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【読書メモ】『レインツリーの国』(著:有川浩)

ここ最近SNS(「X(旧:Twitter)」や「note」など)での読書系アカウントへのフォローを意識的に増やしているのですが、自ずとTLも読書系ポストが増えてきています。

そんな中、少し前に流れてきたのに感化されて久々に『レインツリーの国』を再読をしてみたくなったりも。こういった形でトリガーをいただけるのもありがたいお話だなぁ、なんて思いながら。

さてこちら、有川さんの「図書館戦争シリーズ」からのスピンオフになるのでしょうか。正確には第2弾『図書館内乱』の劇中で出てきた架空の小説を新しく書き下ろした形で、物語の舞台は2000年代前半といったあたりかな、チャットルームとか今見ると大分懐かしい概念。

大枠で言ってしまえば、後天的な聴覚障害を持つ女性と、とあるトラウマを抱える健常男性の恋物語といった所ですが、その聴覚障害にいろいろと突っ込んだ描写だよな、、とあらためて感じました。

それなりに年も食ってるので、大なり小なり、いわゆる障害者の方との接点もありますが、その中で幾度か覚えた違和感も含めて、それなりに納得できる描写が多かったのも思い出しました。

痛みにも悩みにも貴賎はない

出典:『レインツリーの国』

この一言に集約されていると、そう思います。

そして、前段の『図書館内乱』での「障害を持ってたら物語の中でヒロインになる権利もないんですか?」とのフレーズ、この部分でシンクロしている感じはやはり上手いなぁ、とも。

そういえば「図書館シリーズ」がアニメ化された時に、聴覚障害者が出てくるからとの、それだけの理由でこの『図書館内乱』のエピソードを元にした「恋ノ障害」が地上波では放映されなかったとの話がありました(販売用のDVDには収録されていたようで、今だとアマプラでも観れるようです)。

私はリアタイではなく、追いかけでレンタルしていた覚えがありますが、そちらでも省かれていた記憶があり、これこそオールドメディア群による「差別」や「言葉狩り」ではないのかと背筋がゾッとした覚えがあります、事実は小説より奇なりとはよく言ったもの。

『図書館戦争』シリーズは、2008年にテレビアニメ化されたが、この原稿において取り上げたエピソード「恋の障害」は、『図書館戦争』がアニメ化された際に放映されなかった(DVDには収録されている)。障害者を描くこと、伝えることについての難しさを考えさせられるエピソードである。

出典:「文学にみる障害者像-有川浩著『図書館内乱』」
(月刊「ノーマライゼーション 障害者の福祉」2011年11月号)

その時から10年以上が過ぎ、障害者を取り巻く環境に多少の変化はあったのでしょうか、、少なくとも今年のパラリンピックの放映状況などをみているとあまりそうは感じられませんが、、うーん。

それはそれとして、以前に読んでる最中、傍らでドラマを見ていたはずの家内に「気持ち悪いくらいにニヤニヤしてるんだけど?」と突っ込まれた覚えも、、青春菌合戦が羨ましかったのかなぁ、有川節な恋愛小説が好みなら大丈夫と思います『阪急電車』系統な。

と、実写映画にもなっていたのですね、こちらアマプラに来ているようだったらどこかで見てみようかなぁ。

にしても、チャットルームとはまた懐かしい、と思いながらも、人間関係を構築していくにあたり、最初は程よい距離感は大事なんじゃないかなぁ、なんて思ってしまう世代です。今の時代は、タイパ?とかで、即レスが求められる時代っぽいですが、自分一人で悶々と考える時間があるからこその、、なんて風にも感じながら。


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