見出し画像

今年下半期の目標:せめてバカだと思われる

 いきなりこんな書き出し方して何なんですが、さっきまで体調がいよいよ最悪になっていて病院に行ってました。余命を宣告される覚悟まで決めながら受付で保険証を出し、医師に診察して貰った結果、軽い肉体疲労だという事。この様な対策を取り、この薬を飲めば事態は改善していくと思います、と言われ、ありがとうございますと答え、そして処方薬を買って薬局を出た瞬間、「死を宣告されなかった…!」という安堵から滂沱の涙が。中年の人生は毎日が冒険です。
 医師から懇切丁寧に自分の症状を説明され、そこまで心配しないで下さい的な事を言われたのですが、他人からこう「貴方は、生きるに値する存在です」という態度で接せられるのって、本当に胸に沁みますね。世は新自由主義の真っ只中、「自分の身すら自分で守れない奴は社会のゴミだからさっさと死んでくれ邪魔です」みたいな、悪意の塊の様な狂った意見に完全に慣れている、麻痺している状態で「少しずつ治していきましょう」とか言われると本当に涙が出るね。診察室で号泣しそうになったよ。他人から「あなたは生きるに値する、真っ当な人間です」とはっきりした態度で接せられる事以外に、生きてて嬉しい事って何かありますか?地位も名誉も虚しいもんだよ!!自分の過去なんて加速度的に思い出せなくなっていくんだから。村上龍の「ユーチューバー」って小説が、要は村上龍(の分身的な存在の主人公)がユーチューブに出演して過去の女性遍歴を淡々と語り続けるって内容なんですが、最初の映画を撮影してる際に知り合った女性とのセックスを、「その子のお尻以外思い出せない」とか言ってたよ。あれだけ贅を尽くして美食とセックスと麻薬に明け暮れた作家の、目も眩む程に羨ましいシチュエーションのセックスも!時を経て思い出になってしまえば、そこに残っているのはお尻のみ。タモリ倶楽部のオープニングと一緒さ。はかないぜ。というか、村上龍が女性遍歴を語るだけの配信で数字を稼ぐのはかなり難しいだろ。やっぱりゲーム実況をやった方がいい。昔坂本龍一がプロデュースした「L.O.L」ってゲームがあったじゃないですか。"共生"をテーマにした。あれって村上龍が脚本で参加してなかったっけ…?ネットには何の情報も無いですが。

 このゲームをYouTubeで村上龍が実況配信、する様子を小説にすればいい。「ユーチューバー2 〜ゲーム実況編」として。「お前坂本!こんな所に岩置いたら進めねえじゃねえかてめえいい加減にしろ敵が強すぎるんだよ!!」みたいにキレてる様子を、小説として書く。その様な形での故人との語らいがあってもいいじゃないか。これどんどんシリーズ化出来るだろ。「ユーチューバー3 〜メントスコーラ」とか。「その時、矢崎(村上龍は自分を小説に出す際にヤザキ又は矢崎という名を使う)の目の前で、コーラが盛大に噴き上がった。これは今までの視聴者数を大幅に超える、その確信が矢崎を襲った」とか。これは人気でまっせ!

 という訳で好きな曲を貼ります。坂本龍一で"ジャバラム"。

 ジャバラム一曲だけがどうこうと言うより、BEAUTYは普通に名盤だと思います。

 それで、医者に言われたのが、自分は歩き方がおかしくて足に負担が掛かり過ぎてるらしいんですよ。それで体のあちこちにガタが来てると。なので家でスリッパを履けとアドバイスされたんですが、スリッパも何ももう普通に歩く事が困難な程の汚部屋に住んでいる訳で、もうやはり部屋を片付けるしか無いのだという結論に達しました。まともに生きますわ。もうまともに生きます。本当に。取り敢えずさっきドンキホーテでスリッパ買いました。
 そういえばこの前ドンキホーテでレジを待ってたら自分の横の棚でレッドブルの黄色いやつが安売りされていて、添えられてるポップに「値引きの理由:店長ご乱心の為」って書いてあったので「おもしれ〜」と思ってたら急に暗〜いテクノが店内に流れ始めて「これも店長の選曲!?じゃあマジで狂ってるじゃん!!己の青春時代の曲を店内まで持ち越すなよ!!」と驚いたんですが、よく見たらTVから流れてるCMの曲で。あの曲いいよね!ブルーノマーズってこういう人だったのかってびっくりしたもん。

【ロングver】 ブルーノ・マーズ - ドン・キホー テTVCM 「ドンキイクヨ」 / Bruno Mars "Don Quijote" Japanese CM [60 sec. ver] - 2024

 俺は20代の頃、こういう音楽が主流になる未来が来るのだとばかり思っていた。そういえばこの前タワーレコードに久し振りに行ったんですよ。そしたら誇張抜きに店内に暗い顔のおっさんしかいなくて。そこでマネスキンっていうロックバンドの曲がかかってたんだけど、こういう溌剌として希望や野心に溢れ返っている真っ当なロックが、この場所に揃い踏みしている息も絶え絶えなおっさん達の誰の琴線に触れるのよって話だよ。"お前等の時代は終わりだ"とか言われる"お前等"の側なんだから。あのロックに対して「若え〜〜」以外に何を思えるというのか?グレイトフルデッドとかを流して下さい!!だらしなく生きてきたロック愛好家達の成れの果てが今あなたの店につどっています!ドクタージョンとかレッドツェッペリンとかを流して下さい!ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースの曲とかでモッシュさせて下さい!!最近人気の曲はよく分かりません!キングクリムゾンをかけて下さい!!リトルフィートとかを!!


 モッシュで思い出したんですが、最近家の近くのコンビニに外国人のバイトが入ってきたんですが、その人がマジで20年前30年前くらいのニューボムタークスのギタリストにそっくりで。最初見た時驚いて動きが止まったもん。それが、この夏一番の思い出かもしれない……
 まあ、ニューボムタークスなんてわざわざ俺が褒める事すらおこがましい、全てが偉大なバンドなのですが、下に貼ったビザールフェスティバルという祭りでのライブは特に最高だと思いますね!!どんどん後半になるに連れてテンションが上っていくからね。時間が無くて、ニューボムタークスを聴いた事も無い人がいたら(時間が無い人はそもそも俺のnoteなんて読まないと思うが)、29分位からの"プロフェッショナル・アゲインスター 〜Mr.スーツ 〜ボーン・トゥールーズ=ロートレック"の流れを見ると、このバンドの格好良さが分かりやすいのではないかと思います。いや〜、この人達と同じ時代に生まれた事に感謝ですね。敬礼!!

new bomb turks - bizarre festival köln, DE - 20 august 2000

♪ 昔の友達の話をさせてくれ
  そいつは自称芸術家で
  そこら辺のクソよりかは物事を知ってた
  そいつは本物の才能が
  自分に与えられたと確信していた
  だから俺は答えたんだ
  下らねえ 運が良かっただけだろって

♪ 全ての仕事は名誉に満ちていて
  芸術も単なる仕事に過ぎない
  俺の給料をビールに注ぎ込ませてくれ
  英雄も指導者も芸術家も神様もご不在
  俺は労働者 あんたは労働者
  もっと労働者らしくしたらどうなんだよ

ニュー・ボム・タークス "ボーン・トゥールーズ=ロートレック"


 こんな素晴らしい歌詞があるか!?再び敬礼!!!

一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
 
 夏の思い出の話なんですが、中野ブロードウェイの一階にあるゲーセンで数十年ぶりにワニワニパニックをやりまして。今のバージョンのワニパニ(地元ではこう略していた)ってやっぱ昔のやつと違う所も多くて。ワニが出てくる穴が事前に赤く光るので"叩き"の計画が立てやすいのと、あと、力を入れて叩かなくてもワニをそっと触っただけでカウントになるんですよ。「シグルイ」って漫画に「虎眼流」って流派の剣術が出てきて「虎眼流は最小の斬撃で倒す。三寸斬り込めば人は死ぬのだ」みたいなナレーションが出るシーンがあったんですが(うろ覚え)、今のワニパニも同じで。触ればOK。やっぱりもうワニを気前良くバカスカ叩けるだけの豊かさが日本から失われたのでしょう。だって全力でワニをぶん殴って、それでワニパニが壊れてしまったら、もう修繕費なんてどこにも無いに決まってるもん。国中が貧乏なんだから。やさし〜く叩かないとね。キリング・ミー・ソフトリーって感じで。優しく殺して。ワニを。
 だから本当は、クッションみたいなハンマーを裏返して、硬い部分でワニを殴った方がいいんですよ。触ればいいんだから、裏側の硬い部分で殴れば、クッションでワニを殴った際の無駄なレスポンスが省けるのよ。でも、そんな事をしたらハンマーの裏側の部分が破けそうじゃん。そこまでして店に迷惑かけたくないよ。というか、そもそも、ワニを叩いて何になるって話なんですよ。余命宣告とか覚悟してた中年が「やった!得点が3ケタの大台に乗りました!」とかやってどうなるんじゃって。でも、俺の夏の思い出はそれくらいしか……あ〜いやあった!この前古本屋で反重力ジョニーのライブビデオ買ったんだった!

 びっくりしたよ。こんなの2024年に買えると思う?「地球禁止」って。ほんとだよな。

 

 最後に愚痴書くんですが、最近筋肉少女帯の「ザジ、あんまり殺しちゃだめだよ」という曲の歌詞を知りまして。

 びっくりして。さっきからびっくりしてるだけなんですが。歌詞凄いのよ。「手をつないで逃げようずっと」とか言っちゃって。「君はケーキが食べたいね? そしたら君は『バカ』と笑うかい? ああ バカだよ」って!!オイィィィィィィィ!!!完全に当時本人がやってた恋愛のひとコマを切り取った歌じゃねえか!!!なんっじゃこの羨ましい曲は!!!サブカル界の岡村ちゃんか!?となって。いや、実際大槻ケンヂが当時こういう恋愛をしていたかどうかなんて知る由も無いんですが、とにかくそういう怨嗟による妄想に囚われてしまいまして。
 あの、自分が書いたnoteにいいねが付く事が時折あるんですよ。でも、正直「いいと思いま〜す。こっちのnoteも見て下さいね〜」って感じの"営業"って感じのいいねが多いんですよね。隠しきれない義理チョコ感とでも言いますか。ありがたい事は確かなのですが。それで一回驚いたのが、まあそういう感じなんだろうな…といういいねを付けてくれた相手のアカウントを見に行ったら、「あなた達の文を私はちゃんと読んでる。だから、あなた達も私のnoteをちゃんと読んでね」みたいな内容の詩がそこに掲載してあって。いや、それはどうなんだ!?と。だってその時その人がいいねしてくれた俺のnoteの内容って「パチンコ屋がこのまま閉店し続けたら、トイレを借りれる場所が無くなって街は野糞で溢れ返ってジャクソン・ポロックの絵みたいになってしまうだろう。それでいいのか?」みたいなやつで。普通の人はこれをちゃんと読んだらいいねは付けないよ。
 だから、何が言いたいのかっつうと、毎週俺は手を変え品を変えてバカ文章を書いてる訳なんですが、そこまでやってももう大多数の人からは「バカ」とすら認識して貰えないんだな…と悲しくなった、という話です。そしたら君は「バカ」と笑うかい?ああ、バカだよ、みたいなやり取りなんて夢のまた夢、現状俺はもうとにかく青筋を立てながら「俺、めちゃくちゃバカです!!信じてくれ!!」と叫び続けないといけない。「僕、パンクロックが好きだ!!!」みたいな感じで。まあ、頑張るしかないですな。
 
 という訳で最後に好きな曲貼ってこの文を終わります。キリング・ミー・ソフトリーを歌ってたロバータ・フラック、が歌詞に出てくるレッチリの曲、"マイ・ラブリー・マン"です。

RED HOT CHILI PEPPERS/My Lovely Man

 ええ曲ですな。あとこの文を書きながら気付いたけど、"ボーン・トゥールーズ=ロートレック"って"ボーン・トゥ・ルーズ"との洒落なんですね。さっさと気付いとけよそんくらいって話ですわな。
 それでは、また来週〜!

この記事が参加している募集

ありがとうございます!