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制作日記:流れに任せる制作

新たに水彩絵の具で「木霊」と「倒木」を描き始めて数週間。
水彩の描き方をInstagramの国内や海外アーティストから学んだり、YouTubeの動画を見たりして試行錯誤。
自分に合う制作方法と技法を模索しながらの毎日です。
ペン画制作と違う心境や描き方など「変化」できる事は変えようと思いながら日々挑戦しています。

そんな気付きをと制作の記録です。

空はもう秋空です

年始からの9ヶ月の試行錯誤

【水彩画の描き方】
①紙に下書きをする
②薄く下塗りをする
③ぼかし・影つけ
④細かいところを塗っていく
⑤色の濃いところを最後に塗る

調べた基本の描き方

改めて水彩画を描く為に調べてみた事。
自分に合った制作方法、基本的な描き方や絵の具の使い方から細かい事まで、気になる事を調べ試す日々。
水彩画を描いて半年以上の間にだんだんと作業に変化が出てきた。
思いつく限り記載してみる。


①紙に下書きをして、練消しゴムで軽く線を薄くする。
②薄く下塗りをする時は、紙にたっぷり水を含ませて絵の具を明るい色から塗る。
③絵の具を塗り水でぼかして、ドライヤーで乾かしながら「紙の具合」「絵の具」の行き先を観察。タオルやティッシュペーパーで絵の具を吸い取ったりまたは新しい絵の具を垂らして描き込む。
④絵の具のにじみや重なりから【浮かんだ模様】に影をつける。
⑤全体を見て強調したいところを塗る。

2024年10月現在:自身の描き方


「教科書通りにいかない」というのはまさにこの事だ。
年始から9ヶ月以上、失敗と制作経験を経て現在までたどり着いた。
時にはInstagramやYouTubeで配信している作家さんを参考にしたけれど、その通りに行かない事が多い。

ホワイトワトソンSMサイズブロック
前回は吸い込みが早かったが、今回は自分に合っていて一安心😊


思えば【水彩画】に苦手意識がある。
水彩紙の具合と水の偶発的な動き。
「思う通りに行かない」
振り返ると制作を再開してから「水彩画」で出展したのは何枚もないような気がする。その当時にはもう頭に浮かぶイメージが【モノトーン】か【部分的な色】だったので(偶然が重なる)水彩絵の具についていけない。

なぜ、そんな私が水彩画を【主軸】として制作するようになったのか?
今でも不思議な気がしますが、それは日々の生活と考え方が関係するのではないのかなと不意に思ったりします。

身体から湧き出るように、溢れるように【枝】を茂らす
今年の「倒木」

予想外が苦手な性格

2023年までの制作は、ケント紙を使ってのペン画。
【モノトーン】でうかんだイメージをそのままインクで描き起こす制作。
自分の技術もあるが、制作自体は「予想の範疇」で進める事が出来た。

今までの制作日記をを振り返って「過去の自分を振り返る」表現が多かったペン画。
絵の落としどころや意味を持たせる構図に神経を注いで、まるで物語を創作するように絵を描いていたような気がする。
想像通りとはいかなくても、自分の描いたイメージの道を外れる事は怖い。
絶対の自分の世界を崩したくない。
そんな思いを背景に制作していたのかもしれません。

「道から外れたくない」「意外な出来事が嫌い」

思えば生活においても【予想の範疇】が安心できた気がします。
〈予想が出来れば、回避できる〉
昨年も現在も「完璧主義」ではないけれど、ケガや病気、数年の介護もコロナ過での生活もいきなり始まって、流れに押されて四苦八苦して、果ては挫折感と焦燥感がの残り辛かった。
自分の描く世界では「想像通り」か「想定内」が安心して好ましい。
そして、生活は安定した日々と予想通りの明日が安心する。

「自分の描く絵は日記の様なもの」

日々言葉にしている事ですが、生活が制作に影響しているのも頷ける。

水彩画は私にとってハードルが高い。
【紙の具合】もあるので、なかなか予定通りにいかない事がある。
ロットによって紙での絵の具の吸収が微妙に違う。
絵の具と水の分量で乾燥後のトーンが変わってしまうし、にじみ方や混色も思うようにいかない。
「水彩画は経験」
画材店勤務の時に作家さんから聞いた事があるが、なるほどと頷く毎日だ。

「なんで、私は水彩画を描いているのだろう」

今までの作品がほぼ「心象画」であったと気付けたきっかけは水彩画。

ペン画と水彩画の境に何があったのか?
「予想外」が苦手な人が、現在は予想外な絵の具の動きが楽しいと思えている理由は何か?

記録する為に考えた時に一つ浮かぶことがあった。

それが予想外を受け入れるきっかけなのかなと振り返る。

内から何かを思い出して溢れる瞬間。
現在の倒木

*2023年までの倒木の作品が収められた詩画集


とりあえず「こうするべき」は思う通りにいかない

個人的な主観です。
人生、生きてきて「こうするべき」が正しかったことがあまりない。
社会で生きていく為の最低限のルールや節度は守るとしてね。
「こうするべき」や「~しなくてはいけない」は結構、身動きが取れないし視野が狭くなるという事だと思う。

今現在、エッセイを書きながら昔を振り返ると物事を決めつけてしまい見失ってきた事が多かった。一度味わった「痛み」「恐い事」「傷ついた事」をよく覚えているので、次の行動に勇気が出ない。なので、毎回【想定内】の行動しかできてこなかった。

それは、自身の変化を望む事で視野が変わってから気付けた事

どんなに予想しても、人生は思う通りに行かない。
最悪の事態を考えても、想像した通りには訪れない事が多い。

「こうしなくてはいけない」「こうするべきだ」ではなく、「こういう生き方をしたい」と最近やっと思えるようになり制作も変わってきたのかもしれません。

【絵のイメージだけはしっかりと持って、あとは水の動きに任せてみる】という今の制作を人生に例えてみると【生き方の理想をもって、まず行動してみる】という言葉に変換できるのではないでしょうか。

個人的な主観ですが、共感していただけたら嬉しいです。

最近の制作はぺネル張りした画面での水彩画制作。
失敗したら紙を張り直ししなくてはいので、しっかりとイメージを固めてから始めています。
現在、パネルの制作が1枚目なので上手くいけばいいなと思いますね。

しかし、たっぷりと水を含ませた水彩絵の具は予想外の動きをします。
筆やドライヤーで道筋を作っても思う通りには動いてくれません。
昔はここで諦めて辞めていたのですが、今は「何かないかな?」と乾燥を待ちながら作品を観察しています。
そうすると、絵の具だまりが出来ていたところに根の様な濃い部分が出来ていたり、ドライヤーの風で勢いよくのびた絵の具が枝に見えたりしてきて、偶然にできたものが良いものに見えてきたりします。

生命力をイメージして

「想定内」では味わえない「偶然の発見」
それがとても感動できる瞬間でもあります。

水彩絵の具の偶然性、予想しない良い事に「面白いな」と思えるようになりました。
日々、変化する作品を楽しんで制作できればいい
失敗するのはとても怖いですが、この「楽しいな」という経験を増やして、良い絵が描けることを目指しています。

*制作日記(過去の制作日記掲載)

*エッセイ(作品を言葉で読み解くエッセイ)

詩画集




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卯月螢 /心の風景を描く「心象画」
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