見出し画像

スラブの十字路

ヨーロッパで一番多い民族グループは?と聞かれたら、ゲルマン民族、と答える人は世界史に興味がある人かもしれない。民族と聞かれて答えられる時点で少し知識がある人だと思う。
この本によると一番多いのはスラブ民族とのこと。歴史を見ると元々はポーランド、ウクライナあたりにいた人たちが移動、分裂して別れていったと。やはりウクライナあたりは肥沃で住むに良いところだったんですね。ただ、あのあたりはずっと平地で自然の防壁がない故にすぐに狙われてしまうという残念な点も。

スラブ民族を簡単に定義するなら、インド=ヨーロッパ語族のひとつであるスラブ語派に属するスラブ諸語を母語とする人々」という事になる

序章

「インド=ヨーロッパ語族」というのはやはり、インダス文明などあの辺りから人々か東西に分かれて広がったところから来るのだろうか?

東スラブがロシア、ウクライナ地域(こういったあたりが今回の侵攻の要因もしくは理由づけに使われている)、西スラブはポーランド、チェコ、南スラブがユーゴスラビアあたり。最大グループはやはり、ロシア。
この本は、それぞれのスラブをピックアップして紹介されている。

歴史を振り返ると、東西の真ん中位に位置し、好むと好まざると様々な民族が行き交い、故にそれぞれの地域で発達した文化が混ざり合い、文明が花開くと共に、それぞれの思惑がぶつかり歴史に、良い意味でも悪い意味でも記録される出来事が起きている。

が、日本にいるとこの地域はどうしても印象が薄い。自分が知らなかったことといえば、

  • チェルノブイリ原子力発電所はウクライナにあった

  • ルーシという場所がロシアの語源、ベラルーシの「ベラ」は「白い」という意味なので、白ロシアと呼ばれた

  • フランス料理はそもそもは広いテーブルに一度に並べられていたが、西洋化を進めていたソビエトも真似していたが、それでは冷めてしまうので、順番に出すようになったことが今に続いている

  • シベリア方面に進出していったのは、大航海時代に遅れて参入したが、船を出すためには不凍港が必要でそれを求めたこと、他の大陸はすでに西欧に取られているので、陸続きの東を取りにいった

  • レニングラードは今のサンクトペテルブルクのこと。もちろんレーニンの時代にこう呼ぶようになったが、今は元の名前に

  • スターリングラードもスターリンからの名前だが、ここでのドイツ軍との攻防戦が、小説「同志少女よ敵を撃て」で出てくる

あれ、地域というより、ソビエト、ロシアの話ばかりになってしまった・・

#読書 #ロシア #スラブ

いいなと思ったら応援しよう!

らんさぶ
街歩きがさらに楽しくなるものがあるといいな