ピア・フィードバックを導入してみた!実際の質問項目をありのまま大公開🎉
みなさんこんにちは!GMOタウンWiFiで組織改善に励むのんにゃんです。
今回は、ピア・フィードバックを導入してみた背景や、実際の質問項目等についてまとめていますので、導入を考えている方のご参考になれば幸いです。
ピア・フィードバックとは?
あまり聞き馴染みのない言葉かもしれませんが、「ピア」とは「同僚」のことなので、ピア・フィードバックとは同僚からもらうフィードバックということになります。
以下の参考記事にとても詳しく分かりやすく書いてありますので、ぜひご一読ください!
参考記事:同僚から受けるピア・フィードバックの価値
360度フィードバックとの違いとしては、、、
・フィードバックをもらう相手を選べる
・上司や部下に依頼する義務はない
・匿名ではなく実名
・評価や能力開発ではなく、自己認知を高めるもの
といったようなことがあります。
導入した背景
エンゲージメント調査ツールを導入した背景をご紹介した記事にもあるように↓
弊社にはいわゆる人事制度といえるようなものが1on1くらいしか存在せず、評価面談や目標設定すらもない状態でした。それでも離職率はかなり低く、大きな問題もないと、入社して5ヶ月経つ今も感じています。
ただ、リモートワークが主流となり、業務委託や他の会社で正社員として働いている副業の方が増え、コミュニケーションが自然と減ってしまっており、これからは人間関係の構築がより難しくなっていく一方だと感じていました。
さらに弊社はフラットな組織構造なので、誰かが誰かを管理するといったこともほとんどしていません。つまり、一人ひとりの働きぶりに対するフィードバックがなされないということになります。
ですから、同僚は自分の働きに対してどう思っているのか、働き方はこのままでいいのか、もっと良くすべきところはあるのか、といったような内容を振り返る機会がないゆえに、それぞれがひとりよがりになってしまうのではないかという危機感の元、ピア・フィードバックを導入するに至りました。
なぜやるのか?
上記のような背景があるものの、そもそも他人からフィードバックをもらう必要は本当にあるのかどうかと疑問に思いました。
弊社には新卒はいないですし、30代が多い組織です。(ギリギリ) 20代の私から見ると、“ちゃんとした大人” が集まっており、今更誰かからフィードバックをもらう必要はあるのだろうか、もらったところで効果はあるのだろうか、と思ったわけなのです。
しかし、調べていく中で以下のような内容を見つけました(以下はざっくり要約です)。
内面的自己認識(自分で認識する自己)と外面的自己認識(他者が認識する自己)には乖離があり、内面的自己認識は現実に対して過大評価、もしくは、過小評価になってしまっている。仕事においては、ここの認識がズレていない方が能力を発揮しやすくなると考えられている。
こちらの記事も非常に濃い内容で、かなり参考にさせていただきました。
参考記事:自己評価はなぜ甘くなるのか
内面的自己認識と外面的自己認識がズレたままだと、能力を存分に発揮できないなんて、個人としても組織としてもなんてもったいないんだ…!と思ったのが、ピア・フィードバックをやろうと思った最大の理由です。
ちなみに、人として日常を生きる際には多少過大評価である方が生きやすいという説もあるので、ピア・フィードバックはその人自身というよりも、その人のロール(仕事上の役割)に留めることがとても大事だと思いました。
自己のどの部分に対して、正しい認識を持つべきか
内面的自己認識と外面的自己認識はズレていない方が働く上では良い、ということは分かったものの、では、どの部分がズレてないべきなのか、が今度は問題となりました。
やろうと思えばいくらでも項目はあるだろうけれど、性格や人格の話はすべきではないと思うし、評価ではないので結果の話をしてもしょうがない。
そこで「一人ひとりが楽しく仕事をすることで、会社としての生産性が上がる」という仮説に基づいて質問項目を検討しようと思いました。
というのも、弊社ではどんな些細なことでも本人がやりたいかどうか、その仕事に対してテンションが上がるかどうか、をとても大切にしています。
実際に私も面接でCEO荻田に聞かれましたし、お試し入社(弊社では本入社の前に1週間ほどお試しで入社してもらう制度があります)の際にも、パートナー(社員のことです)に聞かれました。
ここにも書いています↓
少し遠回りしましたが、一人ひとりが楽しく仕事をしているかどうか、をどう測るのかが次の課題です。価値観が千差万別であることは間違いないでしょう。
ただ、これもたくさんの研究がなされていて、その中でも私は仕事が楽しいと思うには「自律」と「協調」が必要であると書かれていたものに深く共感しました。
参考記事:職場の意味と価値
さらに、自律と協調を支えるものとして「心理的安全性」は不可欠です。
したがって、ピア・フィードバックでは同僚から「自律」「協調」「心理的安全性」の3つの項目において内面的自己認識と外面的自己認識の差を認知し、内省していけるようなものにしようと決めました。
「自律」に関しては特に定義が必要なので、暫定的に「自分自身を管理し、正しいと思ったことを信じて実行すること」とし、さらに「タスクマネジメント力」「思考力」「判断力」「行動力」の4つの能力に分解しました。
関係性を図にすると上記のようなかたちとなります。
実際の質問項目を大公開します!
ピア・フィードバックや360度フィードバックに調べていた際に、実際の質問項目が全然公開されておらず、参考にするにもイメージがしづらくて困った経験があったので、こちらで公開してみようかと思います!
注意して欲しいこと
ピア・フィードバックは効果的である一方、やり方や書き方のせいで関係性が悪化したり、ひずみになってしまう可能性もあります。「書き言葉だけで伝えている」意識を持って、誠実に言葉を選ぶ必要があります。
具体的にはC.O.I.N.フォーマットというものがあり、それに則って書くようにパートナーには周知しました。
参考記事:How to give feedback the right way
また、性格や人格には触れないで欲しい旨も再三伝えました。正しい人間なんていないですからね…
これからについて
この図のサイクルで企業と個人をそれぞれ強くしていくことを考えているので、今回の1on1では、ピア・フィードバックの結果を中心にやっていきました。
パートナーからまだきちんとアンケートを取っていないのですが、ピア・フィードバックを通して言葉をもらえて嬉しかったと言ってくれた方が何人もいました。
私自身も、パートナーに対して思っていたことを伝える機会ができたことや、ピアフィードバックを書いている時にその人のことだけを考えらえること、そしてもちろん周りのパートナーが自分のことをどう思っているのか分かったことで、さらに心理的安全性が上がり、月並みですが人間として仲良くなれたなと素直に思います。
結構重たい内容だったのと、常に変化していくような項目ではないので、今回やったものは新入パートナーの2〜3ヶ月目のフィードバックに活用したいと考えています。
すでにいるパートナーに関して今のところ理想としているのは、常にフィードバックし合える関係性です。フィードバックをパートナーに依頼することへの心の障壁も低く、むしろ欲している状態で、それこそ自律的に成長できる仕組みにしていきたいなあと思っています。
まだまだ考えなければならないことはたくさんありますが、まずはいい一歩が踏み出せたのではないかなあと思っています。