見出し画像

初ルポ! 潜入!出会い喫茶~潜入編~

今は2022年の7月。此れを書いている時期はコロナ第7波に突入しているが潜入したのは第7波の直前であったことを申し上げたい。

上野のアメ横は高架線の横をなぞるように走っている。
ミリタリーの古着で有名な中田商店や乾物屋、一本逸れると摩利支天を祀る徳大寺の目の前に二木の菓子がある。最近はケバブ屋や中華屋台の店が乱立していて昔のアメ横しか知らない人は驚くかもしれない。
出会いカフェキ○リはアメ横とほぼ平行して走っている通り沿いにある。ちょうど上野と御徒町の真ん中あたりだ。
目の前は靴屋である。若い男女の店員が働いておりすごぶる店に入りにくい。
入口はすぐにわかる。結構派手な立て看板がおいてあり、そのすぐ横の細くて急な階段を上ると受付になっている。
雑居ビルの細い階段は不穏な空気を醸し出す。
急な階段を速足で駆け上がる。
2階に入るとカウンターと雑誌のラックが目に入る。
昔のマンガ喫茶のようだ。
「いらっしゃいませ」
きちんとした身なりの店員が明瞭に言った。30代くらいの中肉中背。カウンターの奥にもう一人店員がいるようだ。
「はじめてなんですけど。」
そう告げると、キャバクラのボーイによくいるタイプの店員は丁寧にシステムを教えてくれた。
「はい。じゃあこちらを見て下さい。まず入会金が2,000円」
「あ。ネットで見てきたんですけど、これ使えます?」
スマホで割引のページを見せる。
「ああ、じゃあ入会金は1,000円です。で、入場料を2,000円いただきます。このプロフィール用紙に簡単に自己紹介を書いてください。
それで3階に上がってもらって、マジックミラーになってますから、ええ。
女の子を見ていいなと思ったら店員に言って下さい。」
「2階に降りるんですか?」
「大丈夫です。3階にもスタッフがいますから。女の子の番号を言ってもらったら2階に降りてきてください。そしたら案内します。」
店員はそういうと目線を横に向ける。つられてその方向を見るとちょうど2人くらいしか座れないスペースが3~4エリアあり、それぞれカーテンが閉まるようになっている。椅子はファミレスによくある背もたれのある椅子だがそのスペースは照明がなく薄暗い。しかも座ると目の前が壁だ。50㎝先が壁だ。恐らく男は奥に座ってその横に女の子が座るのだろう。空間設計が完全に横を向いて会話するようにできている。
「では会員登録をしますね。」
そういわれた僕は財布から3,000円を取り出して店員に渡した。
会員登録は簡単だった。カウンターにあるQRコードを読み取ると携帯番号を入力する画面になる。で、携帯番号を入力して終了だ。簡単すぎて逆に怖い
「はい、ありがとうございます。では確認させていただきますね。」
店員が手慣れた手つきで電話を掛ける。すぐに僕のスマホが震えた。
「OKです。あ、あと出入りは自由です。今日であれば他の店舗も入れますよ。」
「え。そうなんですか?でも他の店舗に行ったらどうすれば?」
「ここみたいにカウンターにQRコードがあるから読み取ってください。で、携帯番号を入力すると、ほら、この画面をスタッフに見せれば大丈夫です。」
たしかに、スマホの画面には入場券のようなものが表示されている。
なるほど。
「ありがとうございます。で、あそこのスペースで話して女の子と外にでる場合は?」
「2,000円いただきます。先に店の前まで降りて下さい。間もなくしたら女の子が来ますから。」
「そのあとは?」
「そのあとは、お好きにしてください。」
多分、その時の僕の顔はバカみたいな顔だっただろう。
そんな僕をバカにすることなく丁寧に教えてくれている。
とても対応がいい。
「ちなみに女の子とは何回でも話せるんですか?」
「ええ、一回10分ですが何回でもできますよ」
「同じ女の子でも?」
「え?ああ。あまりそういうことはないですけど、女の子の了解があれば2回まではいいですよ。」
ちょっと的外れな質問みたいだった。しかし、大体のシステムは理解したつもりだ。機は熟した。
「よくわかりました。ありがとうございます。えっと、階段は。」
「今いらっしゃった階段でもう一階上がって下さい。」
「どうも。」
僕は笑顔で軽く頭を下げるとさっき来た階段へ向かう。
入口から受付へ続く階段は3階へも同じ傾斜で続いていた。
僕は少し緊張しながら3階へと向かっていった。



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?