます。

結論


ADHDとうつ病は併発しやすく、互いに症状を悪化させることがあります。しかし、適切な理解と治療を受けることで、生活の質を向上させることができます。自分自身の特性や症状を理解し、必要なサポートを受けることで、心身のバランスを取り戻し、より充実した日常を送ることが可能です。

この併発を理解し、自己ケアや専門家のサポートを積極的に活用することが、長期的な回復への道となるでしょう。

参考文献


1. Barkley, R. A. (2015). Attention-Deficit Hyperactivity Disorder: A Handbook for Diagnosis and Treatment. Guilford Press.
• この書籍は、ADHDの診断と治療に関する包括的な情報を提供しており、ADHDと併発する他の精神疾患についても詳しく解説されています。
2. Biederman, J., et al. (1993). “Attention-deficit hyperactivity disorder and major depression: Is there a familial connection?” Journal of the American Academy of Child and Adolescent Psychiatry, 32(3), 573-580.
• この研究は、ADHDとうつ病の家族的な関係について調査しており、併発の可能性を探っています。
3. Turgay, A., Goodman, D. W., Asherson, P., et al. (2012). “Lisdexamfetamine dimesylate in adults with ADHD and co-morbid depression: a randomized, placebo-controlled trial.” European Neuropsychopharmacology, 22(3), 220-229.
• ADHDと抑うつの治療における薬物療法の効果を検証した臨床試験です。
4. Faraone, S. V., & Biederman, J. (1997). “Do attention deficit hyperactivity disorder and major depression share familial risk factors?” Journal of Nervous and Mental Disease, 185(10), 533-541.
• ADHDと大うつ病が共通の家族リスク要因を持つかどうかを調査した論文で、併発する可能性を論じています。
5. Kessler, R. C., et al. (2006). “The prevalence and correlates of adult ADHD in the United States: Results from the National Comorbidity Survey Replication.” American Journal of Psychiatry, 163(4), 716-723.
• 成人のADHDと併発する精神疾患の一般的な傾向について調査した大規模な研究です。

これらの参考文献を通じて、ADHDとうつ病の併発に関する科学的な理解を深めることができます。



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