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「おすすめ」を手にとるかとらないかは 自分で決めていい


「おすすめ」「人気No.1」「効果がある」「どうやらいいらしい」など、世の中にはたくさんの「おすすめ」がある。


息子が不登校になりメンタルがやられていたときに、「不登校からの回復対応は、回転寿司みたいなものだ」という話を見たことがある。

学校を休み塞ぎ込む子どもに対して、様々なネタ(いわゆる選択肢)を流す。回転寿司のようにただ流す。何のネタをとるか、どのタイミングでとるか、そもそもとるかとらないか、子どもが決めることだ、という話だったと思う。

なるほど、と思った。おすすめなだけであり強制してはいけない。今でもイメージする。自分の経験も踏まえ、アレンジして想像することがある。

振り返れば、そもそも体調が悪くお腹が空いていない子どもに、いくら「おすすめ」のネタを流したところで手にとるわけもないのだ。
なんなら、レーンに流すどころか子ども目の前に皿を置き「おすすめだから食べなさい」「体にいいから食べなくちゃ」と焦って言ったところで、食べるはずがない。おすすめどころか何も食べたくないのだから。

しっかり休んで元気になってお腹が空いてきたら、ぼちぼち流してみるのがいい。でも、だからといって突如外から仕入れてきた「カウンセリング」「診療内科」「フリースクール」「家庭教師」など、馴染みのない謎のネタを流されても、そりゃ簡単に食べるはずもない。

「一緒にゲーム」「お菓子を作る」「ゲーム買いに店へ」「◯◯のポテト食べに出る」「大好きな従姉と遊ぶ」「野球を見に行く」といった子どもの好きなもの食べやすいものから流せばいい。

流しても全く手にとらなかたり、手にとり口まで持っていったが食べなかったり、それにイライラしても仕方がない。回転寿司のネタは、ただただ流すしかないのだ。工夫して流すしかないのだから。

子どもの好きなものや興味のあるものから流して、少しずつ食べるようになる。でも病み上がりだ、そりゃずっとは食べ続けられない。
でもたまに流してみる。いつでもどうぞー。
「電車」「外食」「飛行機」「映画」「釣り」「ゲーム」「雑談」「電車」「公園」「ゲーム」流しながら、ぼちぼち食べるようになる。

飽きてきたら「友だちと遊ぶ」「初めての場所」「ゲームが出来るフリータースクール」「楽しそうな授業」「先生との面談」「一人旅」「高度なゲーム」好きそうなものを色々流してみる。馴染みのないネタには簡単な解説をつければ分かりやすいだろう。

更に元気になってくると、「◯◯食べたい」「◯◯はどこで手に入る?」などと興味あるネタについて質問も出てくる。
久しぶりに食べてみようと思ったネタに手を出してみて「やっぱり美味しくなかった」とか、その逆に初めて恐る恐る食べてみたけど「思ったより美味しかった」といったケースも出てきたりする。

驚くことに、気付いたら 子どもが自分でネタを仕入れて食べていることもある。え、めっちゃ食べるじゃん、それ美味しいの??笑。仕入れ先はだいたいネッ友やユーチューバーのようだ。

私の流したものに見向きもせず、夫と別の回転寿司へ行くこともある。私が流さないようなネタが流れるらしい。


考えてみれば、「おすすめです」「子どもはこれを食べてください」「これが無理ならこれをどうぞ」と言われテーブルにギッシリ並べらても、食べられないときは食べられないし、どうやっても食べたくないときもある。胃袋の大きさや食べるペースも人それぞれだ。

だったらまたいつか食べたくなったら食べればいいし、頑張って食べた方が良さそうだなと自分で納得する時が来たら食べればいい。
すすめられたものを食べなくても死なないのだ。
自分が食べたいものを食べればいい。自分の食べたいものを探せばいい。
いいネタ、いっぱいあるんだよ。

今でも息子には、たまに「おすすめ」ネタを流してはいる。息子自身がどれを食べるか決めている。
でもどうやら自分で探したいタイプのようだ。わが子が仕入れたネタが猛毒ではないかどうかだけ気にしておけば良さそうだ。

むしろ、ネタの探し方やネタの捕り方作り方、というネタを「おすすめ」として流してやるのが良さそうか。


私も「おすすめ」を手にとるかとらないかは自分で決めたい人間だ。そしてすべてはタイミングや潮の流れ、気まぐれだったりする。
でもやはり、興味のある人や、信頼できる人からの「おすすめ」は手にとりがちではある。




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