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オンライン日本語教師 「っ」「な・ら」発音指導法

みなさん、こんにちは!
私が日本語を教えた生徒さんの中で、一番多いのは中国語母語話者です。
今回は、私の経験から、中国語母語話者の日本語の苦手なところと、それに対する指導方法についてシェアしたいと思います。


1️⃣ 促音(小さいツ)が苦手(例:きっぷ、さっき)

中国語のなかに小さいツのような詰まる発音が無いために、苦手な方が多いです。
本人は促音を発音しているつもりでも、拍のとり方が甘く、中途半端になりがちです。

さらに、ある程度話せるレベルになると、ちゃんと発音しなくても通じてしまい、誰からも修正されないし、できていないことに自分で気づけません。

促音ができていないことで、いわゆる『中国人っぽい』日本語になっています。(ただし、本人がそれで良いなら全然かまいません。促音が微妙でも通じるっちゃ通じるのです。)

これを直す方法として、私は手をたたいて拍を感じてもらう方法をとっています。
『きっぷ』だったら「タンタンタン」と同じリズムで3拍手をたたいてもらい、手をたたくのと「き」「っ」「ぷ」と言うのを合わせるようにします。

手をたたかせても、「き~い~ぷ~」と言ってしまう人もいます。
これだと促音にならないですね(;^ω^)
そういう時は、おおげさに「き」の後は息を止めて!と言います。
口から音を出すな!ストップ!と。

それから何度もミムメムしていくと、だんだんコツをつかみ、あら不思議、上手に言えています。
この方法で、みんなコツをつかみ、できるようになりました(^-^)

2️⃣ 「ナ」が「ラ」になってしまう(はな→はら)

中国のある地方では、そもそも「ナ」の発音が無いらしく、全部「ラ」に置き換わります。
「花が咲きました」という文は「腹が咲きました」という謎の文になります。
え?腹がすきましたって言ったの?ってなりますよね。

これは促音とは違い、何を言いたいのか100%通じません。
直したいと思いますが、これがけっこう難しいです。
特に、母語にその発音がない場合、一からお口をトレーニングしなくてはなりません。
どこに舌を置いて、舌をどのように動かして、息をどのように吐くのか、一つ一つ教えていきます。

まず、「ラ」と「ナ」は最初の舌の構えが似ています。
「ラ」も「ナ」も上の歯根に舌先を付けたところからスタートですね。
最初はその形のまま「あ~」を声を出してもらいます。
次に「あ~」と言いながら、舌を弾きます。
次第にこの動きを速くします。
そうすると「ラ」が出ますね。
「ナ」は舌を弾くのではなく、下ろします。
この違いを感じてもらいます。

また、「ラ」と「ナ」の大きな違いは他にもあります。
「ラ」は鼻から空気を抜きません。
鼻が詰まっていると「なにぬねの」が言えなくて「らりるれろ」っぽくなってしまいますよね?
つまり、鼻をつまんで空気が抜けないように言います。

次に「ナ」は鼻から空気を出します。
うまく鼻から空気を出せない人には、「ん~」といってから「ナ」
「ん~ナ」を繰り返してもらいます。

基本を押さえたら、あとは身体で覚えるしかないと思っています。
1000本ノックのように、暇さえあれば練習して欲しいですね。
言語はスポーツと同じ。
口や舌の筋肉の使い方を覚えると、言えるようになってきます。


今回は、中国語母語話者の日本語の苦手なところと、それに対する指導方法を書きました。

みなさんは、どんな方法で指導をしていますか?
また、中国語母語話者のほかに、英語や韓国語などの母語話者には、どんな傾向が見られますか?
ぜひシェアしていただけると嬉しいです( ..)φメモメモ

もし、こちらの記事が好評でしたら、他にも学生が苦手な日本語の傾向がありますのでシェアしたいなと思います。

それでは、また次の記事で(^^)/

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