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写植のことを忘れない

書きかけ

印刷(Letterpress)の歴史といえばグーテンベルグから始まる活版印刷、そしてMacでDTPという感じだが、その間に写植(phototypesetting)という短命なテクノロジーがあった。

写植とは

写植とは写真植字の略。英語ではphoto-type-setting。その名の通り写真を応用した技術で、文字のネガに光を当てて印画紙やフィルムを感光させることで印刷の版下を作る。

1949 the Photon Corporation in Cambridge, Massachusetts developed equipment based on the Lumitype of Rene Higonnet and Louis Moyroud.[3] The Lumitype-Photon was first used to set a complete published book in 1953 wikipedia

Rene Higonnet と Louis MoyroudIn というフランス出身の二人(Louisはフランス生まれだが国籍はアメリカ人)が発明したLumitypeという機械が元らしい。写植だけで組まれた最初の本は1953年にマサチューセッツ州のフォトン・コーポレーション。

時代が経るにつれコンピュータ制御の大がかりなシステムが各出版社に導入されて印刷業の主流になるが、1990年代から急速にDTPに置き換えられていく。50年くらいの短い寿命だった。

存在感が薄い

とはいえ20世紀後半の印刷物がほとんど写植で作られていたことを思うとあまりに存在感が薄い。活版は歴史として重要なだけでなく今だに愛されて使われることもあるが、写植のことは知らない人も多いんじゃないかとすら思う。

活版は小さなセットなら個人でも持てるくらいの規模なのにたいして、写植は複雑化、巨大化しすぎたというのもある。

拡大縮小の利点と欠点

写植の利点の一つとして、レンズを使って文字の拡大や縮小、変形が簡単にできる点がある。活版の時代はサイズごとに別々に鋳型を作る必要があったが、写植はネガひとつでかなり自由に拡縮できる。長体や平体もできる(が、縦画と横角のバランスが壊れる)。

これは欠点でもある。

多くの活字はサイズに合わせて読みやすく微妙な調整がされている。小さなサイズでは x-height を高くして相対的に小文字を大きくしたり、縦横の線のコントラストを減らして潰れにくくする、大きなサイズはその逆で見出しに使っても流麗でカッコよく見せる、とか。

デジタルフォントの弊害として良く語られる話だがこの根っこは写植時代にある。

最近では多くの書体がサイズ別のデザインをファミリーに含むようになっている。例えば Cliffordはsix, nine, eighteen の3スタイル
アップルのSan Franciscoが本文用(body)と見出し用(display)を自動で切り替えたり(一般には流通してないがGoogleのGoogle Sansにも同様の種類がある)。

短命なテクノロジー

20世紀以降に生まれた短命なテクノロジーのことが気になっている。また何か書く。

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