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ブルース&ソウル・レコーズ

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日本で唯一のブルース/ソウル/ゴスペルの音楽専門誌『ブルース&ソウル・レコーズ』の公式noteです。トゥーヴァージンズnoteへ移動しました!
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2023年5月の記事一覧

【伝えておきたいブルースのこと】⑮〝クサい〟ジャズにコロり

ブルースと分かち難いアーリー・ジャズ  ブルースに夢中になり始めた頃に手にした『ブルース…

【伝えておきたいブルースのこと】⑭ブルース、街へ出る

洗練されたシティ・ブルース メディシン・ショーや放浪のミュージシャンたちによってブルース…

【伝えておきたいブルースのこと】⑬黒猫の骨とウサギの足

アメリカ南部の土着フォークロア  ブルースの常套句として数々の曲に使われてきた一節だ。マ…

【伝えておきたいブルースのこと】⑫ブルースは借り物でなく

米国南部の白黒音楽交流  「アメリカ黒人の心の叫び」といったブルースのイメージは現在でも…

【伝えておきたいブルースのこと】⑪聖なる歌と悪魔の音楽

ブルースのすぐ隣にあるキリスト教  「ブルースは悪魔の音楽」という言葉を聞いたことがある…

【伝えておきたいブルースのこと】⑩漂う歌詞をつかまえて

ブルースの歌詞を読み解く  辞書で「blues」を引くと「気分がふさいだ」「憂鬱な」とあり、…

【伝えておきたいブルースのこと】⑨ブルース整理術

スタイルや地域で捉えるブルースの多彩さ 1920年から始まったブルースのレコーディングは、1929年10月のウォール街の株大暴落にともなう世界恐慌までは順調だった。録音機材の進化により、機材を南部に持ち込む「出張録音」も行なわれるようになったことで、各地のミュージシャンの録音が可能となった。 この時代のブルース・レコードを整理するのによく用いられるのが、地域ごとの分類である。「ミシシッピ・デルタ・ブルース」「メンフィス・ブルース」「ジョージア・ブルース」「テキサス・ブルー

【伝えておきたいブルースのこと】⑧初のギター・ヒーロー登場

ブラインド・レモンとブラインド・ブレイク  二人のブルース・ギターの達人、ブラインド・レ…

【伝えておきたいブルースのこと】⑦溝の中のスミスさん

女性が放った初のブルース・ヒット・レコード  カウント・ベイシー楽団などで活躍したシンガ…

【伝えておきたいブルースのこと】⑥紙の上のブルース

W・C・ハンディとブルースの広まり  「ブルースの父」と呼ばれるほど評価を得ているW・C・ハ…

【伝えておきたいブルースのこと】⑤母なる大地ミシシッピ・デルタ

ブルース生誕の有力地  ミシシッピ・デルタ。そこはミシシッピ河の流域にある肥沃な大地だ。…

【伝えておきたいブルースのこと】④ブルース第一世代

舞台はあやしい薬売りのショー  20世紀の初頭にプロとして演奏活動をしていたミュージシャン…

【伝えておきたいブルースのこと】③ラグタイム大流行

ヨーロッパとアメリカが出会ったダンス・ミュージック  まだ子どものころ、テレビの洋画劇場…

【伝えておきたいブルースのこと】②ジム・クロウ・ブルース

ブルースの生まれた時代  ここで登場する「ジム・クロウ(Jim Crow)」とは、奴隷解放後に続々と成立した人種差別法の総称で、ジム・クロウ法と言われるものだ。そもそもはジム・クロウと名の付く、身体の不自由な黒人のことを歌った曲があった。白人が顔を黒く塗り歌や踊りを披露する演芸、いわゆる「ミンストレル・ショー」での演目としても知られていた。その動きの滑稽さを笑いものにしたのである。そこからジム・クロウは黒人の蔑称にもなった。  1865年に奴隷解放宣言がなされる。黒人奴隷