構造デザインの講義【トピック1:構造とデザイン】第5講:建築と構造のデザインの関係
東京理科大学・工学部建築学科、講義「建築構造デザイン」の教材(一部)です
トピック1:「構造デザイン」「構造とデザイン」
第1講:良い建築とは
第2講:建物の表現と構造
第3講:身の回りのモノや自然から学ぶ
第4講:それでも、建物は壊れます
第5講:建築と構造のデザイン(ココ)
改めて、問います。「構造デザインとは?!」
「構造デザイン」という言葉は、「構造をデザイン」する、と言い換えることもできます。
では、構造をデザインするということは、どのような意味を持ち、具体的に何を考え、設計・デザインしていくものなのでしょうか。
デザイナーに求められるもの、
経験、直感、センス、具現化、・・・。
「構造は、直感で理解する」、とよく言われます。
それは、センスであったり、力学原理に裏付けられたり、工学的経験などによって思いついたり。湧き出てくることがあります。
今日では、建築物の計画から設計、施工などの一連の流れは、高度化・分業化・専門化されています。
1つの建造物が完成するまでに、たくさんのデザイナー、エンジニア、マニュファクチャーなどが参画します。
建築の構造を考える場合、意匠や空間の表現の意図を理解し、協調し、デザインと安全性を調和させることが重要です。
そのために、建物の構造を大まかにとらえ、使用する材料や構造方法をイメージし、具体的に骨組を割り当てられるように、ストーリーを構想することが第一歩になります。
日本の建築のデザインと構造を高め、世界にその存在を認められた丹下健三(建築家)と坪井善勝(構造家)。
当時の二人の議論は、どちらが建築家で、どちらが構造家かわからなかった、というエピソードがあります。
すなわち、丹下健三は力の流れに基づき、構造的な提案を話していたと言われています。対して、坪井善勝は形や空間のイメージを理解することにつとめたとも言われています。
デザインやフォルムの着想は、身の回りのモノから発見できることがあります。
「用・強・美」をバランスよく兼ね備えたものが良い建物である、とするならば、自然界に存在する構造的合理性をもった自然を参考にすることは、一つの方法です。
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