社会人ADHDのある会社での1日 人材会社編
はじめに今回この記事を書こうと思った理由は、1番思い出にある働き方をした企業だったからです。
そこはそこそこブラック企業で人生で二回目のブラック企業でした。
現在、様々な媒体でブラック企業について取り上げられてますが、実際にブラック企業に入らないと分からないことや、人材会社で障害もちが働くとどうなるのか、前職をやめて1年以上経つのですが、思い出しながら投稿します。
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こんにちは、この記事では僕の社会人経験、特に人材会社でリクルーティングアドバイザー(RA)として法人営業職を務めていた頃の1日についてお話ししたいと思います。入社時の僕は、ADHD(注意欠陥多動性障害)の特性を抱えながらも「社会人として成長したい」という思いで人材業界に飛び込みました。就業時間は平日の10時から19時、土日は休みという勤務形態でしたが、実際には残業が多く、気づけば毎日終電近くまで働く生活が続いていました。
最初は、ADHDを抱えながらも「営業としてしっかりと成果を出したい」と意気込んでいました。しかし、実際に現場に出ると「午前中に全エネルギーを使い果たしてしまい、午後はまるで無気力のように虚無な時間が続く」など、いくつかの難しい点が浮き彫りになってきました。また、第1印象が良いため新規顧客には好かれるものの、その後のフォローが苦手で既存顧客が離れてしまうこともありました。営業未経験ということもあり、最初は地獄のように感じることが多く、浮き沈みの激しい成果と向き合いながらの毎日でした。
今回は、このような経験を元に、「ADHDを抱える営業職のリアルな日常」「成長の喜びと苦悩」、そして「その仕事を通じて得た教訓や今後の社会人生活への展望」について語っていきたいと思います。
午前中に全てのパワーを使い切り、午後は虚無の時間が続く
僕にとって午前中の時間は、最も集中力を発揮できるゴールデンタイムです。会社に到着し、10時の始業と同時に「今日こそはしっかり成果を出すぞ!」と気合を入れてスタートします。朝のうちにその日のタスクや目標を確認し、リストを作成しながら計画を立てるのが日課でした。
午前中の営業活動では、特に新規顧客へのアプローチを重視していました。お客様と初めて会う際は緊張感もありますが、ADHDの特性のひとつである「ハイエネルギーな瞬間の集中力」が発揮されるため、自然と会話が弾みます。営業トークや提案内容にも熱が入り、相手にも好印象を持ってもらえることが多かったです。
しかし、正午を過ぎると、突然ガクッとエネルギーが切れてしまいます。午前中に全ての力を使い切ってしまったせいで、午後はまるで別人のように無気力になってしまうのです。やらなければいけないタスクが山積みであるにも関わらず、思考がぼんやりしてきて、何をするにも集中が続かない。この状態になると、まるで心が虚無のようになり、目の前にあるタスクに対してやる気が湧いてきません。午後の会議や、重要なフォローアップの電話さえも億劫に感じてしまいます。
新規顧客には好かれるが、その後のフォローが苦手で既存顧客が離れていく
僕の強みの一つは「第1印象が良いこと」です。新規顧客に対しては、自己紹介から始まり、相手のニーズを深掘りするように話を進め、真剣な姿勢と誠実さで接するように努めていました。幸運なことに、このアプローチが評価され、新規の顧客にはよく「また会いたい」と言っていただけることが多かったです。
しかし、問題はその後のフォローアップでした。ADHDの特性の一つで、長期的な関係の維持や小まめなフォローが苦手な点があり、顧客との関係が深まるほど「どこまで話したか」「どんな提案をしていたか」がうまく整理できなくなってしまうのです。そのため、次に顧客に会う時に相手のことを詳細に覚えていなかったり、適切なタイミングでのフォローができなかったりすることが増えてしまい、結果として既存顧客が他社に流れてしまうことも少なくありませんでした。
特に法人営業では、信頼関係の構築が大切ですが、それを上手くできないことに自責の念を抱くこともありました。「せっかく新規顧客に気に入ってもらえても、その後のフォローができない自分は営業に向いていないのかもしれない」と、何度も悩みました。
営業未経験のため最初は地獄だった
営業未経験の僕にとって、この仕事は最初から試練の連続でした。特に法人営業という役割は、一般的な営業よりもさらに高度なコミュニケーションスキルや、顧客のニーズに応じた提案力が求められます。人材業界はノルマが厳しく設定されており、目標を達成できなかった時には上司から厳しい指導が入ることも珍しくありません。
最初の頃は、ADHDの特性と営業未経験の二重苦で、日々の業務がまさに「地獄」と感じました。ノルマに追われるプレッシャーは想像以上に大きく、結果が出ない時には自己肯定感が下がり、「自分は本当にこの仕事ができるのだろうか」と自問する日々が続きました。最初の数ヶ月は、成果が出ないことに焦りと不安を感じ、仕事に対する意欲が徐々に薄れていくような気さえしました。
成果が上がり、最高到達点に到達するも浮き沈みが激しい
仕事を続けていくうちに、少しずつ営業としてのスキルが身についてきました。特に新規顧客へのアプローチに関しては自信を持てるようになり、徐々に成果が上がり始め、ついには自身の最高到達点に到達することができました。この瞬間は、営業としての大きな成長を実感でき、「自分もやればできるんだ」という喜びを感じました。
しかし、その後も安定した成果を出し続けるのは簡単ではありませんでした。ADHDの影響で、調子の良い時と悪い時の差が激しく、成果の波もそれに比例して大きくなってしまいます。安定して成果を上げられないことに焦りを感じ、「次も成功しなければならない」というプレッシャーで、自分自身に対する期待と不安の狭間で葛藤する日々が続きました。
ブラック企業で残業が多くキャパオーバーだった
この人材会社は、残業が当たり前のような「ブラック企業」の色が強く、毎日終電近くまで働くのが常態化していました。業務量は膨大で、一つの案件を終えたと思ったら次の案件が待ち構えている状況で、キャパシティを大幅に超えた働き方を余儀なくされていました。ADHDの僕にとって、業務量の多さとマルチタスクの要求は厳しく、すぐに処理しきれない状態に陥ってしまいました。
キャパオーバーになると、集中力が切れやすく、ミスが頻発するようになります。その度に上司から指摘を受け、「どうしてできないのか」と問われるのですが、自分でもその答えが分からないもどかしさがありました。残業が続く生活の中で、次第に体力的にも精神的にも限界を感じ始め、終電で帰って寝るだけの生活が続くことで、疲弊感が募っていきました。
ADHDの特性上マルチタスクが苦手で、特に管理系がてんやわんやに
僕のADHDの特性の一つに「マルチタスクが苦手」というものがあります。営業職では日々のタスクを並行して進めることが求められる場面が多く、例えば一日中営業活動をしながら、見積もりや提案書の作成、顧客データの管理、他部署との調整なども進めなければなりません。しかし、いくつもの作業を同時にこなそうとすると、思考が散漫になり、どれも中途半端になってしまうことが多々ありました。
特に「管理系」の業務は、僕にとって大きなハードルでした。例えば、複数の顧客との連絡履歴や進捗状況を正確に把握する必要があるのですが、これがどうしても上手くいかず、顧客への連絡漏れやダブルブッキングが頻繁に発生してしまいました。また、営業資料や契約書などの書類も、細かなチェックが苦手なため、誤字脱字が多く、上司からたびたび修正を命じられました。こうしたミスが続くと、自分でも「何度も同じことを指摘されてしまう自分が情けない」と感じることもありました。
さらに、締め切りが複数重なる時期には、どのタスクを優先すべきか頭の中がパニックになり、結果的に大切な業務が抜け落ちてしまうことがありました。特に、月末のノルマ達成のために必死に営業活動をしている最中に、上司から「来月の計画書を提出しなければならない」と言われると、一気に頭が真っ白になります。「今は営業に集中したいのに、他の業務があると手が回らない」と感じて焦りが募り、ますます管理系の仕事が後回しになってしまうのです。
こうした状況を改善しようと、タスク管理アプリやノートを活用して、自分なりに工夫を試みましたが、長続きしないことが多く、結局は業務が滞ってしまうことも。特に、仕事が立て込んでいる時期には、メモを取ったことさえ忘れてしまうことがあり、管理系のタスクが山積みのまま放置されることがありました。
結果として、周囲からは「抜けが多い」「管理が雑」と見られることもあり、自己評価も低くなってしまいます。上司からも「しっかり管理しろ」と注意されるのですが、注意されればされるほど焦りが増し、さらにミスをしてしまうという悪循環に陥っていました。この経験を通じて「管理系の業務は僕にとっての最大の課題だ」と感じるようになり、ADHD特性と向き合いながらも、日々少しでも改善しようと努力するきっかけになりました。
このように、ADHD特性によるマルチタスクの苦手さと管理業務の難しさは、僕にとって一つの大きな壁でした。それでもこの経験を経て、自己管理や業務管理についての学びを深めることができたのは、一つの収穫だったと思います。
会社に入って良かった点
この経験を通じて、僕は営業のスキルを学ぶことができました。初めは苦しんだものの、営業としてのトーク力や提案力を磨き、次第に自信を持って仕事ができるようになりました。また、社会人としての視野も広がり、「一つの仕事に対する責任感」や「顧客視点での考え方」を身に付けることができました。
さらに、この「ブラック企業」での経験を通して、ある程度のブラック耐性も身につきました。過酷な環境で働いた経験があるからこそ、他の職場に移っても多少の困難に動じない精神的な強さが身についたと感じます。
悪かった点
一方で、残業が多く、終電で帰る生活は肉体的にも精神的にも負担が大きく、健康を損ねることも少なくありませんでした。また、この会社では「ノルマを達成しなければ人権がない」というような、過剰なプレッシャーがかけられていたため、仕事に対するモチベーションを保つのが難しい時も多々ありました。ノルマ未達が続くと、まるで自分が社会人として価値のない存在のように感じることもあり、自己肯定感が揺らぐ瞬間もありました。
終わりに
この会社での経験を振り返ると、僕はADHDの特性を抱えながらも、多くの困難と向き合い、成長してきた自分を誇りに思います。たしかに、営業という仕事は楽な道ではありませんでした。新規顧客を獲得してもフォローアップで苦労したり、残業に追われてキャパシティを超えたり、ノルマを追い続けて心身ともに疲弊したりと、辛い日々が続きました。しかし、そうした日々の中で、僕は営業スキルを磨き、業務に対する責任感や顧客視点で物事を見る力を身につけました。
また、ブラック企業での経験は、僕に「困難に対する耐性」を与えてくれたとも感じています。終電まで働く生活の中で体力と精神力が削られる一方で、「どんな環境でも生き残れる強さ」も培ったように思います。今後どのような職場で働くことになっても、この経験が自分の糧になると信じています。
もちろん、ADHDの特性が原因で苦しんだ場面も多く、特に「マルチタスクや管理業務の難しさ」は今も課題です。顧客との細やかな関係維持や、業務の優先順位を見失わないようにすることは今後も意識して取り組んでいきたいと考えています。
この経験から学んだことは、苦手な部分にフォーカスして落ち込むのではなく、「自分の強みを活かし、いかに自分らしく働けるか」を意識することの大切さです。営業に向いているかどうか不安だった僕でも、振り返れば「新規顧客の開拓」という分野では自分らしく働けていたと感じますし、これからも自分の特性に応じたスタイルを模索しながら成長していきたいと思います。
僕と同じようにADHDや何かしらの特性を抱えつつ、社会で奮闘している方も多いでしょう。そんな方に伝えたいのは、「自分に合った働き方は必ずある」ということ。苦手なことを克服しようと無理をするのではなく、強みを活かして生きる道を見つけることが重要だと思います。
この仕事を通じて、「困難な環境でも自分らしく働く方法」を模索する姿勢を身につけたことが、今の自分にとって何よりの財産です。
読んで頂きありがとうございます。
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