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思春期と裏社会「カラオケ行こ!」
カラオケは好きな方。
ただ好きな曲を歌って、たまにMVと同じように踊ったりするあの楽しさが好きである。歌が上手いか下手かは横に置いとく。
しかしながら私は声が低い。基本的に歌える曲と歌いたい曲は違う。ネタが尽きてくるとデンモクで次に入れねばならない時、スマホで音楽アプリを開いて、耳に当てながら「いけるか…?」と神妙な面持ちになっている。
そして喉の使い方を間違え、何度も枯らしてきた。原キーじゃないと音程が分からないのに低くせねば出ないというジレンマに陥ることもある。
そんな私は、この作品をYouTuberのかいばしらさんが紹介していたのと、漫画の紹介もどこかで見たことがあって気になっていた。
あとは「ヤクザ」と聞くと龍が如くをプレイしたことがある身としてはピクッと反応するところがあった。
まず、綾野剛がかっこよすぎる。え、こんなカッコよくて長身スタイルの人ってあっち側の中にいるのか?いや、いるのかもしれないが、自分の中のヤクザ情報が龍が如くしかない。強制的に桐生一馬を思い浮かべてしまう。という私がいた。
虎を2体倒せる人間なんていねぇだろと思うし、桐生一馬の方がファンタジーなんだけれど。
この作品も漫画だからこそ成り立つものだよなと考えながら観ていた。ちなみに極主夫道も同じ感じで観た。
裏社会で過ごしている歌の下手な人間が男子中学生の前にいきなり現れ、その人にダメ出しをせねばならないなんてことが現実で起きるわけがない。よって、エンタメで楽しむ他なかった。
実際、カラオケ大会で一番下手だと判断されたヤクザが上の人間にそれこそへったくそな刺青を入れられてしまう罰ゲーム設定も面白いとしか言いようがない。
男子中学生で合唱部部長の聡実くんは、その年頃ならではの悩みを抱えつつもそれとは別にヤクザの成田狂児にレッスンを行う。
聡実くんの悩みは声変わり。女の生態である私には声が出しにくくなり、低い声に変わっていくというような経験はなく、この頃から始まるものかと思っていた。
ただ、ないにはないのだが、たしかに自分の声が低いことに気付いたのは中学生の頃だった。友達は絢香の三日月や大塚愛の黒毛和牛上塩タン焼680円を難なく歌っている。私はポルノグラフィティが精一杯だった。ボカロを歌ったら喉が切れるように痛んだ。
女にも、変声期というものはある。そう気付いたのが中学生だっただけで、もっと早くから低くなっていたかもしれない。コンプレックスになってしまった時期があったけれど、今は特に気にしていない。むしろ男と間違われると「やってやったぜ」というキモい上から目線感情になる。
聡実くんと狂児のやり取りは大人と子どものはずなのに青春っぽさを感じた。LINEでの会話も、なんかこう、うまく言い表せないけど「良い」と思った。
コロナに罹っていた時にバイオレンスだったりサスペンス系を次々と観た後、この作品を持ってきたから温度差がすごすぎて症状が悪化した。実際に嗅覚と味覚を持っていかれた。
上手く歌えるなら気持ち良いだろうなとは思うけれど、好きに歌って楽しければそれで良い。カラオケ大会は嫌すぎるから参加したくない。刺青入れられ罰ゲームがなくても。
これを書いていてカラオケ行きたくなってきた。全然仕事前なのに。
気になったら是非観てみてください。
読んでくださりありがとうございました。
また来週!