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うなぎ女子

「砂の女」は重たい話だったが、この季節とぴったりだった。とはいえ、という反動で借りてみた本。表紙から美味しそうな蒲焼が載っていて、匂いまでしてきそう。

話は1軒の鰻屋さんとそこに訪れるお客の話が5つ。どの話もある人に関係があり、それぞれのエピソードで構成されている。いずれも、うなぎを素材にした料理が話に添えてある。そして、みんな色々苦労している。わかりやすいハッピーエンドではないが、日々の生活を過ごしていくということはそんなわかりやすい終わりにはならないし、終わりはいつを指すのかも難しい。どの話も出てくる人が死んでしまうのをハッピーエンドというのも何か違う気がするし。

うなぎは、日常的に食べるものでもないので、そこに色々なエピソードが生まれるのもわかる。これに似た構図は鮨でもあるが、こちらはどちらかというとハレの日のイメージがそういったことが根底になる話が多い気がする。

寿司が回って出てくる店ができたとはいえ、専門店の格は伝統であったり手間であったりと差別化が大きい。そこにきてまさか牛丼と並んでメニューに乗るようになるとは思わなかったな。

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らんさぶ
街歩きがさらに楽しくなるものがあるといいな

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