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【雑感】「本を読むのは手段」との割合が多そうで、その目的に寄り添えないと街の本屋さんも先細りかな、と。

日本最大規模の学生街、東京・早稲田から一般書店が姿を消すことになった。電子書籍やネット通販の普及の波にあらがえず、唯一残っていた文禄堂早稲田店(東京都新宿区)が9月16日で閉店することが今月初旬に告知された。同店では早稲田大学の出版サークルの刊行物を取り扱っていたこともあり、早大生の間では落胆の声も広がる。都の西北でさまざまな発見を提供してきた「知の拠点」の喪失は、近隣の学校や会社に通う多くの人に少なからず影響を与えそうだ。

出典:「最大級の学生街、早稲田からついに書店消える 早大生も落胆「出版物売る所もなくなった」」
(『産経新聞』2024年8月16日)

今の職場近く、早稲田大学は大隈講堂の近くにも一つ成文堂書店が看板を出されていた気もしますが、どちらかというと早稲田大学向けの代理店的な要素の方が強いのかな。

外回り時などに外観を見かけるだけで店内に入ったことは無いのですが、、早稲田さん、生協系の書店が各キャンパスに入っていた気もしますが、選択肢が多いのはいいことかなぁ、なんて思いながら。

(撮影:2024年8月23日 @ 早稲田)

早稲田周辺よりにぎわいのある高田馬場であっても、近年は老舗の芳林堂書店が破産し、書店チェーンのブックファーストの店舗が閉店に追い込まれるなど書店を取り巻く環境は厳しい。

出典:「最大級の学生街、早稲田からついに書店消える 早大生も落胆「出版物売る所もなくなった」」
(『産経新聞』2024年8月16日)

また高田馬場まで足をのばせば(早稲田から徒歩10分程)芳林堂さんはそれなりの規模(2フロア)で営業されてますし、、「街の本屋が無くなる!」と単純に煽るだけではなく、もうちょっと書き様はないのかな、、

というか、産経さん、ちょっと印象操作が過ぎませんかね。朝日さんや毎日さん、東京さんと同じ穴に入りたいなら止めませんが、、もうすこし丁寧に追いかけてほしいところ。

斎藤健経済産業相は23日、都内で書店の視察や書店経営者との意見交換を行い、「今夏をめどに(書店振興に向けた)課題を整理する」考えを明かした。ネット通販の普及などによって全国で書店の閉店が相次ぐ中、書店の経営課題などを取りまとめ、政府としての支援策を検討する。

出典:「「書店減れば国力弱まる」閉店相次ぐ中、斎藤経産相が都内で視察 振興へ今夏に課題整理」
(『産経新聞』2024年7月23日)

なんて、先日のこちらの齋藤健先生の記事を思い出しながら、、そろそろ何かしら具体的な方策でもまとまってくるのかな、なんて考えながら見ていたのですが、、(そういや産経さん、齋藤健先生のお名前間違えてませんか?)。

今、街の本屋さんがどんどんなくなっていっています。全国で年間500店舗も。さいとう健が住んでいる南流山でも、近くの宮脇書店さんが閉店しました。

フランスでは、街の書店が減ることをフランス文化の危機ととらえ、立法化を含め様々な対策を講じています。さいとう健も、街の本屋さんがなくなるのは、人々の知識の劣化につながり、我が国の文化や国力の衰退につながりかねないと強く思っております。

出典:「街の本屋さんを何とかしたい!!」
(「さいとう健 Official Site」令和4年2月3日)

齋藤先生、以前から「街の本屋さん」への問題意識はお持ちだったようで、フランスの読書教育なども題材に挙げられておられます。フランス、先日の五輪ではどうしようもなくアレでしたが、「読書教育」との視座では学ぶべき点は多いかな、と個人的には(アレな方向に変容してないといいのですが)。

街の書店の経営が苦しくなってきている要因は、様々ありますが、二つだけご紹介します。

一つは、再販価格制度の問題です。書籍は、出版社が定価を設定し全国一律で販売する制度となっています。これは、地域によって価格に差が出ることなく同一価格で国民が書籍を手に入れることができるようにし、出版文化の振興につなげようというものです。ところが、アマゾンなどによる書籍のネット販売が、送料無料にしたり、高額のポイント還元によって、この同一価格という大原則が崩れ、街の書店の経営を圧迫しているという現実をどうするか。フランスでは、送料無料を制限する立法化を行っていると聞いています。

出典:「街の本屋さんを何とかしたい!!」
(「さいとう健 Official Site」令和4年2月3日)

個人的には、「送料無料という要素(厳密には無料ではなくサブスクに近いものですが)」以前に、先ずは「欲しい書籍(情報)へのアクセスの利便性」を求めるかな、と思います。

いわゆる「読書好き」であれば"セレンディピティ"に期待した街の本屋さんの散策も楽しむでしょうけど、それは少数派だろうしなぁとも思いますので、そうすると「目的のための読書(というか情報収集)の環境」をどう提供していくのかになるのかな、とか、図書館との棲み分けを意識しながら。

もう一つは、図書館にかかわる課題です。図書館では来館者を増やす観点から、新刊本を大量に入手するケースが増えています。例えば、新刊本を各図書館で50冊も取りそろえられたら、その新刊本は売れなくなり、書店に影響が出るばかりでなく、作家などへの著作権収入が減少し、作家活動を続けられなくなるということにもなりかねません。図書館で本が読めるということは素晴らしいことですが、一方で、作家を圧迫するような結果になっては、そもそもいい本が作られなくなることにもなります。この辺も何とかならないかと。

出典:「街の本屋さんを何とかしたい!!」
(「さいとう健 Official Site」令和4年2月3日)

その図書館における「複本」の課題は昔からありますが、読書への入り口としての機能は街の本屋よりは高いと思うのですよね、、お試しといった観点からでも。

一度読めば十分、再読はしないだろうと思えば「手放し」ますし、繰り返し再読したい、資料として使いたいと思えば「手元に置く」と思います、漫画であれ小説であれ何であれ。

そういった意味では、週刊誌などでチラ見せしてコミックスの形で、新聞の連載小説が文庫との形で、なんて風に昇華されていくビジネスモデルはある意味整合性がとれているのかなぁ、と。

また三昔前くらいであれば、余暇の手段として「活字(書籍)」に触れることがそれなりの割合を占めていたと思いますが、今の世の中は個々人の趣味嗜好が多彩になり(多様性ですネ!)、また情報端末としても、二昔前はラジオ、一昔前はテレビ、今ですとインターネットの後塵を拝する流れとなっている以上、「街の本屋」も旧来のままに「紙の書籍」だけを扱っていても先細りは変わらないだろなぁ、、とは思います。

「読書が目的の読書好き」ではなく、「読書はあくまで手段で情報を必要とする人」へのレファレンスは、司書でも書店員でも同様に求められると思いますが、、こちらの齋藤先生のご提言、一見するだけでは街の本屋の、時代からおいていかれそうな古い既得権益を守ろうとしている風にもとれてしまいますが、さて。

斎藤健経済産業相(65)=衆院千葉7区=が23日夕、経産省内で記者団の取材に応じ、9月の自民党総裁選に出馬する意向を固めたことを明らかにした。「総裁選を目指す決心をした。私の憧れた自民党を何としても取り戻したい。その先頭に立ちたい」と述べた。

出典:「斎藤健経産相、総裁選への出馬の意向固める 「私の憧れた自民党を取り戻す」」
(『産経新聞』2024年8月23日)

そんな齋藤先生、総裁選へ出馬されるとの事で、これはこれで楽しみです。今夏には出されるとお話しされていた「街の本屋さんを救う提言」とあわせて、個人的にも応援したくなる要素が増えてくれるとよいなぁ、なんて思いながら。

ふと思ったのですが、オンラインで注文した書籍を地元の本屋で受け取れて、ついでにカフェでも併設されていたらそこで一服、なんて流れができるのであれば、定期的に活用させていただくかなぁ、なんて。

これは余談ですが、媒体として「紙のみ1,000円」「電子のみ1,000円」「紙プラス電子で1,500円」とかの区分だったら「紙プラス電子で1,500円」を買うだろうなぁ、、と。また「紙媒体」を持っていたら図書館から「電子書籍版」を借りれるとかだったら嬉しいなぁ、なんて風にも思いました、オンライン申請とかで。

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