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精子凍結の話
これは、緊急入院したその日のこと。
午前11時に病院に行ったらば、
早急に血液検査、レントゲン撮影、
心電図検査、CT検査が行われた。
気づけば、もう16時30分をまわる。
病院内の患者さんが数少なくなる中、
私と母親は腫瘍内科の診察に呼ばれた。
そこには、焦った表情の先生が構えていた。
「急ぎで申し訳ないのですが、
今日から緊急入院してもらいます。
そして、明日から抗がん剤治療を始めていくのでよろしくお願いします。」
「ですよね…(心の中の私)」
私は、正直そうなるだろうと予想はついていた。
けど、いきなりのことではあったので、
多少の戸惑いがあった。
すると、間髪入れずに先生はこう言った。
「精子凍結しますか?」
「… ん? え、え???(心の中の私)」
「もし精子凍結するのであれば、
あと30分以内に出していただきたいんです!
急で大変申し訳ございません。」
展開が早すぎて、脳が追い付いてこなかった。
しっかりと聞いてみると、
抗がん剤治療により、20%の確率で元の正常な精子の状態に戻らない可能性があるという事だった。
てことは、
80%の確率で元の正常な状態に戻るという事だから、、、
「割と高確率だし、
精子凍結しなくても良いのでは??」
と思ってしまった。
しかし、母親は
「20%を引く可能性だってあるんだから、
保存しておいた方がいいと思うよ。」と伝えてきた。
「んー、、確かに。」
将来的に、結婚して子供が欲しい私にとって、
20%という確率は意外と高確率なのかもしれない。
そう思うと、怖くなってきた。
考えてる時間もない。
とうとう、精子凍結する決断に至ったのだ。
しかし、先生と話す時間もあったため、
気づけばタイムリミットはあと20分。
「体調も万全でない私に20分間で出せというのは、ハードル高くないか?(心の中の私)」
いやいや、そんなの考えてる時間もない。
やるか、やらないか。だ。
急いで、処置室みたいな小部屋に招待され、
無事に出すことができた。
後日、
産婦人科の診察に呼ばれた。
今、あの時の精子は6回分に分けられ、
保存が行われているらしい。
保存料は、年間1万円。
まあ、それくらいはしょうがないだろう。
とにかく、何が伝えたかったというと、
無事に終えられてよかったという事だ。笑
ではまた、次の日記で!
ありがとうございました。
たくみ
2023.8/12