Lomokie Diary #23🇬🇭「ベロニカバケツ救出作戦」
こんにちは。Lomokieです。
ガーナにきて3ヶ月が経過し、任地でも私のリアルネーム(ローカルネーム"Lomokie"ではない本名)を知る人が増えてきました。
さて、私の職種は学校保健で、活動拠点校(幼稚園〜中学校の一貫校)で健康教育を実施しようとしています。
今回は、水道設備を整えようとしている近況をお話したいと思います。
第1段階 (ティッピータップを提案?)
活動拠点校の学校保健担当教員から「水道設備が不十分」といった話を聞き、「ティッピータップの設置を検討してみよう」と思い至ったのが第1段階。
聞いたこと
「水道設備が不十分」
「蛇口は1つあるが、幼稚園児がいたずらをしないように常に鍵をかけており、教員と一部の生徒のみが解錠できる」
「断水していなければ水をベロニカバケツに貯めることができる」
「断水していてベロニカバケツが使えない時は、1袋30ペセワ(500ml約4円)のピュアウォーターを買って手を洗っている」
見たこと
・校庭には2つのベロニカバケツが出ており、そのうち1つは壊れている。
・ベロニカバケツは普段は教室に保管されており、朝グラウンドに設置して、放課後に片付けている。
・実際には水が出ていてもベロニカバケツは使われていない(中身は空っぽ)
・石鹸は置いていない。
アセスメント(考えたこと)
・生徒約800名に対してベロニカバケツ2つは少ない。
・ベロニカバケツの数が少なく(そもそも使われておらず)石鹸のない状況では、児童生徒が充分に手を洗うことは難しい。
・児童がいたずらをしない工夫が必要。
計画立案
・ベロニカバケツの数を補うことを目的に、ティッピータップの設置を検討してみよう。
ティッピータップについてはこちらのサイトが分かりやすいかと思います⬇
第2段階(再検討)
ティッピータップの設置を提案する前に、「そもそもコロナ禍ではどんなふうに手洗いを実施していたのだろう。その時に非効果的だった対策と同じ対策をしても意味が無いのでは」と思い、考え直したのが第2段階。
聞いたこと
「コロナ禍ではティッピータップを設置していたが、児童が壊してしまったり、誰かに盗まれたりしたので撤去した」
「この学校ではこれまでもプロジェクターが盗まれるなどいろいろあった」
アセスメント(考えたこと)
・提案しようとしていたティッピータップはコロナ禍で既に実施されていた。そして撤去されていたとなると、ティッピータップの設置はあまり現実的ではないかもしれない。もしも再設置するとしたら、いたずら防止、防犯対策が必要。
計画立案
・とりあえずほかの方法を検討しよう。
第3段階(ベロニカバケツ救出作戦立案)
ある日偶然入った部屋に使われていないベロニカバケツが複数個あるのを見つけ、それらが使用可能かを確認しようとしたのが第3段階。
見たこと
・空き部屋に使われていないベロニカバケツが5つほどあるのを発見。バケツの中を覗くと、ノートやプリント等が沢山入っている。
・その部屋はもので溢れかえっており、壊れた机や椅子も置いてある。
アセスメント(考えたこと)
・もしかしたらこれらのベロニカバケツが使用可能かもしれない。
・中にものが入っている状態では、これらのベロニカバケツが使用可能かどうか確認したくても確認できない。
・確認作業をする際に、壊れているものを踏むなどして怪我をするリスクがある。
計画立案
・これらのベロニカバケツが使用可能かどうかを安全に確かめるため、まずは部屋全体の掃除をしよう。
そんな流れで「Let's clean the room! ベロニカバケツ救出作戦」を決行するに至りました。
得る情報(聞いたこと・見たこと)によってアセスメントも計画もがらっと変わるということがわかりますね。
現実に即した活動をするためには現状把握が大事だと改めて思いました。
第4段階(ベロニカバケツ救出作戦)
というわけでその後、学校保健担当の先生・管理職と相談し、部屋の大掃除を実施したのが第4段階。
1)準備
まずは、生徒を連れて近所のお店にてダンボールを調達。
掃除を始めるにあたっては、学校保健担当の先生が担当クラスの生徒に協力を呼びかけてくれました。さらに、「埃すごいからマスクしてね」と参加生徒全員に布マスクを配布。
健康面への配慮までしてくださいました。
2)実施
予定どおり、まずは部屋にあるものをすべて外に出すところからスタート。
次は外に出したあれこれの仕分け作業です。
Necessary(必要なもの)とUnnecessary(不要なもの)に分けます。とはいえ、私には何が必要で何が不要かの判別はつきません。ここは教頭先生が指揮をとってくださいました。「冊子は部屋に戻してそこの紙類はすべて処分!」
おかげでさくさく進み、あっというまに終わりました。
BEFORE
AFTER
だいぶすっきり!
本当は本棚を置いたりできるといいなと思いますが、とりあえず要らないものを処分できただけでもよしとしよう。
今回の真の目的は「ベロニカバケツの救出」だったわけですが、めでたくバケツの中身は空っぽになりました。救出成功。
BEFORE
AFTER
協力してくれた生徒、それから先生方とは心からのAyekoo!(Well done! おつかれ!)を交わしました。
今後は、救出したベロニカバケツが使用できるかの確認をおこない、なんとかして(まだここが曖昧)水道設備を整え、最終的には効果的な手洗い指導に繋げることができれば…と考えています。
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これからも気の向くままにちょbitずつ投稿していきますので、ガーナでの暮らしについて、一緒に知っていってもらえたら嬉しいです。
JICA海外協力隊 2022年度4次隊 Lomokie
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