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寿命で考えるリフレーミング——38歳を迎えて気づいた「奇跡の時間」

「人間の生物学的寿命は38歳」
このことを知ったとき、私は一瞬、息が詰まりました。
ちょうど今の自分の年齢。

つまり、生物学的には、私はもう“寿命を迎えた”年齢に達しているということになる。

この衝撃的なことを教えていただいたのは、生物学者の池田清彦先生
「人間の自然寿命はチンパンジーやゴリラと同じで、DNAのメチル化解析から見ても約38歳だと考えられる」とのこと。

でも、じゃあなぜ私たちは今もこうして生きているのか?
それは、医療や栄養状態の向上によって、私たちは“おまけの人生”を生きているからです。

この考え方を知ったとき、私は改めて、自分がどれほど恵まれた時代に生まれたのかを痛感し、
そして、「この1日は、奇跡の1日」と言っても過言ではないということに気づきました。


1.時代ごとに違う「寿命の基準」

人類の寿命は時代とともに大きく変化してきました。
例えば、縄文時代の平均寿命はわずか15歳、弥生時代も18~28歳程度。
平安時代には30~40歳まで延びたものの、それでも現代の感覚では「若すぎる」と感じるでしょう。
さらに、江戸時代の平均寿命は32~44歳。これでも、生物学的寿命の38歳とほぼ同じ水準です。

一方で、現代の日本人の平均寿命は、
✅ 男性81.09歳
✅ 女性87.17歳

もはや、生物学的な寿命の“2倍以上”生きていることになります。

これを知ると、なんだか今までの「年齢の概念」がひっくり返らないでしょうか?

2.「今日があるのは奇跡」だと思えるかどうか

日々、忙しさやストレスに追われていると、つい愚痴をこぼしたくなります。
「なんで自分ばかり…」
「もっと自由な時間がほしい」

でも、ふと考えてみて、、
もし自分が縄文時代に生まれていたら?

—— もうこの世にはいない。

もし江戸時代に生まれていたら?
50歳を迎えることができたら、大往生だったかもしれない。

私たちが「まだ40歳か…」と思っているのは、過去の時代から見ればありえないほど贅沢な悩みといっていいでしょう。

そう考えると、目の前の1日が、どれほどありがたいものか。
この視点を持つだけで、見える景色がガラリと変わる気がします。

3.「今も、生きることに必死な人がいる」

そしてもう一つ、忘れてはならない視点があります。
それは、今も世界のどこかで、寿命を全うする前に命を落としてしまう人々がいるという現実。

ウクライナや中東など、戦争や紛争の影響で、生きたくても生きられない人がいる。
今日を迎えることができず、明日が来ることもない人がいる。

彼らにとって、「40歳」というのは遠い未来の話かもしれません。
「老後」という概念すら存在しない人々もいるかもしれません。

そう考えると、私たちが「年齢」や「寿命」を嘆くのは、どれほど恵まれた悩みなのか——。
目の前の1日を無駄に過ごすことは、彼らの命の重みを考えれば、とてもできない。

もちろん、誰もが世界のすべてを救うことはできない。
でも、せめて「今、こうして生きていることは当たり前ではない」と意識することはできるはず。

4.リフレーミング:寿命を知ることで、人生の捉え方が変わる

心理学では「リフレーミング(Reframing)」という手法があります。
これは、物事の見方を変えることで、ポジティブな解釈を生み出す考え方のこと。

たとえば、
「もう38歳か…」と落ち込むのではなく、
「38歳からがボーナスステージ!」考えてみる。

すると、
「これからの人生、どう面白くしよう?」と、ワクワクしてこないでしょうか?

そして、もしその気持ちを持つことができたなら、世界のためにできることも見えてくるかもしれない。
直接的に募金や支援をしなくても、経済の流れの中で社会に貢献する方法はある。

私自身、自著でもインデックス投資を推奨している立場ですが、これは単なる資産運用にとどまらないと考えております。
企業というのは、社会の課題を解決するために存在するもの。
つまり、その企業に投資をすることで、間接的に社会の発展に貢献しているとも言えるのではないでしょうか。
(企業のCSR活動や、環境・医療関連の企業に投資することで間接的に社会に貢献できるという考え方もできますよね)

もちろん、捉え方は人それぞれです。
でも、もし「お金の使い方」ひとつで社会に良い影響を与えられるとしたら、それもまた「生かされていることへの恩返し」なのかもしれません。

5.「長生きすること」より「どう生きるか」が大事

ここまで寿命の話をしてきましたが、私は「長生きすればいい」と言いたいわけではありません。

大切なのは、この“おまけの人生”をどう生きるか。

せっかく得たボーナスステージを、
「ただの消化試合」にするのか、
「最高に楽しいエキストラステージ」にするのかは、自分次第。

そして、それが「自分のため」だけでなく、「社会のため」にもなる生き方だったら、もっと意義のあるものになるはずです。

6.まとめ:寿命の視点で人生を捉え直してみる

私たちは、歴史上最も長く生きられる時代を生きています。
それだけでも、**現代に生まれたことは“奇跡**と言えるのではないでしょうか?

そして、もしこの奇跡の時間をどう使うかに迷っているなら、「社会に貢献する」という視点を持ってみるのもいいかもしれません。

世界のどこかで今日を迎えられない人がいる。
だからこそ、私たちはこの「おまけの時間」を最大限に生かすべきなのではないでしょうか。

私はこの一日をこれまで以上に大切にすべく、noteを通して発信していきたい。

あなたはどう考え、どう行動しますか?

参考文献:
池田清彦『40歳からは自由に生きる 生物学的に人生を考察する』(講談社)「縄文人の平均寿命について」茅野市公式サイト
「鎌倉時代の平均寿命は24歳」TABI LABO

追伸:
池田清彦先生への講演依頼も承っています。
※「土橋のnote記事を見て相談」 と入れていただくとスムーズに案内いたします。

マイプロフィール:土橋昇平



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