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乙女ゲーム転生もので最も笑える(私調べ)小説見つけちゃったかもしれない……(『転生先がパン屋の娘。努力で魔王は倒せますか?』読んだ!)

注:こちらの小説は小説家になろう上でアップされていたものですが、未完のまま更新が止まっております。それでも勧めたい、読んで欲しい作品です!


「私がちょっとおませさんで頭の良い子供だからです!」
『転生先がパン屋の娘。努力で魔王は倒せますか?』

バッドエンド多めの乙女ゲームで、モブに生まれた主人公。攻略対象などとワイワイしながら魔王討伐を目指す……と聞くとごくごくありふれた設定のように思える。がしかし。

〈狙え、骨太系女子! 時代は骨密度!〉
〈雲ひとつ無い、抜けるような青空。これは正に絶好の「熊鍋日和ですね」「「「そんな日和は無い‼」」」〉
〈「私、泥棒なんてしたことありません!」(中略)「当り前でしょう! その剣は正々堂々と強奪しました!」〉
『転生先がパン屋の娘。努力で魔王は倒せますか?』

これでもごくごく一部に過ぎない。この主人公、お茶目、などという言葉ではくくれないほど、斜めに爆走し続けるのである。

トゥルーエンドを除くすべてのエンディングで世界が滅びてしまう乙女ゲームに転生した主人公、シーデ。彼女が転生したのはヒロインでも、悪役令嬢でもなく、ヒロインが通うパン屋の娘だった。惚れた腫れたに興味はない。それでも世界が滅びてしまうのは困る! 世界と家族を守るため、強くなり続けていくマイペース少女のいずれラブコメディになるかもしれないコメディ作品。それが『転生先がパン屋の娘。努力で魔王は倒せますか?』だ。

 なんといっても、この作品の魅力は主人公、シーデのキャラクターだろう。転生前から、〈私の復讐が功を奏し、彼らは海外の僻地で永住する羽目になったよう(伝聞なので詳細は知らない)だ〉という、良いだけではない性格とそれを実行する力を持ち。転生後、魔法が使えないとわかった途端、剣術や魔術に目を向けるへこたれなさ。家族や仲のいい人を守るために全力を尽くす愛の深さ。胸熱のアクションシーンとかっこいいセリフ。

 そして何より、天然というにはあまりにぶっ飛んでいる思考回路。なんでこの子は〈私の基本移動はダッシュ〉で、移動しながら歌うにしても〈ダッシュ&ヘヴィメタはちょっと息が上がる。猛省〉してるんだ。なんで「熊捌ける系女子」なのを自慢げにしてるんだ。なんでこの子以上につっこみ所があるキャラがいてこの子がツッコミに回ってるんだ! ハマれば腹筋に効くこと間違いなしだ。

 メモ:残念なことに四年前から更新が止まっている。今出ている分でも十分笑えるのでおススメだ。それでも完結していないのが気になるというなら、同作者の短編『悪役令嬢鉄パイプ系』もものすごく面白い。
 
『転生先がパン屋の娘。努力で魔王は倒せますか?』木戸 平成二十八年~

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