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最低賃金アップと社会保険

最低賃金 全国平均51円アップ!
 
話題になってから、かれこれ1ヵ月が過ぎようとしています。
いまさらでしょうが、都道府県により10月1日から順次、改定されていきます。
 
これを受けて、給与が上がる方もいらっしゃるでしょう。
給与アップして、うれしくない方はいないかと思いますが、一方、
「働きたいけど、働けない……」
と嘆く方もいるかもしれません。
扶養内で働く方にとっては、調整の問題で悩むところです。
 

🌱最低賃金は上がるけど、扶養の収入基準は変わらない

社会保険の扶養でいられるには、年収130万円まで(60歳以上や障害者の方は180万円まで)。
1ヵ月に換算して、108,000円ほどです。
 
金額が基準となっている以上、時給が上がれば、勤務時間を減らさないとオーバーしてしまう……なんてことになりかねません。
 
そして、もう1つ、パートの方々に影響がありうる改正が、この10月にあります。
社会保険の加入基準についてです。
 

🌱会社規模によって社会保険加入の基準は違う

社会保険の加入は、金額ではなく、日数や時間で見られます。
通常の社員の4分の3以上の日数・時間の勤務……、目安として「週30時間以上で加入」、これが従来の基準でした。
この基準が「週20時間以上で加入」に下がってきています。

下がってきているというのは、一斉にというわけではないためです。会社規模により、段階的に適用対象としているからです。
当初は501人以上の企業が対象でした。一昨年、101人以上の企業が、そして今年10月には51人以上の企業へと拡大されてきています。
この 9月までは週20時間以上でも社会保険に加入しなくてよかったのが、10月からは加入という方も存在するのです。
※101人や51人といった会社規模は、実人数ではなく、従来の4分の3基準(週30時間以上)に該当する人数を指します。
 
扶養のままを希望となると、週20時間未満に抑えなければなりません。
(厳密には、週20時間以上でも月額給与88,000円未満であれば加入しなくてもよいのですが、最低賃金も上がってきているので、地域によっては難しいでしょう)
一方、雇用保険の加入基準は週20時間以上です。社会保険加入を避けるために、週20時間未満に減らすとなると、雇用保険を抜けることになります。
 
ちなみに、雇用保険は令和10年10月より「週10時間以上で加入」に改正されます。
 

🌱それぞれの着地点は一致するのか?

扶養のパートの方々も大事な人材。
パートの多い事業所ほど、頼れる大きな存在であり、戦力となっていることでしょう。
会社としては、時間を減らされては厳しいところです。

一方、制約のないフルタイム従業員等に残業を増やすことでカバーさせようとしても、やはり一定の規制はあります。働き方改革、ワーク・ライフ・バランスに逆行してしまいます。
たとえ違法とならない範囲でも、残業が増えたり、休日が減ったりすると、健康問題だけでなく、モチベーション低下にもつながりかねません。
 
事業主、勤務時間の長い従業員、短い従業員……。
皆が一致する着地点はどこなのか?
今後の改正も注視しながら、探っていきたいところです。 

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