忘れようにも思い出せない
どんよりとした曇り空が低気圧を連れてきて、そいつは貴重な思考力を奪っていく。国からは税金を収入から差っ引かれ、空からは思考力をカツアゲされる。俺は社会も気候にも舐められている孤立無援の存在だ。頭がボンヤリして働かないンゴねえ…。大体いつだってそうなのだが。
自分は、毎週月曜の夜に5000字位のnoteを投稿しないといけない、という謎の虐待を己へと課していて、それで今週で41週目か。そういう事をしている者なのですが、今週は久々に低気圧の暴虐をくらっています。こりゃすごい。ま、どうにかなるか。
で、俺は更に1ヶ月前から「洋楽の歌詞を和訳する」という事をこのnote上で始めてしまいまして。もちろんそれがまたえらい難しい作業で、いよいよ頭の負担になってしまって認識力とかがドン詰まって日常生活で右往左往してしまう…という綺麗な負のスパイラルを描きながらバタ狂っている、そういう状況が今です。普通の娯楽小説を読み通すのとかが困難になってきてますね。
これ1984年に刊行された海外のウエスタン物のペーパーバックの和訳で、家畜泥棒達が跋扈している村に牧場主の息子が帰って来て激しい銃撃戦を繰り広げる…みたいな内容なんだけど、とにかくその戦いがいつまでたっても始まらない。最後の一人どころか最初の一人すら死んでない状況でもう読むのを中断せざるを得ませんでした。派手な場面が無いと集中力がもたないです。ハンターハンターもさあ、今日発売のジャンプに404話目が掲載されている筈なのですが、何が起こっているのか俺にはさっぱり分からんね。塾に行かないと無理。「今週のハンターハンターではこういう事が起こり、トウチョウレイの霊獣の能力はこの様な物であると予測できます」とかを懇切丁寧に個別指導で教えてくれる塾にでも通わないと俺にはあの漫画はもう理解出来ない。正直グリードアイランド編から雰囲気で読んでた。君達もそうだろう。違うかね。絶対に富裕層相手にそういう商売(ハンターハンター内容教え業)は既に存在していると思うんですよ。だから政治家の子供とか完璧に理解できてる筈なんですよ、今ハンターハンターで何が起きてるのかを。優秀なコーチが指導してくれているから。「成程、論理的に考えるとサイレントマジョリティーの使い手はこいつ以外にあり得ないですね。流石は冨樫先生」とか思えてんだよ。妬ましいぜ。貧乏が憎いぜ。
暗〜い恨み節が続いたんで、なんか気分を変える為に好きな曲を貼りますわ。"Punishment of Luxury"、「贅沢への処罰」という名前のバンドの曲で"Puppet Life"です。どうぞ〜。
Punishment of Luxury/Puppet Life
あとこの「最後の一人まで」って、こんな「俺は死ぬのも怖くねえ」みたいな勇ましいタイトルなのに、裏面で当時の最先端のセキュリティシステムの広告が印刷されてるのがバカバカしくて良いと思いますね。こういう機械って、わざわざこんな本に広告掲載する位なら庶民にも手が届く値段だったのだろうか…?最近こういう広告見てます?ウェブ記事読んでる時とかに日雇いとかエロ漫画とか冷凍食品とかのコマーシャルが表示されるだけじゃないですか?金満家の中年男性を相手にしてる雑誌とかには最新のセキュリティシステムの広告が載ってんだろうな。「この武器で不審者を惨たらしく殺傷しても、法律の抜け穴を掻い潜れるので罪には問われません」みたいなやつが。強制的に見させられる広告にすら貧富の差が広がっている訳ですよ。つくづく貧乏が憎いです。
まあ、それで、裏面も見せたくて両面が映る様に「最後の一人まで」の写真を撮ったんだけど、オモコロの「本を読んだことがない32歳が初めて『走れメロス』を読む日」で、みくのしんがこういう本の置き方して怒られてたのを今思い出したね。
本なんて壊れたらまた買い直せばそれでいいんですよ!その方が経済が回るんだから。だって、「読書が好きです!」みたいに言ってる人達も、大半は曝書(虫害などを防ぐ為に夏場に本を広げて陰干しする作業)とかしないでしょ??その時点で本なんて対して愛して無いんだ!!もちろん俺だって「マツムラ」とか曝書しないですよ。知人がこんなもん曝書してたら止めるよ。
というか「マツムラ」が曝書された事は有史以来一度も無いだろ。尾玉なみえの「アイドル地獄変」って漫画で、アイドル志望の海ひろ子って主人公がクイズ番組に出演して「がじろう」っていう解答者につっかかっていく場面があるんですね。そこで他の出演者による「がじろう、気に入られてる。でも、愛じゃない」ってモノローグが入るんですけど、自分の本への接し方もそれ。気に入ってるけど愛じゃない。人類には愛はまだ早すぎる。俺には曝書は無理。
などと書きましたが、やっぱり本は人類の財産なんでね。みんなで大事に扱いましょう。
で、今回ちょっと、その翻訳した英語の歌詞を先に発表します。別に出し惜しみする様なものでもないし。
今週自分が訳した曲は、ニューボムタークスのが1996年にエピタフから発表したアルバム、「スケアド・ストレイト」の1曲目、"Hammerless Nail"です。ざっと検索した限りではニューボムタークスの曲を和訳してるサイトは見当たらなかったので、ちんけな意訳だとはいえそれなりに役立つ情報になるのではないでしょうか。"hammerless nail lyrics"で検索して「日本語に翻訳する」のボタンを押せば大体の意味は判るけどさ。
「ネイル」という単語は、ここでは爪ではなく釘の事を指しています。"hammerless nail"で画像検索すると、側面にミゾが付いた釘、「ハンマーのいらない釘」の写真が多数表示されるのですが、この曲で表されているのはその様な製品の事では無く、「まだハンマーで打たれていない、ただ立っているだけの釘」という不安定な状態を描いているのだと思われます。"I can't nail down just what is missing"(失われつつある物を留める事が出来ない)というフレーズが象徴する様な、不確実な現状、それががらっと変化する為の一撃を渇望している心境についての曲ですね。
それで、この曲の中で、戦争をお気軽なものとして認識している箇所がありまして。本当に悩んだんですよ。「実際に戦争が起きている今現在、こんな曲の和訳を発表して良いのだろうか?」と。自分自身は、国による民間人の大量虐殺には絶対反対である事をこの場で宣言しておきます。俺はXで何かを発言するのが本当に苦痛なんですけど、戦争反対はちゃんと言うべきなんだろうね。当たり前か。
と書いたところで、この曲の歌詞を訳したいと思います。
New Bomb Turks /Hammerless Nail
回避行動こそが俺の取引物件なんだ
ほぼ毎日を俺はそいつで凌いでいる
「まあ大丈夫だろ」という曖昧な靄の中を
日々が流れ去って行くまで
ロー・ファイが俺の欠点を全部カバーする
足を締め付ける正装のやり方を知らない
おそらく俺は何一つ学んだ事が無い
戦争こそが俺には必要なんだよ
もしくは散髪とか家族の死とかが
失われていく物を留めておけない
鉄槌は振り下ろされつつある
俺の将来の見込みは大したもんじゃない
あんたはそれを重圧の様に身に着けて
そこら辺をウロウロと待っている
さらに待てる事を期待しながら
俺はここに立ってる、そうさ、俺は釘なんだ
衝撃が来るならば 俺はうってつけさ
俺の頭は硬くて仕方が無い筈だ
でもその時が来たら 俺は何を言うだろう?
「望んだ物が来たじゃないか!」奴等は言う
頭を真っ直ぐに掲げて誇らしくこう言うよ
鉄槌が我に振り下ろされるって
いつの日か鉄槌が落ちてくる
落ちてくるんだよ 知ってんだって
いつか鉄槌は落ちてくる
落ちてくるんだよ もう知ってるのさ
回避行動こそが俺の取引物件なんだ
ほぼ毎日を俺はそいつで凌いでいる
「まあ大丈夫だろ」という曖昧な靄の中を
日々が流れ去って行くまで
でも 未来ってやつは常に重荷だ
ぶっ壊れる頃合いなんだろうな
そして自分自身の一切を建て直さないと
戦争こそが俺には必要なんだってば
もしくは散髪とか家族の死とかが
失われていく物を留めておけない
鉄槌は振り下ろされつつある
振り下ろされるぜ
振り下ろされるぜ
一一一一一一一一一一一一一一一一一一一
戦争反対!!
頭が本当に毎日毎日ぼんやりとしていてですね。それで、この前仕事でもうストレスで死ぬ、あたいもう死んじゃうくらいの状況の時に同僚がこぞって全員で困り顔をしていて。また何か起こったのかよと絶望しながら「どうしました?」って聞いた途端ですよ。急に頭の中で「なん〜でも わいに聞きいや〜」って関西弁のおっさんの声がマジで聞こえてきて。何なんだよ今のは!?しかし、どこかで確かに聞いた事がある……と記憶を辿っていたら、急に思い出して。これごっつええ感じのコントの「神さん」の板尾創路のセリフだって。愕然としたね。だって、そんなコント10年単位で覚えてなかったもん。
確か、星空をバックにして、神様の恰好した板尾創路が回ってる地球儀の前で言うんですよ。「なん〜でも わいに聞きいや〜」って。多分、ストレスでバグり散らかしてる自分の脳が「どうしたんですか?」と発言した時に「"解決"に纏わる文章を頭の中から探さないと!」と焦って、それで引っ張り出された。「神さん」のセリフが。
その後のコントの内容が、悩んでる人から送られてきた官製ハガキを板尾が「うん、うん」とか言いながら黙読した後で凄い適当な解決方法を言うのよ。それのイントネーションまで鮮明に思い出して。「カニを食べなさい。カニを」ってやつを。だから、忘れてなかったんですよね。俺は。神さんを。ただ俺の脳の中にある記憶の盲点みたいな所に板尾創路がずーっと居て、ただただ15年位の間、官製ハガキを黙って読んでいた。バカボンのパパのさ、「忘れようにも思い出せない」ってフレーズあるじゃん。あれは、マジだね。
「シグルイ」で確か走馬灯を「死の直前にそれまでの記憶を総動員して思い出し、なんとか生き延びる為のチャンスをその中から探そうとする行為」みたいに定義してるコマがあったと思うんですが、だから、一種の走馬灯が発生した訳ですね。未曾有のストレスの最中に。最近そういうのが多くて、この前食中毒でひっくり返って「うわ〜」てなってる時に、いきなり頭の中に響いて来たんですよ、「トゥルッチュッチュ〜 トゥルッチュッチュ〜チュチュ〜」ってフレーズが。「何だ!?何なんだこれは!?」ってなった後で「あっ!!Adam SchmittのSpeed Killsだっ!」って思い出して。イエローピルズっていうコンピCDに収録されてた曲で、10年位前に聴いた時に「最高だなあこれは〜」とは思ったんだけど、それからずっと忘れてて。腐った物食ったらいきなりその時の感動が蘇った。公式配信サービスに無い曲なんで貼れないんですが、Adam Schmittの他の曲を今聴いてみたら、やっぱりいいですね。
Adam Schmitt/Can't Get You on My Mind
タイトル、「君の事が頭から離れない」だって。マジでそれだよ。ごっつええ感じの地味なキャラがあなたの頭からも離れていないんですよ。奴等は突然現れるよ。「メミー・カフィー」とかが。
と、わけのわからない脅しをかけた所で、この文を終えたいと思います。最後に戦争反対の意を標してゲットー・ボーイズの「ファック・ア・ウォー」を貼ります。冷え込んでまいりましたが、皆様も風邪などにはお気を付け下さいね。健康が第一なんで。
Geto Boys/Fuck a War (Mixtape Version)
戦争反対!また来週よろしくお願いします〜!
ありがとうございます!