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制作日記:孤独をテーマにする事
希望が思い描けないという悩み
詩画集で孤独について自分の作品をまとめ「孤独」というテーマから卒業し「希望」「未来」というテーマでやっていこうと思っていた。
しかし、その明るいテーマに「戸惑い」を感じる自分にここ最近困っていた。
軽い気持ちになれる言葉なのに何か踏み込めない何かがある。
そこで〈なぜだろうか?〉とまた考えた。
「希望」「未来」には戸惑いを感じ、「孤独」には不安を感じない。
年始に描くテーマが消えてしまい、約一年を掛けて自分を掘り下げ新たなテーマを探す事をしてきた。
それは「自分自身の捨ててきてしまった感覚を取り戻す作業」になっていた。
希望・夢・未来・・他人との共通認識の言葉として使っては来たけれど、感覚的に自分の考えが出てこない。
〈何を思ったら希望なのか?〉
〈夢を持つという事はどういう感覚になるのか?〉
〈自分の望む理想の未来とは何なのか?〉
どんなに考えても自分事として思う事が出来ない。
何かを思い描くには、思い描くなりのきっかけが必要だ
何かを望むには、衝動が必要に思う。
思い描いて胸が高鳴る。
理想の未来を描いてアイデアが湧いてくる。
何かが生まれるには「元」がなくてはならない。
新芽が出るには育つ場所「土」が必要なように・・
自分にとっての「元」となる「土」は何なのか?
その「土」を見つける為にまた、更に自分を掘り下げる作業を色彩心理学を学びながら行う事になった。
*孤独感をテーマにした詩画集「孤独の樹海」掲載
希望を描くには孤独が必要であるという事
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「自分の作品は日記のようなもの」
日記とは過去の体験を言葉として記録する行為である。
私にとってはあまり良い思い出はない。
抱えてきた「孤独感」を詩画集を作った時点で手放そうと思っていたのに。
しかし、その「孤独感」を捨ててしまうと私にとっての思い出や過去の記憶をすべて否定してしまい何もなくなってしまう事に気が付いた。
自分が何か「希望」を抱くなら「孤独」が必要不可欠ではないか?
あまりにも受け入れがたい考え方である。
しかし色彩心理学を受講しながら「色」について「自分」の考えをセッションを繰り返し掘り起こす途中である考えに至る。
「自分は孤独感を嫌ってはいないのではないのか?」
自分の孤独感が生まれた出来事は
〈親からの共感が少ない事〉〈安心感の少ない環境で育った事〉
これはトラウマが育つ環境であるらしい。
逃れられない環境のなかで繰り返し辛い出来事に遭うことによるトラウマを複雑性トラウマと言うらしい。
これはHSPカウンセラーの武田友紀先生と精神科医の名越康文先生の対談本
〈これって本当に「繊細さん」?と思ったら読む本~HSPとトラウマの違いを精神科医と語る〉を読んで知った事だった。
特に複雑性トラウマは、心に追った傷が癒えないまま次の傷を受けていくような、大小さまざまなトラウマが重なっている状態という事だ。
ここ最近で〈親からの共感が得られない事〉は自身がHSPであり親との価値観のズレから生まれたものだったと見つけ出した。
〈安心感の少ない環境で育った事〉は親の病気と自身のストレスを感じやすい気質と膝の関節障害を患った事・・一番大きかったのは理解者であろうとした母との死別によるところが大きいと推測した。
色彩心理を学ぶ過程で、どうも私は暖色系が苦手らしい。
好んで選ぶ色は寒色系。
暖色系からイメージされる温度の感じられる言葉に拒否感を覚えるのだ。
情熱・家族・絆・喜び・希望・慈愛etc
「受け入れればきっと心が温かくなり気持ちが楽になるはずだ」それは分かっているのに、受け入れることができない。
毎回受講中にそのジレンマと相対して疲弊する。
なさけないと思いつつ
〈そう感じる自分の感覚を辿って掘り下げる〉
結果・・
「孤独感は家族の思い出である。それを今、否定し無くしてしまうと思い出と自分自身が居なくなってしまう」その思いがあるらしい。
何とも相反する思いと同居しているのだろうと愕然としたが、講師である
小池安雲さんが言うには「そのことに気付けたことが今の正解」であるとの事だった。
人間の心というのはなんと可笑しなものか?
そう認めた時点で気持ちが楽になっているのだから。
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孤独をテーマにする事
セッションや色彩心理学や自身での振り返る作業によって、過去のトラウマや自身の罪悪感によって持っていた感情的な感覚を自分で捨ててきてしまったことに気が付いた。
それに伴い「油彩を描く高揚感」「自分が何をしたいのかという希望」
だんだんと感覚を取り戻しつつある現在です。
仰々しい表現になりますが、そうだから仕方がないのですね。
おかげで数十年ぶりの油絵と向き合おうと下書きや道具を買い直して現在。前回制作日記で「初個展の作品を油彩で描きたい」という希望も出てきたし、ペン画で描いた作品も油彩として新たに描き直したい思いも出てきた次第です。
そして、絵だけではなくこの「孤独感」の経験をnoteで執筆できないかという考えも浮かびました。自分も人の経験を読んで参考にしたりしてきたので、参考にしてもらえるような「孤独との向き合い方」みたいなのを書ければいいかな・・とか。
ペン画や油彩にnote執筆に・・詩画集もつくりたいと・・やりたいことが溢れて大変ですが、やっと「ワクワクしてやりたい事」がでてきたので焦らず丁寧に取り組みたいと思います。
来年でも再来年でもいいので、この絵と文を一緒に発表できればと朧げに思い描いている年の瀬です。
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制作日記
*色彩心理の感想など話しています
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