第1351回 2022年の歴史ニュース その3 展示公開編
1、あともう一息で
流行病のための外出自粛もようやく最終日となりました!
さて、歴史ニュースの2022年まとめも3回目となりました。
今回は展示公開情報10件。
例によって個人的にグッときた内容の展示会の情報を集めたので、偏りがあるかと思います。
ちなみに昨年はこんなのを選んでいました。
2、2022年の10大展示会
①佐賀県多久市郷土資料館で世界で唯一、同館に全巻がそろっている「繪像水滸傳」を展示
②福島県会津若松市の会津図書館が所蔵する古文書、絵図などの歴史資料をデジタル画像にした「市デジタルアーカイブ」を公開
③京都市考古資料館でNHKの大河ドラマ、「鎌倉殿の13人」の関連展
④奈良県田原本町は唐古・鍵遺跡から出土した絵画土器などをインターネット上で紹介する「唐古・鍵バーチャルミュージアム」を令和4年度に構築
⑤東京国立博物館が2022年3月に創立150周年を迎え、4月1日から「創立150年記念イヤー」に
⑥新潟市の新潟医療福祉大で学内に「自然人類学研究所」を開所
⑦東京都千代田区の国立公文書館で沖縄本土復帰40年を記念した特別展
⑧福井県福井市の市立郷土歴史博物館で特別展「みんなで選ぶ!博物館の宝」を開催
⑨宮崎市の県総合博物館は文化財を食べる害虫の標本と、被害を受けた文献を一緒に展示
⑩東京都新宿区の平和記念展示資料館でシベリア収容所をCG再現
3、博物館悲喜交々
デジタル博物館はいま真っ盛りですね。高崎市や藤岡市でも同様の取り組みが紹介されていました。
一つの自治体、博物館で導入すると近隣も負けじと導入する、という流れになっているのでしょうか。
公式YouTubeを積極的に更新していく博物館も多くなりましたね。
博物館関係者の仕事が多様化して、より多忙になってしまうのではないか、という心配もありますね。
データベース的な写真公開から、動画配信、一歩進んでVRなどで臨場感が出るコンテンツの公開と幅はまだ広いですが、大きく括れば「デジタルミュージアム」。
どこまで進んでいくのか、流れに乗れない博物館は淘汰されてしまうのか、今後も注目していきたいところです。
そして今年はNHK大河ドラマの影響で各地で関連展示がありました。
大河ドラマが面白すぎると、創作部分と史実に近い部分の境界が曖昧になってしまうことを懸念する向きもありますが、
やはり間口を広げることはジャンルの盛衰に関わってくるので、
私個人は娯楽は娯楽として楽しみつつ、区別すべきことを明確にする姿勢を変わらず持ち続けていたいです。
そして東京上野の国立博物館では創立150周年ということで所蔵している「国宝」を全て見せる!という企画で話題になりましたが、オンライン予約のみとしたため、ちょっとした騒動になっていましたね。
これも世相の反映として今年を象徴する話題ではあったかと思います。
新たな公文書館の開館など明るい話題がある一方で
閉館の悲報も数多く目にしました。
まずは資料の散逸が防げるよう、後継館が見つかることが最優先ですね。
そして何より博物館は体にいい!という研究が進んでいるのが最大の光明です。
今後も文化財の展示公開に関する話題を集めていきたいと思います。
本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。