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孤独の樹海
「孤独の樹海」について話している音声
再編集によせて
「孤独」とても気分が落ち込む言葉です。
しかし、とても身近な言葉の様にも思えます。
一人の時が「孤独」と言えばそうですし、チャットをしていれば「孤独」じゃないとも言えますが・・
大勢の中にいても「孤独」を感じる事はあるのかなとも思います。
私は少し自分以外の人と距離をとる事が多く、独りでいる事が多いです。
あまり馴染めない、物心ついてからその思いが強かったです。
昨年この「孤独の樹海」を執筆している時は、自分の孤独と向き合っていた最中でした。
なぜ「孤独」と向き合うか?
それは、何をしても満たされない自分を知る為。
人生において何度も訪れる【価値観の変化】
仕事や家庭の事情や交友関係など同じ日々は続くものではありません。
変わりたくないのに、変わらなくてはいけない時が必ず生きていると来るものです。
昔の自分を見直して、明日を迎える自分の為に・・
その為に「孤独」と向き合う必要がありました。
2023年は自分と向き合う一年を過ごしました。
日記として言葉にできない事を絵にする為に、制作してきた作品は私の個人史に等しいものです。
過去作品を辿るごとに、昔の忘れたい事や傷ついた事、自分の弱さや卑怯な瞬間も思い出したりしました。
とても辛い作業でした。
しかし、逃げずに自分と向き合い、その「孤独」と「トラウマ(傷)」の中にこれからを生きるヒントを見つけ出すことができました。
「孤独」とは目をそらすものではなく、自分が変化する時期に見返すと新たな視野が開けるきっかけになる。
執筆を終え、現在はそう思えてなりません。
「孤独になれ」とは言いません。
ただ人混みから離れてみて、自分を振り返る「独りの時間」をつくると昨日と違った自分を見つけられるかもしれない。
「孤独の樹海」自分の心の中に分け入った、一人の人間の記録としてお読みいただければ幸いです。
2024年1月 卯月螢
プロローグ
言葉の樹海に彷徨う。
自問自答とは、迷う自分に語り掛け明るい明日を探す術。
しかし、明日を見ず足元の影ばかり見ていると孤独の深淵に迷い込む事になる。
誰にも理解されないと諦める術を模索し、愛されなかった事を立証するために過去の自身を問いかける。
光る愛情の過去に目を背け、傷ついた言葉を事柄を羅列する。
そこに愛情があったにしろ無きにしろ、自分を否定するその言葉の棘は胸に深く沈み、孤独の浸食に事足りる。
他人を疑い、自身を疑い、存在さえ疑い。
足下の影と自問自答を繰り返す日々は、未来に至る些細な灯も見失う。
この世に光なく、明ける夜は無い
これはそんな孤独を彷徨う魂の話。
fallen tree
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その腕は、何を求めていたのか
その足は、何処へ向かうはずなのか
暗闇の中で乾き崩れる木屑のように
明日、見る視界は疑念に塞がれ
色とりどりの願望に今を見失う
過去に生き
妄執の淵の中
深く沈む
往く当てのない孤独の底へ
fallen tree#2
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夢を見ていたはずだった
明日を見ていたはずだった
希望があったはずだった
愛があったはずだった
空は青いはずだった
視界は暗闇
助けも呼べない
顔のない 思いの残骸
渇望
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自分の手を見る事が多かった
鏡を見るのが嫌いだった
自分を見るのが嫌だった
だけど自分の存在を確かめずには不安でいられなかった
乾いてひび割れた指に伸びた爪
その手は何も生まず、誰にも届かない
空を見るのが怖かった
今は
自分の手を見るしかなかった
約束
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幼い頃の約束 違えた言葉 枯れ逝く心
彼方(孤独についての独り言)
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「孤独だと思っていてもその奥には愛された記憶があるかもしれない」
何故そう思うのか?
想像してみて欲しい
何故、冬が寒いのか?
それは春の温かい体感した記憶があるからである。
生まれてより凍える冬しか知らなければ温もりを乞うことは無い。
記憶の遥か深淵、苦しみの最奥の彼方に
愛されたであろう体感という記憶があるのではないかと考える。
それは、
希望であるか絶望であるかは
今はまだ、分からない。
fly
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自由になりたいと
何処かへ行きたいと願った
動かない足を置いて
空高く自由に飛びたいと、乞い願う
色さえ知らない
散り散りの魂たちは
空を夢見る
愛の世界
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