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泣ける映画「仄暗い水の底から」

YouTubeをなんとなく観ていると、おすすめにずっと気になっていた仄暗い水の底からが期間限定配信されていた。

2時間もなくサクッと観れる。怖いのとかマヂ無理やめてとキレる人でなければ余裕で鑑賞出来ると思う。

タイトルだけは聞いたことが何度もあり、でも何のサブスクにも登録していないし、DVD借りに行くほどでもないしなとなって今になる。

YouTuberのかいばしらさんが好きなのだが、よく映画や本などの紹介をしている方で、最近ちょうどこの映画についての動画があがっていた。鑑賞前と後に観れて二度おいしい思いをした。ラッキーである。


感想としては、怖くない。なんかほん怖を観ている気分だった。むしろラストの方で少し泣いた。

ジャンプスケア的なシーンは一度だけで、他はずっとジメジメしている。湿気。乾燥肌の私にぴったり。

所々でツッコミを入れてしまう場面はあるが、考察が出来ない単純脳の私は観終わってなんとなくモヤモヤしただけだった。

何故モヤモヤしたのか。

幼い頃、母からあまり愛情を与えられていなかった主人公の淑美。(幼稚園のお迎えに母親が来ないという描写が挟まれるからそうなのかなと解釈)
大人になり、さらに母親になったと思ったら離婚調停、親権争いの真っ最中である。

淑美の娘、郁子はもうすぐ6歳になる幼稚園児。とりあえず淑美の元で郁子は過ごすことになる。淑美の母としての愛情はすごく感じられる。多分、同じ思いをさせたくない気持ちがあるのかもしれない。

古いマンションに引っ越すが、古いと言うには浅い。やっぱり湿気。エレベーターはギィギィ音が鳴る。雨漏りがする。管理人は何もしない年寄りのジジイ。こいつが一番腹立った。
雨漏りといっても淑美たちは7階建ての3階に住んでいる。なのに天井から水が滴り落ちてくる。だからジジイに報告したのに「一応日報に書いておきますねぇ」みたいな曖昧なことしかしなかった。

水を飲んだ後、何かおかしいとグラスを見ると髪の毛が入っている。
子ども用の赤いショルダーバッグを郁子が拾って、マンションの落とし物として管理された後、ゴミ箱に捨てられたはずなのに屋上にある。そうかと思えば郁子のカバンに入っていたり。段々と郁子の様子がおかしくなっていったり。

そして最後には郁子を守ろうと大きな行動に出る。それがあり、淑美と郁子は離れ離れになる。

モヤモヤの原因は、幼い頃に寂しい経験をして、大人になっても離婚調停だの、引っ越した先の天井から水が垂れてくるだの、管理人はカスだのという不憫な淑美が、最後に何故そうならなきゃいけないんだ…と苦しくなったからだと思う。

離れる決断をしたのは淑美である。だけど、こんなことに巻き込まれる人生なんて悲しすぎる。郁子もそうだ。まだ小さいのに母のあんな姿を見てトラウマになる。「ママー!」と泣き叫ぶ郁子のシーンで泣いた。可哀想すぎる。

コメント欄はオフになっていなかったため、色々な人の感想などを見ていると圧倒的に「子どもの頃に見た時は怖い印象しかなかったけど、大人になって、母親になって観ると泣けてくる」といったものが多かった。

2001年くらいの映画だから私も当時鑑賞していたらきっとトラウマになっていたと思う。大人になってから観て正解だった。
コメント欄の人たちは「母親として自分の子を守るためではあっても、離れなければならない悲しさ」などがあるのかもしれないが、私は「母親がいなくなってしまった子のどうしようもなく大きな寂しさ」を感じて涙が出た。

ラストのラストに10年後の郁子が「幼稚園の頃の記憶があまりない」と言っている。そうなると幸か不幸か、寂しく、悲しく、怖い思いをしたことを覚えていないことになる。
自分が郁子だったら…と考えたが、記憶にないなら良いのかもしれない。どんな母だったのかも分からないまま成長する方が、まだマシ…なのかな……。

ホラー映画のジャンルには入るけど、人が死ぬ描写はないし、血も出ないから観やすいと思う。無料だし、怖かったらコメント欄開いたままにしておけば一人じゃない感覚だから大丈夫な気がする。

「お前が言ってたから観たけど普通に怖かったわボケナス!!」と言われても困りますので、鑑賞は自己責任でお願いします。保険かけときます。

読んでくださりありがとうございました。
また来週!

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