見出し画像

むかし・あけぼの

上下巻からなる枕草子を描いた清少納言について書かれた本。昭和61年に創刊された時はハードカバーだったが、2016年に文春文庫から文庫本で出ている。

文庫本ながら上巻も下巻も500ページのボリューム。確かに枕草子も300段(数え方には諸説あります)を超えているがこの本は枕草子の解説本ではなく「小説枕草子」とある通り、これが書かれる時代背景や、清少納言がなぜこれを書こうとしたのかを、枕草子からピックアップしてストーリーとしている。

図書館にはハードカバー本も置いてあったが見比べても、もちろん内容は同じ。時代が下って文庫化され、装画をいのまたむつみさん!、解説に漫画「なんて素敵にジャパネスク」「ざ・ちぇんじ」の山内直実さん!!としたとしても、「ティーンズ」枠は厳しいのではないかと。

が、たとえ読破できなくても、「あー一度手にしたけど最後はどうなったんだろう」と再び手に取ることが(何十年後の場合も)ある。

時代ものの難点は、とにかく似た名前と複雑な人間関係。人物像を想像しても、おたふく顔と烏帽子しか浮かばなければ、いったい誰が何やら、それで雅な宮中の生活を想像するのは、ハードプレイすぎ。確かに家系図などが添えられているが、それを見ても複雑すぎて話とリンクさせるのには時間をかなりかけなければ厳しい。

が、今なら、作内に出てくる人物が毎週日曜日の夜に映像化されている!これはすごい!。読んでいてもすぐに顔が浮かぶので話が入りやすい。

気をつけなければならないのが、中宮定子さまは道長とは体制が違う側にいるので、その辺りはその辺りはわきまえて置かないと、どちらを見るにしても歪みが出るのでご注意を。

どなたかが言われていたが、枕草子のあの出だしは最も有名だが、あれのせいで、どんな内容なのか皆誤解している、と。確かにそうだと思う。まさかこんな話が載っているとはつゆ知らず。

授業でここまで踏み込むのは難しいし、作品のバックボーンをどこまで説明するかを考えると、国語というよりも歴史をになってしまうけど。でも知っていると味わいも全然違う。

大概、読み終わったら、どのような展開だったかを思い出すようにしているのだが、さすが1000ページ、ちょっと思い出せない・・・。が、最後中宮が身罷られてからの展開はかなり盛り上がった。

少し間を追いてもう一度読み直したい。

街歩きがさらに楽しくなるものがあるといいな