その判断は「投機的」か「投資的」か?〜相関するお金と人間のメンタル〜
人の”思考”や”判断”はその人の素養や個性に帰属するように思うが、人間の判断を大きく左右する要因の一つに「お金」が密接に関係している。
ここで言う「お金」の定義としては、即時使用可能な預貯金と個人経済的資産の量(有価証券や不動産など貨幣価値を持つもの)とする。
ここではあえて、信用という価値は別勘定とする。
そのお金が人間の判断とメンタルに大きな影響を及ぼしている。
確かに、冷静に考えてみればある程度の蓄えがある人と、その日暮しの人とでは置かれている状況や環境から思考や言動に大きな違いが生じることは容易に想像がつく。
ここで言いたいのは、どちらが良いとか悪いとかの良し悪しでは無く、人間は置かれている状況により判断やメンタルに違いが出てしまうのは当然のことであり、致し方ないということをまず理解いただきたい。
そのことを念頭に置いた上で考えを記載したい。
(最後まで読んでいただけますと幸いです。)
■偉人の考え方から学ぶ
松下幸之助(敬称略)の有名な話で
「お金のゆとりがある人とない人とでは判断が全く異なる」
というニュアンスの言葉がある。
例えば、会社経営において経営状況や資産がどのくらいあるのかで、経営者の舵取りは大きく異なると言える。
また、
渋沢栄一の言葉で、
「お金への余裕がない人は、いつも自分の都合ばかり考えている」
という言葉がある。
確かに、利己的な人間の多くは目の前の利益ばかり考え、そういった人に限って自己の都合ばかりで不毛な事が多い。
この二つの言葉とをっても、かねてより人の判断は「お金」からの影響を多く受けている事がわかる。
■これからを生きるのに必要な考え方の理解
ここで注目していただきたいのが、「投機」と「投資」の考え方の違いを究めることが大事だと考える。
・投機とは、端的にいうと短期的な論見から、利益を得ようとする行為。
・投資とは、将来的に資本(生産能力)を増加させるために、現在の資本を
投じる活動を指す。
(ここでは中長期的に比較的長い期間でリターンを目的とする。)
つまるところ、自分が行っている判断や言動が”投機的”つまり短期的回収が目的であるのか、もしくは”投資的”ここでは中長期的なことであるかを認知する事が重要だ。
■逆境からこそ成長が生まれる?
少し話がそれてしまうが、こうした人間のお金に対するメンタルの出所は一体どこからなのだろう。
もちろんその人個人のお金に対する考え方、価値観は基本としてあるが、
人間という生き物の判断はどこから出てくるのであるか。
1つ考えられることとして、お金という価値指標の不平等さからまず注目したい。そして逆説的な考えになるが、人間が生まれながらにして平等に持ち合わせているもは何か、考えていきたい。
人々に平等に与えられるものは大きく2つある。
よく引き合いに出されるのが「時間」だ。
ビルゲイツでも孫正義でも1日は24時間であると様々なビジネス書で目にする。(例:寿命、速度など)
(飛行機や船で日付変更線をまたぐと違うよ、と屁理屈を言われることもあるが、いったん置いておこう。。)
そしてもう一つは、「空間」だ。
(例:身体、空気など)
この平等に与えられているものに気がつくだけで、考え方が少しずつ変わらないだろうか。
不況時こそ、腕を試す最良の時である。人間、苦労するたびに、いくらかいい考えが出てくるものである。
早川徳次(シャープ創業者)
■結局何が言いたいの??
人間の行動において判断力が重要なのは言うまでもない。
この判断が、お金の大小で変わってくるのだと言う。
確かにお金へのゆとりがある人は、判断も即時結果が出ることではなく、先々で回収できるような投資的な目線を持つことができるかもしれない。
一方で、日銭を稼ぐことに注力している人間に、投資的なマインドは持ち合わせにくいのかもしれない。
だが、これからの時代、投資的な視座がなくては生きていくことはおろか、気持ち的に裕福になることすら難しいのではないだろうか。
最近ではモノへの消費からコトへの消費になってきているとの話もよく耳にする。
何が一番問題かというと、これから先はモノの消費や情報だけでは人は動かない。
投機的な物事と投資的な判断の使い分けが必要だと感じざるおえない。
私も昨今の日本経済下の中で多くを感じ、先々への不安はぬぐいきれません。。
ですが、逆境の中(人により逆境の定義は異なりますが、)少しでも明日への希望と自分自身への期待を込めて邁進していきます。
最後までご拝読いただき、本当にありがとうございます。