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罪と罰を読まない

中央アジアから興味が湧いてこの辺りの旅行記などを探して読んでいるがこれがなかなかない。あるとしたら、ロシア旅行記もしくはその東のバルト3国などの西欧方面ばかり。と、その棚を見ていて見つけたのがこの本。
いや、ロシア文学だけどなぜここに???しかもその本そのものではなくて、この世界的に有名な本を読まずに読書会をすると言う企画。

実はこの本ずいぶん前に読んでいて、笑わずにはいられなかった。そして参加されているメンバーに三浦しをんさん。ぶっ飛んだエッセイでこのところ読み続けていることもあって、つい再読。

以前読んだ時も思ったが、物語に携わる方たちだけあって読まずに、語る物語の内容が面白すぎる。冴わたる三浦さんの推理、覚えられないロシア人物たちにつけるニックネーム、章立てから推測されるストーリー展開、さらに1000ページにも及ぶ話を15分にまとめた影絵番組の記憶から出されるヒントならぬ想像のストーリー。なんとなく知っているところに微かなヒントを加えての感想(?)が面白すぎて笑ってしまうこと請け合い。

本好きなしをんさんが書いた後書きも素晴らしい。

読んでいなくても「読む」は始まっているし、読み終えても「読む」は続いているからです。

「読むの始まり」より

確かに手に取る時からどんなお話だろうと想像し、読み終えてもグッときたところ、腑に落ちなかったところを思い返すと言う思考体験はまさに読書の一環と言える。
本は自分のスピードで読むことできる。動画はあくまでも発信者のスピードを強制されるので、それについていけなければ脳が理解できないまま終わってしまう。世の中には様々な動画が溢れているが、視覚・聴覚から入る情報としては多すぎるのではないかと思う。

さて、これだけ盛り上げられた「罪と罰」。本書で読むタイミングについて語られていたが、そうなると読む予定はないな・・・

#読書 #三浦しをん #罪と罰を読まない

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らんさぶ
街歩きがさらに楽しくなるものがあるといいな