人間はみんな大統領
「今週は月曜の更新が間に合いません!大変申し訳ありません、明日までにはどうにかし ます!!」みたいな謝罪文を先程Xとnoteに投稿したが、実際はこの殺人的な低気圧、どうして月曜はほぼ毎週こうなのよまともな気圧だったの先週くらいじゃねえか、大変申し訳ありませんなんて気持ち微塵も無えよなんか書くだけありがたいと思えという錯乱状態の真っ只中に自分はおります。とにかく書く、書けば終わる、この桎梏から抜け出せる以外の感情はいま自分の中に存在しておりません。いや、こんな事を赤裸々に書くから自分のnoteは人気が出ないのか。でも頭が働かない。昔コロナに罹った時ぐらい何も考えられない。ま、今日は祝日なんで時間を気にせずにダラダラ書けるので、気が付いたら書き終わっている事でしょう! 頼む! それ以外にもうこの状況を打破する策が無い。
思いついた事を羅列していくんですが、昼に神保町行ってきたんですね。部屋が汚部屋になったからもう古本は買わないみたいな過去の宣言とかどこ吹く風って感じで。で古本屋廻る前にスーパー銭湯入ったんですが、しみじみと酒が飲みたくなりまして。6〜7年前から酒止めたんですよ、飲んだ翌日の鬱と頭痛に耐える体力も気力ももう無いから。
シラフの時の自分の人生の現状って、まだ"VHSの画質"で、「なんか、グロいけど不思議な感じっすね、画質もレトロフューチャーって感じで」と楽しむ余裕があるんですよ、「自分サブカル好きなんでこういう悪趣味なの結構好きかもです」みたいに。だが、しかし、飲酒した翌日の自分の人生って完全に"ブルーレイの画質"になる訳で、「この、悪意を込めて惨殺された生き物の死骸みたいな悲惨な塊は一体何…?これってもしかして、俺の人生?!嘘! イヤ!!イヤァァアアア!!!」みたいに発狂寸前まで追い込まれる。ので酒を手放ざるを得なかった。あれを具に見る勇気は俺には無い。クトゥルフ神話に出てくる化け物と同じジャンル、別世界から召喚された禍々しい悪の邪神。人間が真正面から見ていい物では無い。狂う。
だから、なんかよくわからん薬をODしてるトー横キッズは偉いと思う。 村上龍みたいな言い方するけど、若くて体力がないとあれはできないもん。若さの特権ですよ。酔いが醒めた時に自分の人生と相対できるだけの元気があって、更に服薬のストレスに耐えうる体力もある人間だけに許された高貴な遊戯だよ。俺が今同じ事やったらその場で「ぴぴ〜っ」とか叫びながらおしっこ漏らして即死するよ。村上龍の「エクスタシー」のラストみたいに。実際X見てても地べたに座ってストゼロ飲んでるトー横の住人達が一番人生を謳歌してるし、セカンドサマーオブラブって感じで素直に羨ましい。
急に最悪な話を始めて悪いんですが、村上龍が1998年に作った写真集で「バイオティック レイヤード」って本があって、中身は女性のヌードに花の写真とかをCGで合成した様なよくわからん世界観の作品が続くもので、「これは本当に何なんだろうな」とずっと思ってたんですが、 ある時ふと「このモデルの女の人達って、当時の村上龍のセフレなんだな」と気付いて、「へ〜」と思ったね。一ヶ月に一回くらい本を開いて「ふ〜ん」みたいな。こんな最悪な話をわざわざ書くのも文字数を稼ぎたいが故の奇行でしか無い。一回のnoteで5000字はいきたいんだ俺は。ところどころに写真とか貼らないと読者も文字ばかりじゃ疲れるだろうし。読者を慮った上でこんな話を書いたんだ俺は。なんも得しないのに。
で、セカンドサマーオブラブって書いててふと思い出したんだけど、最近Xで「この前LUUPに初めて乗ったら、とにかくほぼ全ての街行く人からの憎悪の視線が痛かった」みたいな投稿がバズっていました。
こういう人いっぱいいると思うけど、自分がLUUPの事を初めて知ったのが数ヶ月前のメロン牧場でなんですね。夜に街中でうんこを漏らしたピエール瀧がもう一秒でも早く家に帰る為にLUUPに乗ったってエピソードが掲載されてて。だから実物見たときも「あっ、ピエール瀧がうんこ漏らした時に乗った機械!!」と思って、「おしゃれな俺達が都会をタフに駆け抜ける為の一風変わった相棒」みたいなのと真逆のイメージしか持てなかったんですね。なんなら乗ってる人の背中から体操42歳とか流れてくるもん。「目ゲキ者!!!!」とかが。LUUPは気取ってて気に食わないみたいな意見もXで見るけど、単に第一印象の問題なんじゃないですかね。なんか新しい、田舎者に反感を買いそうな新商品が出たら、「お清め」みたいな感じで最初にピエール瀧にまず使ってもらえば良いと思います。そうすれば正しい実像が理解できるようになり、「要は電動キックボードだろあれ」みたいな感じで田舎者達の溜飲も下がり、打ち壊し一揆とかも防げる様になるんじゃないでしょうか。実際、インフルエンサーがしたり顔で「時間って有限じゃないですか (笑)」とか言いながらLUUPを宣伝するのと、夜中にうんこ漏らした人が無言でLUUPに乗って帰宅するのでは説得力が桁違いでしょう。正に”夜に駆ける”。YOASOBI。「これが自分のクソの管理もままならない中年達の夜遊びなんだよ!! ケツを濡らしたままでの電動キックボードでのナイトクルージングが!!!」みたいにみんなで集まって主張しようよ。ヘルズエンジェルスみたいに。なんでこんな事書いてるのかというと、セカンドサマーオブラブってテクノがずっと流れてたらしいからそれで電気グルーヴを連想したので・・・え? テクノじゃなくてアシッドハウス?音楽に詳しく無いから違いが良く分からん!という訳で、自分の好きな曲を貼ります。
電気グルーヴ - Set you Free (Video Edit) MV
で、ビール飲みたいなあ、あとゲームもやりたいなあと思って。ゲームも遥か昔に止めたんですよ。「グラディウスV」をやってて「これは確実に現実より面白い、これをやり続けたら俺は帰って来れなくなる」と判断して。いや〜でも、アメリカで今極右の実業家とおじいちゃんが大統領選で戦ってて、で昨日トランプが狙撃されて、もう現実が変態すぎてついていけねえわってなって。もう酒とゲームに逃げるしかない、リアルよりリアリティってこういう事なんだと思って。まあ、今のところ酒もゲームもまだやってないんですが、「やりたい」と思ってしまった以上、いつかはやるんですよね。重要なのは、その”いつか”が仮に300年後だとしたら、酒とゲームを始める前に俺は確実に寿命で死んでますよね。その”いつか"を寿命より後にもってくる、これが大事。自論だけど、人間誰しも最後には発狂するんですよ。でも発狂する前に寿命で死んだら「あの人は人格者だった」と巷では評価されるわけじゃないですか。これが大事。「いや、もう少し生きてたらあの人はとんでもない事になってたんじゃないのか?"発狂の兆し"みたいなのが見え隠れしてたぞ」とか、いちいちそこまで他人について考える暇がある人間そういないからね。
俺は真人間というのは「全ての事に真っ当な判断を下せる人間」というより「発狂のトリガーを寿命より後に伸ばす事に成功した人間」だと思っています。1000年生きたら誰だってトランプみたいになるに決まってる。という訳で一曲好きな曲を貼ります。ザ・プレジデンツ・オブ・ザ・USAの"ランプ"です。
The Presidents of the United States of America - Lump (Version A)
あと2000字くらいなんか適当に書くんですけど、最近Xで異常にデカいコンドルが遺跡を歩いたりしている動画が拡散されたんですよ。
このサイズの鳥が動画の中でフラフラ動いてて、怖〜、これもう人喰うだろと思ってたら次の日にコミュニティノートが付いて「これは着ぐるみです。中には元鉱山労働者のイシードロ・セサール・スカ・グティエレスさんが入っています」という注意表記が成されて「ああ、そうなんだ」となったんですが、これって仮に俺がこの鳥の中でふざけてる動画が拡散されたら「これは着ぐるみです。中には日本人の◯◯さんが入っています」と俺の本名が明記されているコミュニティノートが書かれるのだろうか?いや、実際はイシードロさんが自分の名前を吹聴しながら活動してるからこういう本名まで書かれてるコミュニティノートが付くんだろうが、この中に入っただけで本名拡散されたらたまったもんじゃないよ。容疑者扱いじゃん。「スマホを落としただけなのに」みたいに「コンドルに入って歩いただけなのに」になるよ。何が起こるか分からないよ本当。頂き女子りりちゃんも「まさかここまでの罪になるとは思わなかった」みたいな事言ってたよ。自分はnote書いてる時に「りりちゃんもこんな気持ちで書いてんのかなあ」と考えてますけどね。あの人、獄中日記書く間中ずっと犬のイラスト添えるんですかね。偉い。獄中界の高橋よしひろだよ。
あと、一昨日初めて新しい千円札を実際に見たんですが、裏面の浮世絵みたいな波の描写とか特に、「ポップな中に荘厳さもあり」といった趣きで良いと思いました。五千円札と一万円札はまだ見ていないですが。
あの、村上龍の3部作小説、「エクスタシー」「メランコリア」「タナトス」って、ヤザキって男がケイコ、レイコって女性とSMとかをしたりする話で、それでいろんな村上龍の小説に” ヤザキ”って主人公は出てくるんですが、まあ要するに作者の権化なんですよ。それでヤザキは絶対に女性にモテまくる訳。で、その三部作で特に顕著な特徴なんですが、ケイコやレイコはヤザキの魅力をこれでもかと並べ立てて、それで他人をもヤザキの虜にしていくんですが、小説の中には彼を魅力的に見せるエピソードがほぼ無いんですね。多分作者が意図的に省いてる。ヤザキ自身は小説内で麻薬吸ったりセックスしてるだけ。 で、「メランコリア」内でヤザキが女性と会話している自分をハンニバル・レクターになぞらえる箇所があるんですが、「ヤザキの魅力がケイコ、レイコ、その他の登場人物達の主観にしか存在せず、そしてケイコ、レイコがヤザキの魅力を媒介させていく」っていう構造は、ハンニバルというより、その祖先にあたるブラム・ストーカーの小説の「ドラキュラ」と同じなんですよ。「ドラキュラ」は誰かの報告文とかのみで成り立っている、主観しか無い、ドラキュラが登場人物達の主観の中にしか存在しない小説だから。
で、丹治愛の「ドラキュラの世紀末 ヴィクトリア朝外国恐怖症の文化研究」によると、ドラキュラは当時イギリスが抱いていた「他国からの侵略への恐怖」を象徴している一面もあるらしくて、その「侵略」という特性はヤザキにも当て嵌まるんですね。ヤザキだけがヤザキ自身の魅力に無自覚、ドラキュラ的世界観の外側にいる、ある共同体の外部に属している存在なんですよ。その位置から好き勝手なセックスとかで共同体を侵略していく。
それで俺にとって興味深いのが、ヤザキが普通のセックスに飽きて最終的にSMに夢中になるという展開で、彼はサディストとして振舞う事で、自分のペニスを泣きながら欲しがる女性の姿、どうにかして自分にはヤザキにセックスして貰えるだけ価値があるんだと証明しようと煩悶する様、を見て興奮するんですが、それはマルクスが資本論で書いていた「人間的労働」に執着している訳で、つまりヤザキは自分の魅力を貨幣に見立てた資本主義をセックスの中で再現し始めるんですね。それが自分には衝撃で。外部から来たカリスマがセックスで資本主義を再現しだすのが。わざわざ外から来てそれかいっていう。ありきたりな話なのかもしれないけど。
で、去年出た村上龍の「ユーチューバー」って小説が、やっぱヤザキ(正確に書けば矢崎)が主人公なんですが、とにかく話が暗いんですよ。ユーチューバーのチャンネルにヤザキ(矢崎)が出てきて過去の女性遍歴を連々と語るって内容なんですが、「昔好きだった女性に会いたい」とかばっか言ってて。ヤザキお前どうしたんだよと思って。コカイン吸いまくってケイコに褒められてたお前どこ行ったんだよって。
だから新しい千円札の「みんな〜やってるか〜!ぼよよ〜ん!!」って感じのデザイン見た時「ああ、ヤザキもこの位はっちゃけて欲しいなあ」と思ったっていう、それだけの話です。自分は面白かったですけどね、「ユーチューバー」。暗すぎて。荒れ果てて誰も居なくなったドラキュラ城って感じで俺は好きです。
村上龍がかつて93年に出した「音楽の海岸」って本の裏表紙に「官能と覚醒の果てに書き上げた神無き世代の聖書」という売り文句が書かれてるんですが、そりゃ神がいなくなって31年も経てば新札もこんなかわいいデザインになるよね。という訳で、アイヘイトゴッドというバンドのBLOOD MONEYという曲を貼ってこの文を終わります。まともな時代が来るといいよね。本当に。
EYEHATEGOD/BLOOD MONEY
また来週よろしくお願いします〜
ありがとうございます!