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「銀河鉄道999」主題歌(ゴダイゴじゃない方)に感嘆のため息
中学生までピアノを習っていました。
全然練習しなくって、一応両手で弾けます、程度にしかならなかったけど、高校受験の前まで続けていたのは一つには、
ピアノの先生のお宅でマンガが借りられたからかもしれない。
ピアノの先生の蔵書からお借りしたのは
「エースをねらえ!」
「七色いんこ」
「プライム・ローズ」
「三つ目がとおる」
「金田一少年の事件簿」
などで、いい「教育」を受けたと思っております(ピアノはどうした)。
その中に松本零士の「銀河鉄道999」もあった。
小~中学生のころにはまだわからない部分、感じ取れない部分もあったけど、すごいな って思って夢中で最後まで読んだのを覚えています。
「銀河鉄道999」との出会いはさらに昔にさかのぼり、
確か小学校1~2年生のとき、児童合唱団で主題歌を歌ったのでした。
物語に出会う前に、あの素晴らしい歌と出会っていたのでした。
大人になって改めて歌詞を眺めると、なんと格調高い歌であることか。
汽車は 闇をぬけて 光の海へ
最初の3音で、「銀河鉄道」に乗せてくれる。
最初の1フレーズで、輝く「宇宙」へ誘ってくれる。
完璧な出だし。
夢がちらばる 無限の宇宙さ
星の架け橋 わたって行こう
「夢がちらばる」、という表現で、「夢/星」の連想関係ができている。
そのイメージに導かれるように、「星の架け橋」というロマン極まるフレーズが現れる。
橋を渡る汽車、いいよね……しかも……星の……
聴く者の想像力を刺激し、「宇宙」の限りない広がりを思わせる。
ひとは誰でも しあわせ捜す 旅人のようなもの
希望の星に めぐり逢うまで 歩きつづけるだろう
サビで堂々と歌い上げる「銀河鉄道999」の大テーマ。
希望の星に「たどりつく」ではなく「めぐり逢う」とすることで、
「星」はただの「星」ではなく「運命の人」をも連想させるという見事な仕掛け。
バックの音楽も最高だし、ここだけ児童合唱がつくのがまた……!
きっといつかは 君も出合うさ 青い小鳥に
出たー! 「青い小鳥」---!
サビで「しあわせ」「希望」とはっきり歌ったぶん、最後は比喩表現で引く、この余韻の残し方!
メーテルリンクの「青い鳥」のストーリーを一瞬で想起させ、「銀河鉄道999」がどういう物語なのかを強く、絵的に印象づける。
メロディーもサビの力強さから一転、ふわっと優しくなる。緩急のつけ方が完璧。
……以上、1番でしたが、決定的な言葉が出てこないんですよね。
「銀河」
「鉄道」
もちろん、「999」もない!
「銀河」は2番にあるけど、「鉄道」「999」は最後まで一切出てこない!
これほど「銀河鉄道999」な曲が、その決定的な言葉を使わずぬまま完璧に「銀河鉄道999」である、というところが最高に素晴らしい。
って私は思ってるんです。
またいずれ、マンガの方も読み返したいですね。