♨️湯船でzineを読む「雰囲気ヤシの木」
湯船に長時間浸かれないマンの私。
3分くらいで根を上げる雑魚さですが、なんとか湯船に浸かり続ける為、スマホを弄ったり本を読んだり、色々と試行錯誤してきました。
その結果、ZINEを一冊読み終わるくらいの長さが丁度いいことに気付き、手元にあるZINEを一冊ずつ読んでいった読書記録達です。♨️
どうも新村です。
前回からかなり開いてしまいましたが、実は湯船には何度か浸かっていたんです。湯船でSNS更新したり巡回したり放心したりしてました。
案外湯船っていろんなことができる場なんだな・・・🛁
30分や1時間近く浸かっていられる人は湯船でドラマとか見てるんでしょうか。湯船タイムの可能性を感じます。
さて今回のzineはこちら。
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♨️「雰囲気ヤシの木」
著者:綜合果汁
日本各地に点在する「ヤシの木」にまつわる歴史的背景、本邦においてヤシの木に与えられた記号的イメージとその消費のされ方について、とても丁寧に構成されている。
著者は約10年前から"雰囲気ヤシの木"に関心を寄せていたそうで渾身の一作とも言え、これはもう研究といって過言ではない。日本人とヤシの木イメージを語るに際して、まず枕草子が出てきた時点で姿勢を正す気分になった。
初期イメージとしての「南国・南洋」から発展し、「ハワイ」「リゾート」、そして時代の変遷と共に「カリフォルニア(西海岸)」「シティポップ」、そしてそれらに付随するイメージの発展として「楽園」「異国」「非日常」「開放感」など、時代背景とキーワードを追って考察を重ねており、ヤシの木を通して抱く私たちのイメージの広がりにハッと気付かされる。
言われてみればヤシの木をその辺の植物と同じように見るのは結構難しいかもしれない。どうやっても上記のようなイメージにうっすら化粧されて認識している気がする。
東浩紀・大山顥による共著「ショッピングモールから考える ユートピア・バックヤード・未来都市」を思い出し、付章「庭・オアシス・ユートピア」を読み返した。人工環境において植物は土木建材であり、人間が自然に求めるものが赤裸々に具現化されている、とある。
日本各地で行われた観光開発ー人間の欲望の具現化のため、ヤシの木は都合のいいユートピアイメージとして日本各地にわかりやすい記号として植栽されてきたのだろう。
ちなみに、上記の書籍の同章では「最近はヤシの木が減ってきて月桂樹やオリーブなどの地中海風植生に植え変わっている」という指摘があった。
時代の変遷、人々の趣向の変化によって必要とされるイメージが変わるのは当然である。もしかするとこのzineで取り上げられたヤシの木たちも別の植物に植え変わっていく可能性もなきにしもあらず。
そういう意味でも重要な観察記録といえるzineだと思いました。
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ヤシの木といえば大竹伸朗をなぜか思い出す、と思ったら
瀬戸内にある大型作品には割とヤシの木が生えていた。
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瀬戸内だからなのか、大竹伸朗だからなのか、、、