給与明細と定額減税
たびたび、給与計算や給与明細について書いているところですが、最近、話題になっている「定額減税」。ここでも給与明細の存在がクローズアップされております。
📘給与での定額減税とは?
こちらで説明するまでもないかと思いますが……。
給与では、社会保険料のほか、所得税や住民税も控除されています。
定額減税は、このうち、所得税と住民税のお話です。
イメージとしては、6月に支給される給与・賞与から、累計3万円に達するまでの間は、所得税が控除されない、つまり減税になるというものです。
「3万円」と書きましたが、扶養されているご家族がいれば、人数に応じ1人3万円ずつプラスされます。
たとえば、「ボーナスなし」「扶養のご家族なし」「月々の源泉所得税額が5,000円」の場合、6月から11月の6か月間に支払われる給与で、5,000円×6か月=3万円になります。この間、源泉所得税が引かれません。12月の給与で再び、源泉所得税が引かれます。
単純な例で示しましたが、所得税はその名のとおり、所得により変わってきます。
定額減税は今年のみですが、中には、12月の給与までの間に、3万円控除しきれない場合も生じます。このような場合は、年末調整で精算される予定になっています。
なお、所得税の3万円とは別に、住民税は1人1万円の減税があります。
合計1人4万円の減税です。
住民税に関しては、年間の税額から1万円が控除されます。それが月割されたものが、給与で引かれてきます。
今年は6月給与では控除がなく、7月から月割額が控除されます。
📘給与明細との関係性
定額減税により、源泉所得税の金額欄が「0」になっても、実際にいくら減税されているのか分かりません。
そこで、定額減税された額を給与明細に明示するよう言われています。
しかし、中には、そもそも給与明細を見ないという方もいらっしゃるでしょう。手取りさえ振り込まれていればよいという方です。
手取り額が毎月一定額という方は、あまりいらっしゃらないかと思います。残業が発生すれば当然です。
手取り額だけみても、「今月はいつもより増えているなあ」という感じで、それが定額減税によるものという認識は生じがたいでしょう。
給与明細に減税額の表示が義務づけられていても、実際に従業員の方々に見てもらえなければ、効果を実感してもらうことも難しいのではと思います。
定額減税には、さまざまなご意見あるところです……。
会社内の給与計算担当者の方々の事務作業も増えています。その苦労を思うと、ひとまず、「6月の給与明細を受け取ったら、チェックしてみましょう」と述べておきたいところです👩💼