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筋肉版“鶴の恩返し”こと『セントラル・インテリジェンス』
イジメ、カッコワルイ。などと声高に叫んだところでイジメがなくなるわけもなく、今日もどこかで辛い思いをしている人がいるのでしょう。この時忘れてはならないのは、イジメを受けた者はその事実を忘れることはない、ということ。今回は、映画で学ぶ道徳の授業と題して、明るい『ヒメアノ~ル』でおなじみ『セントラル・インテリジェンス』をご紹介します。
高校時代は1番の人気者だったが今は冴えない会計士を営むカルヴィンの元に、当時肥満でいじめられっ子だったロビーから会いたいと連絡が入る。渋々会いに行ったカルヴィンの前に現れたのは、筋肉隆々に成長したロビー(演:ドウェイン・ジョンソン)で、しかも彼はCIAエージェントにまで登りつめるも同僚殺しの濡れ衣を着せられ、組織から追われる身になっていて―。
【ドウェイン・ジョンソンという“萌えキャラ”】
あらすじだけで100点のこの作品、なによりも目につくのが主演:ドウェイン・ジョンソンのキュートなハニカミスマイルと人間離れした筋肉の存在感。ザ・ロックとしてプロレス界で猛威を振るい、今では『ワイルド・スピード』シリーズのホブス捜査官役を筆頭に俳優としても大ヒット。その優しげな顔立ちと説明不要のマッスルでファンの心をサソリ固めして離さないナイスガイが、ドタバタコメディに挑戦した本作。
それにしても今作のロック様はロック様史上最もカワイイ、ハッキリ申し上げて“萌え”の対象と言っても過言ではありません。今年の公開作で比較するなら、『ブレードランナー2049』を観たボンクラ男子全員が恋に落ちたであろう“ジョイたん”に匹敵する萌え度合いです。
ロック様演じるロビーは、高校時代のスターだったカルヴィンを今でもリスペクトしており、彼と並んで歩いて、秘密を共有できることにこの上ない喜びを感じており、それが常時顔から滲み出て止まりません。自らの容疑を晴らすためにカルヴィンに近づいたと語るロビーですが、実のところそれは建前でただカルヴィンと冒険をしたかっただけ。
そんな想像が膨らむほどに、無邪気であどけないキャラクターを嬉々として演じきっています。いかにしてロビーがカルヴィンを慕うようになったかは高校時代のある事件に由来しているのですが、20年越しに出来た親友を前にニヤケ顔を抑えられないロック様に、激萌えでございます。
もちろん、CIAエージェントとしての強さと頼りがいも持ち合わせており、どんなにピンチに陥ってもカルヴィンを必ず守るその姿に、女子も胸キュン間違いなし。可愛くて強いロック様、という新境地を開いた革新的な作品として、本作の名は永遠に刻まれるでしょう。
一方のカルヴィンにとっても、ロビーの存在は退屈な日常に舞い降りた突然のスパイス。初めは命の危機を感じ逃げ出そうとするも、自らを親友と慕うロビーを助けるため、危険な逃避行に足を踏み入れていきます。その過程で、カルヴィンもかつての輝かしい過去といかに向き合うかを試され、スクールカースト正反対の二人がその実同じ悩みを抱えていることが示されます。
カルヴィンを演じるケヴィン・ハートとロック様の相性も抜群で、嫌味がなくテンポの良いやり取りが心地よく、観ていて不快感がありません。バディものの王道たる凸凹感は皆無で、コンビの決裂からハラハラが生じることがなく一辺倒な印象も受けますが、このぬるま湯感が二人のいい人オーラを際立たせます。あの『ジュマンジ』のリメイクでも共演が決定しており、こちらも期待が高まります。
【ドウェイン・ジョンソンという“教科書”】
“筋肉が服を着て歩く”を体現するロビーですが、唯一勝てないものが、イジメの記憶そのもの。捜査の過程で当時のイジメの主犯格と再会するロビーですが、屈辱的な扱いを受けても体が強張ってしまい、言い返すことも出来なくなってしまいます。いくら筋肉をつけたところで、かつての痛みを隠し通せるわけではない。イジメによって受けた心の傷は、20年経っても彼を苛みます。
しかし本作は、その痛みを乗り越えられる、ということも描き出します。クライマックス、高校の同窓会という最も避けたいはずの場所で、ロビーはとんでもない行動に出ます。しかしそれは道化を演じるためではなく、過去の自分を塗り替えるためのポジティブな行動です。さらにロビーは、他人を見た目で判断しない誠実さも持ち合わせており、その性格が報われることを本作は謳っています。自分に自信を持つこと、自分を案じてくれる友を持つこと。言葉にすると陳腐に聞こえかねないものの、その尊さを真正面から描く本作は、清々しい結末で幕を引きます。
【最後に】
コメディタッチながらも地に足の着いた、教育的な側面のある質の高いバディアクション。残酷表現もなく、広い世代に薦めたいところですが、公開劇場館数が非常に乏しいため観る機会に恵まれない惜しい一作です。可愛すぎるロック様に萌えるも良し、道徳の授業に使うも良し、弱った心を奮い立たせる観る栄養剤としても楽しめる、隠れた良作です。
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【こっちも読むといい】
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