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【読書メモ】『シャーロック・ホームズの科学捜査を読む』(著:E・J・ワグナー / 訳:日暮雅通)

警察でのDNA型鑑定は、平成元年に科学警察研究所で始まり、警視庁の科学捜査研究所(科捜研)では4年9月から導入された。15年にはSTR型検査の導入で識別率が大幅に向上。18年には16の遺伝子などが存在する染色体上の場所(座位)からDNA型を特定する検査が導入され、「4兆7千億人に1人」の確率で個人識別が可能になった。

出典:「DNA型鑑定始まる 捜査に大きな役割(警視庁150年 91/150)」
(『産経新聞』2024年10月16日)

科学捜査というと「DNA鑑定」を最初に思い出すくらいな素人ですが、そのDNA鑑定が始まったのは平成元年(1989年)と、思ったより歴史が浅いのですね、、「世田谷一家殺害事件(2000年)」などでもDNA型を検出できた、なんてトピックを見た覚えもありますが、、

今現在においても解決には至っておらず、いわゆる「未解決事件」となっているといった感じでしょうか、、なんて『シャーロック・ホームズの科学捜査を読む』との一冊を思い出しながら。

ホームズの物語は発表されてから100年が過ぎていますが、そちらの舞台は「19世紀から20世紀初頭のロンドン」で、同時代を扱っていました。そしてこちらは、その時代の欧州での科学捜査について検証をまとめた内容となります。

その項目は多岐にわたり、「解剖学」「迷信・魔犬伝説」「博物学」「毒物」「変装」「指紋・足跡・埃」「銃撃」「筆跡」「血液」などなど、様々な角度から当時の操作手法について言及しています。

いわゆる「正典」と実際に起きた事件を並べているので、イメージしやすく、ホームズの物語はあくまで架空(フィクション)ですが、当時のイギリスの風俗・世相が垣間見えるようです。

著者のドイル自身、実際に事件を解決したこともあったそうで、その広範な知識がうかがえるなぁ、、なんて風にも。ホームズに慣れ親しんだ方はもちろんのこと、未読の方も、きっかけの一つとして面白いかと。

個人的には、当時のイギリスの質感を感じることが出来、“よい小説は時代を映す”とのことをあらためて実感させてくれるなぁ、なんて感じたのを覚えています。

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