【感想】テイルズ初心者によるテイルズオブアライズ(ストーリーネタバレなし)
無性にゲームしたいなーって思う時ありませんか?私はあります。
たまたまそんなゲームしたい期にプレイステーションストアを彷徨いていてみつけたゲームがこのテイルズオブアライズでした。
全く事前情報なしにプレイしたんですが、先に言ってしまうとこのゲーム、破茶滅茶に面白かったです。時間を忘れてゲームをプレイしたのは久しぶりの体験でした。勢い余って初のトロフィーコンプリートも成し遂げてしまいました笑
せっかくいい作品に出会ったので興奮醒め遣らぬうちに感想を書いておこうと思い立った次第です。発売からまだ10日ほどなので、まずはネタバレなしの感想から書きます。ネタバレ込みのストーリーの感想は別の記事にします。
世界観、戦闘、フィールド、トラベル、サウンド、クエスト、キャラクター、そしてストーリー(ネタバレなし)、の観点からレビューしていき、最後に総評を述べたいと思います。基本的には公式サイトで紹介されている情報以上のところには触れません。
その前に最初に言っておきたいことを書いておきます。
テイルズオブシリーズの25周年記念作品となっている今作ですが、前作との繋がりなどはなく、今作からでも楽しめるものになっている、ということです。むしろ、前作とは結構毛色の違う作りになっているようで、新規のユーザー層獲得の狙いもあるようです。私はガッツリ掴まれました。
でははじめていきます。
世界観
豊かな大地を持つダナの地、そこに隣の惑星レナからの侵略を受け、支配されるようになったのが300年前のこと。現在そのダナの地はレナにより5つに分けられ、それぞれが領主(スルド)により統治されている。その五領のひとつ、オルブス・カラグリアは岩と砂塵に覆われた不毛な大地で、絶え間なく炎がなぶっている場所である。その地で奴隷として日々を過ごしている謎の鉄仮面に焦点があたり、物語は始まっていく——。
この鉄仮面こそ主人公なのですが、最初は正体がわかりません。なぜなら、記憶も痛覚も無いというのです。なので顔も名前もわからない。始まりからなかなかハードな設定ですよね。
ですが、この記憶がないという設定のおかげで、他キャラの説明台詞がすごく自然に入ってくるのはよかったです。鉄仮面とプレイする私達の知識は同じく何もないところから始まるので、ダナの世界の仕組みについてわからないところを鉄仮面が聞いてくれるのがよかったですね。
さて、そんな鉄仮面ですが、触れる者に激痛を与える<荊>という呪いをかけられた女性、シオンに出会います。シオンは炎の剣を有しており、鉄仮面はひょんなことからその灼熱の剣を扱ってみせます。痛みを感じない彼だからこそ為せる技。5人の領主全てを倒すことが目的だと語るシオンと、ダナの現状から人々を解放したい鉄仮面は共闘する事になる、そんなあらすじです。
5人の領主を倒しにダナの世界を回るのだということが明確に示され、ストーリーの道筋としては非常にわかりやすくて良いと思います。
戦闘
当然、道中のレナ人やその使役するズーグルという魔獣との戦闘は避けられません。
その戦闘ですが、とても良いバランスで調整されていると思いました。
私は、正直言うとアクションが苦手なのですが、そんな私でも楽しめる手軽さと爽快さがありました。
通常攻撃とは別に、□、△、○ボタンに術技と呼ばれるものをセットし、それを繰り出して戦って行くことになります。
地上技と空中技をそれぞれ3つずつセットすることが可能で、地上技で敵を打ち上げたり、空中技で叩きつけたりすることでコンボを繋げることが可能です。
ですが、出せる回数には制限があり、通常攻撃は3回まで、術技はAG(アーツゲージ)を消費して戦うことになります。
この上限は戦闘やクエストなどで貯めることができるSP(スキルポイント)を使ってスキルを解放することで増やすことができます。
キャラクターごとに術技のラインナップは異なり、それぞれ必然と特徴ある戦い方になります。剣で斬る者、銃を撃つ者、魔法を使う者など様々です。
主人公以外のキャラクターも操作することができるので、自分のプレイスタイルに合わせたキャラクターで進めることができます。
また、ストーリーをサクサク進めたい人やアクションが苦手な人は戦闘をフルオートにすることも可能です。その際の行動AIも優秀で、オートながらも操作は受け付けてくれるので回避だけする、みたいな遊び方もできてしまいます。
また、味方CPUの回復やアイテム使用に関する行動AIも作戦として細かく指示することができるので勝手にアイテムを使いすぎ!ということにもなりません。
戦闘そのものの難易度調整も可能で、ストーリー、ノーマル、セカンド、ハードから選ぶことができます。難易度を下げることによるペナルティはSPの獲得量が減るというだけなので気軽に変更して楽しむことができます。
このように、どのようなプレイスタイルにおいても快適に戦闘ができるように作り込まれている印象を受けましたね。
各キャラの秘奥義や連携技は非常にカッコよくて、テンポがいいので何回も見てもあまり飽きが来ないのが良かったです。
また、ブーストアタックというものを敵の特性に合わせて使用することで戦闘を有利に進めることができるのも面白かったです。
このゲームの戦闘においては回避が割と重要で、ジャスト回避を決めるとカウンターを決めることができます。
ダメージを負いすぎた際の回復に関してはCP(キュアポイント)を使用することになるのですが、これはパーティー全員で統一された数字で、割とすぐに枯渇してしまいます。
フィールドにおける障害を排除するのにもこのCPを使うので結構厳しいです。グミというアイテムを使ってCPを充填できるのですが、とても高価という。いかにCPを使わずに進んでいけるか、というのが序盤の肝になったりしています。
一つ戦闘で気になった点は、後半になると状況把握ができない、という点です。というのも、味方と敵の魔法エフェクトに違いがないので、どっちの魔法なのかわからないんですよね。この点はもう少し見方側はエフェクトを軽減するなどして分かりやすくしてほしかったかな、と思います。
色々書くと難しそうに感じてしまうかもしれませんが、チュートリアルがとても分かりやすくて親切なので大丈夫です。さぁ、戦闘狂になりましょう。
フィールド
主人公たちは広大なフィールドを移動していくことになります。グラフィックは、イラスト調のファンタジー表現を独自で磨き上げた「アトモスシェーダー」という技術が使用されているそうです。
私はリアルすぎるゲームよりかは少し「ゲーム世界感」が残るぐらいの方が好みなので、ドンピシャでしたね。リアル志向の方にはひょっとすると少し物足りないのかもしれません。
マップは優しすぎず意地悪すぎずで、探索する楽しさを邪魔しないちょうどいい塩梅だと私は感じました。主要地点にはスキップトラベルというマーカーが置かれ、その地点にはいつでもひとっ飛びすることが出来ます。一度訪れた地点への移動が楽なのはサブクエストなどをやり進めるに当たって非常に良かったです。
トラベル
物語を進めていくと、スキットと呼ばれる会話劇が挟まれます。これはテイルズオブシリーズの大きな特徴らしいのですが、初見の私には新鮮でした。
スキットは、コミックスタイルのコマ割りの中で3Dキャラクターが会話していくような構図になっています。キャラクターがこのスキットで深く掘り下げられて肉付けがされていくので、キャラクターの解像度が上がります。また、メインストーリで言うまででもないけれども大事なことの補足などもしてくれるのでとても楽しいです。
大事なスキットはストーリーの進行に合わせて自動で再生されるほか、重要度の低いスキットに関しては条件次第で任意に再生可能なため、大筋のストーリーだけ追いたい人は見ずに進めることも出来ます。
私は今回のプレイでスキットが大好きになりましたね。
このスキット、すごいと感じたのはその時装備しているキャラクターの見た目をそのままに再生されるんです。これによって、よりそのキャラクター達と冒険している没入感が高まってよかったです。私は全てのスキットをしっかり見ました。
また、見逃したスキットは野営地で宿泊すると振り返って見ることが可能です。野営地特有の会話イベントも非常に豊富で、素晴らしかったです。逆に、街の宿場などに止まった場合は何もないので少し残念感はありました。
宿泊の際には料理を作成することが可能で、キャラの得意料理を選択すると追加のボーナス効果を得ることが出来ます。この料理の出来上がりの音声だけやたら大きいので、ヘッドフォン使用時には注意が必要です。これは早く調整して欲しいですね。
重要シーンではfateシリーズや鬼滅の刃などで有名なufotable作成のアニメムービーが流れます。ufotableさんの映像は私も好きなのですが、今作に関しては、そもそもの3Dのモーションなどがとても良いのでそれで通しても良かったのでは?という感想でした。アニメムービーはテイルズオブシリーズの伝統らしいのですが、今回は全体の世界観がアニメタッチからは少し離れているのでムービー部分だけ浮いている印象を受けてしまいました。ムービー自体は良かったですよ!
トラベルにおいて今作で非常に個人的に楽しかったのは釣りの要素でした。特に、いい釣竿を手に入れるまでは魚との死闘を繰り広げることになります。釣れそうで釣れなかったり、の塩梅が私はすごく楽しめました。この要素は全くやらない人とハマる人と二極化しそうですね・・・。
サウンド
今作は戦闘BGMをはじめ、フィールドBGMも非常にたくさんの楽曲が使用されています。
私はずっと同じ音楽を聴くことを強いられるゲームはそれだけで続かないので、フィールドが変わるたびに違うBGMが流れるこのゲームはとても気持ちよくプレイできました。
サウンドトラックとか出ないんですかね?出たら間違いなく買うくらいにはBGM良かったですよ!
クエスト
進行度に応じてサブクエストを多数受ける事ができ、報酬としてお金やアイテム、SPなどを入手する事ができます。
めちゃくちゃ面倒くさいクエストがある訳でもなく、特に全体として不満はないですが、討伐系クエストには推奨レベルなどの記載があるとなお良かったかな、と思いました。挑むまで敵のレベルがわからない上、逃走出来ない仕様なので無理!と思ってもゲームの再起動をするしか離脱方法が無いんです。まぁ、これはゼノブレイドをやりすぎた人間の思考回路なので特殊かもしれませんが。
キャラクター
キャラクターデザインはすごく良かったと思います。過去作をプレイした事がないので変遷は分かりませんが、今作に限って言えば私はとても好きです。表情や仕草もすごく豊富で、出来がいいなという感想です。キャラクターひとりひとりに考え方の筋というか、大事にするもの、得意なものや苦手なものとかの特徴がつけられていて良いと思いました。声優さんも敵味方ともに豪華かつ上手で、違和感を感じる所はありませんでした。ゼノブレイドのホムラと今作のシオンの声優さんが同じなのには最後のクレジットまで気づきませんでした。下地紫野さんはすごいなぁ。すっかり大ファンです。
ストーリー
王道のRPGとして最高の出来だと思います。「そうはならんやろ」みたいな所は少なくて、終盤の多少無理矢理感あるところを込みでも、入り込んで楽しめるストーリーになっていると思います。詳しくはネタバレありの別記事に書きたいと思います。
非常に長いストーリーになっているのでプレイ時間はクリアまでに40時間ほどはかかるでしょう。
総評
全体的に丁寧に作られている良作だと思います。プレイしていて不快感を感じる所は非常に少なかったです。キャラクター同士の会話が、収集やNPCへ話しかけるなどしてもちゃんとそのまま続いてくれたり、一度話しかけたNPCにはアイコンが変わったり、高所からの落下台詞が用意されていたり、そういう痒いところもちゃんと掻いてくれる、そんなゲームじゃないかなぁ、と。
RPGが好きな人なら是非やって見る価値ありな作品だと思います。