黄金聖闘士のマスクの話、と見せかけたキャラ語り(聖闘士星矢)
聖衣にはマスクが付属している。黄金聖衣ともなるとその存在感もけっこうなものだが、つけるつけないは各人の自由らしく、それぞれのファッションセンスが問われる部分である。
このnoteの内容:黄金聖闘士の頭髪・マスク・顔まわりその他についての放談
※以下ネタバレとオタクの早口による無駄話が延々と続く。原作未読の人・タイパを重視する人はバックだ。
※主な参考資料:「聖闘士星矢」文庫版/ジャンプコミックス
・ムウ
イケメンなのでマスクは手に持っているだけで装着しない。そもそも彼はジャミールとかいう知る人ぞ知る辺境に住む修復師として登場し、最初は私服姿である。豊かな長髪をゆるめにくくったナチュラル志向のおしゃれさん。連載当時、一部の読者はムウ様を女だと信じていたらしいが、無理からぬ話である。
アニメでは薄紫の髪色で、これまたたいへん麗しくてお似合いである。
マスクはすっぽり型で、かぶると特徴的なさらさらロングヘアが隠れてしまう。チャームポイントの麻呂眉もしっかりアピールしたい、となればマスクはかぶらないのがベストである。実際着用している姿は巻末の聖衣分解図にて確認できるが、うん、やはりかぶらないのがベスト。
なお、牛や山羊を見ると角はマスクに素直についているが、羊の角は肩パーツ。とっても素敵だと思います。
ハーデス編の、シュラのエクスカリバーのシーンはムウ様の美しい御髪を最高にいかした絵作りがなされていて必見。正面から斬られてるのに、なぜか後ろでくくっていた髪どめが切れるというミラクルが起こる。出てくるたび「なんだこの美人は…」と困惑するほどの麗人であられるが、このシーンは髪がふわっと広がるさまに作中屈指の色気が漂っていて、髪留め空気読みすぎグッジョブ。
・アルデバラン
聖闘士星矢には異様に長髪が多い。牛氏もなぜか長髪なのである(なぜもなにもあるか)。
基本的に牛の角が特徴的な例のマスクを装着。星矢に折られてから修復もせずにそのままなのは、相手を見くびった反省を忘れないためかもしれない。
現代的な病院にあのどでかい鎧を着て登場しちゃったところはなかなか笑える。ソレントはともかく、牛さんはごつすぎる。そして「おまえが飛ばしたのはマスクだけ」事件。あの珍場面もマスクを常用していたから生まれた、のかもしれない。
(アルデバランがあそこで死んだはずなのに、あとから無理な過去改変で死んでなかったことになるのは作者および編集のうっかりっぽい。もう少し丁寧に扱ってやってください…)
愚かな子どもであった私はアルデバランを不細工と思いこんでいたが、大人になって改めて見てみると普通にいい男。気はやさしくて力持ち。現実にはこのタイプはモテる。
・サガ/カノン
例にもれず長髪。サガについては、人格が入れ替わると髪の色(と目の色)が変わるという謎現象が見られる。視覚的にわかりやすくてよい。
ジェミニのマスクは作中随一の存在感を誇る。が、まあアレはかぶる気にはなれんよな…サイドについた2つの面がインパクト強すぎ…正義の面は気づいたら涙流してるし、悪の面は高笑いしそうだし、うかうかかぶってられんよな…
それでも装着せねばならぬ時は来る。嘆きの壁である。この場面では、もともと死んでいた黄金聖闘士たちは全員マスクをかぶっている。(自発的に冥界にやってきたメンバーは装着しておらず、芸が細かい。)サガもおつきあいで装着を余儀なくされる。しかし、ジェミニの聖衣は直前までカノンが着ていて、彼はマスクを持っている様子すらなかった。これは聖闘士星矢あるあるで、マスクは必要に応じてどこからともなく現れる。カノンがサガに聖衣を託すため自ら脱いだ際も、マスクは「カシャッ」とかいう軽快な音を立てて「ずっといましたけど何か?」くらいの感じで突如出現する。
なお、作中で初めてマスクを装着したサガは「どこのどなたさん?」と言いたくなるくらい誰だかわからず、かぶらなくて正解だったんだな、と強い確信を抱かせる。
・デスマスク
見事な蟹っぷりのマスク。聖闘士星矢をミリも知らない人でも、彼の頭を見れば蟹座の聖闘士であることを瞬時に察するであろう。でっちゃん自身の髪型も蟹の脚並みに広がっている。この世のきれいごとに囚われない自由奔放さがヘアスタイルにも反映されていると見るのはうがちすぎか(すぎです)。聖闘士星矢基準で言うと短髪の部類。
でっちゃんも今改めて眺めたらニヒルな伊達男に見える。大人になるということはストライクゾーンが広がる、ってことだったんだな…
・アイオリア
聖闘士星矢世界では珍しいくらいのリアルな短髪。一番最初に登場した黄金聖闘士だが、最初はザ・雑兵スタイル。教皇の間に呼び出されたときさえあの平服。正装で来んかい。
彼は兄・アイオロスが逆賊の汚名を着て聖域を追われて以来、なるべく目立たないように生きてきたのだろう。あんなラフな格好でそのへんをうろうろしていたのは「裏切者の弟」だから。下級の兵士や修行中の少年たちの面倒を見て、地味ながら堅実に働いて忠誠を見せようとしていたのだろう。そのけなげな心のうちを一切言葉で説明せずに表現するストーリーテリングの巧みさよ。
マスクは「当たり」な方。獅子っぽいし主人公っぽい。でも操られてたときくらいしか装着していないところを見ると、マスクも「ええい面倒!」なタイプかもしれない。
・シャカ
ムウ様と同系統のサラスト長髪。マスクは前半ではちゃんと装着して登場する。一輝戦で途中でマスクが落ちるのはなぜなのか。誰か教えてほしい。
シャカといえば額のインド人マーク。マスクと前髪によってずっと隠されている。目を開くとき初めて、隠れていたマークも露わになり、ご存じの通りたいへんなことになる。一瞬で「あっこいつはヤバい」と感じさせる高度なテクニックである。
(アニメでは目を開くときの演出はさらにホラーかつ神がかっている。)
・童虎
もうだいたい何が起きても驚かないつもりだったが、ちっちゃいおじいちゃんの皮がはがれて内側から…のときはぶったまげた。背中の虎がなんとなく福々しく、それを背負った本人も妙に童顔というか、ガキ大将がそのまま大きくなった感じでなんかかわいらしい。
マスクはライブラの聖衣にも付属しているが、聖衣装着図が発表されたときは顔が影になっていて、もしかして童虎がマスクをかぶった姿って描かれてないのだろうか。
あと、アテナの聖闘士は武器を持たない、が1巻最初の約束事だったのだが、ライブラの聖衣ときたら全部武器なのである……
・ミロ
洗髪に時間がかかりそうな、もっさもさの豪華な金髪を持つ。
変則的なことに、ミロはマスクを手に持って登場して本格的な戦闘に入る直前にかぶる。彼のヘッドパーツは頭にかかる部分は簡素めだが、長大な蠍のしっぽがついており、これを画面狭しと振り回す。正直、邪魔そうだ。しかも、聖衣分解図によると、しっぽはわざわざマスクに「接続」せねばならないものらしい。自動でくっついてくれるのだろうが、ミロが自分ではめこんでいる図を想像すると愛しくなる。
技の特性もあってか、ミロはドSな表情が似合う。一方で人の気持ち(カミュとかカノンとか)をくんでくれる優しいところもあり、現実にいたらモテまくるだろう。
(ミロのドS技、スカーレットニードルを含む記事→)「聖闘士星矢」における愛すべき技の数々にツッコみたくて仕方ない|茶ぶどう|note
・アイオロス
故人だが、アイオリアが星矢の背後に幻視するときなどにありし日の姿が浮かび上がる。14歳にして苦み走ったいい顔をしてらっしゃる。見た目はほぼアイオリアと同一。むしろアイオリアが無意識のうちに兄に憧れていて、表向きは「逆賊」と否定しながらも髪型から何から兄を真似ていたのなら、けなげすぎて涙が出てくる。
ヘッドパーツは簡素そのもので、逆に主人公っぽい。聖衣全体もめちゃくちゃ主人公っぽい。射手座だけに矢も一本付属していて、アテナの聖闘士は武器を(以下略)
・シュラ
黒髪の短髪で三白眼、キラキラ系の多い黄金聖闘士の中では渋さにおいて異彩を放っている。子どものころはその魅力がわからなかったが塩顔イケメンと言っていい。
マスクは山羊の角がついているが、頭頂部から後頭部にかけては覆いがなく、どこを守っているのだろうか。ほっぺたか。
聖衣はなんとなく丸みを帯びていて、聖剣の鋭さといい対比になっている。
・カミュ
「師父」→「聖母」→「キューティーハニー妹キャラ」とビジュアル上の劇的な変遷を見せたわが師。
髪にトーンが貼られているのは十二人中カミュだけ。この色が何色であるか?は原作の「赤」派とアニメの「青緑」派に分かれ、今日に至るまで激しい争いを続けているとかいないとか。一粒で何度もおいしい人である。
前の記事でも述べた通り、数時間で髪が数十センチ伸びているのが観測される。天秤宮では肩甲骨の下くらいだったのが、宝瓶宮では尻まである。聖闘士星矢世界では長髪ほど強く見える、の法則だろうか。オーロラエクスキューションの構えを下からあおったときが一番長く、純粋に「映える」。
マスクはシュラ同様、額と側頭部、ほっぺたくらいしか守れなさそう。先生はまじめなので、戦闘で落とさない限りマスクを着用している。
マスクをしていてもチラ見えする二股眉毛と、マスクを取ると露わになる絶妙な長さの前髪がチャームポイント。爪に赤いマニキュアを塗っていることから、隠れおしゃれさんなのかもしれず、そうすると眉も前髪も本人的には最先端ファッションなのかもしれない。フランスの。
冥衣版のマスクは額と頬当てが明らかに大きくなっており、カミュを小顔に、より可憐に見せている。マスク偉大。マスクありがとう。
・アフロディーテ
ミロ以上に洗髪に時間がかかりそうだが、髪を美しく保つ努力を怠ることもなさそうである。たぶんミロは怠っており(というかヘアケアの概念がない)、そのため余計にもさもさしているのだろう。
アフロディーテもミロ同様途中でマスクをつける派。やはり最初は豪華な長髪を見せつけたいものなのか。
マスクはすっぽり型。フォルムが魚っぽく、ということはまさか、さかなク(自主規制)
「天と地のはざまに輝きを誇る美の戦士」というセーラー戦士も真っ青なキャッチフレーズとともに登場。泣き黒子が印象的な…美男子、泣き黒子が印象的な…「美男子」、というのもなにか違う。男とか女とかじゃない、アフロディーテはアフロディーテだよ…(柳宿も泣き黒子あったね…)
・シオン
やっぱり長髪は力なのだ。旧約聖書のサムソンと同じで、こいつらはおそらく髪を切ると弱体化する。そう思わせるほどにシオン様の髪は長い。あとムウ様とちがって毛先が荒ぶっておられる。あの長くて奔放な髪は教皇のローブの下に収まっていたんだろうか。さすがにおじいちゃんになったら切ったのだろうか。
羊一族伝統の麻呂眉だが、ムウ様とは全然表情が違うのが面白い。久々に権力を振り回せて思いっきりバトルできて楽しー!って感じが表情・台詞から伝わってくるのがほほえましい。
「人間の肉体の絶頂期は何歳?」という問いに迷わず「18歳!」と答える人は99.9%聖闘士星矢クラスタであろう。リトマス試験紙としてみなさまもお使いください。