自分を労ることを覚えたい。〜2022年とぼく〜
今年もあっという間だったね〜とは毎年言っている気がするが、個人的には過去最速、「今世紀で最速の年」、「10年に1度の速さ、近年にない早すぎる経年」とボジョレーじみたキャッチコピーがつくレベルであっという間だった。あっという間すぎて自分の誕生日のことすら忘れ、日曜日のオフィスで友人からのLINEを見てそのことを思い出し、慌ててコンビニでケーキを買ってそれで胃もたれするくらいには、もう「若さ」とは無縁になったらしいと気づく。
ただそれでも、大きな病気もせず年明けを迎えられるのは、幸せなことだ。去りゆく年に後悔がないかと言われれば断じて否だが、年末年始くらい自分を甘やかしてあげても神も怒りはしないだろう。なのでちょっとばかり、苦労だらけの一年を笑い飛ばせるように、今思い出せることを書き出してみようと思う。※ほぼ無料で読めます。
労働のこと。
今年、「よく働いたな」とは本当に思う。ただそれは売上を伸ばすためだとか自分のキャリアアップだとか、そういう前向きなモチベーションではない。身バレしないようボカしはするが、「上司の入院」と「遅れてコロナが大流行」の二つが悪魔合体したためによるしわ寄せを、ただ喰らい続けただけのことなのだから。
ゆえに、4月以降は常に人手不足の部署をフォローし、溜まった自分の仕事を土日のどちらかを犠牲にして片付ける、みたいなことが日常化していた。なにせほとんどの社員が「子供が陽性で濃厚接触→自身も陽性に」のコンボで自粛期間が伸び続け2週間不在、なんてことが立て続けに起こり、フルメンバーが揃う瞬間の方が少なかったぞ!?という印象である。その上で直属の上司が入院し、そのタスクも分散されて残存する社員に伸し掛かってくる。誰もが疲弊し、死屍累々の言葉が相応しいくらいに現場が崩壊した瞬間さえもあった。
これは昨年のツイートだが、こんな冗談が飛び交う程度には平和だったのだ。今年はとにかく余裕がなく、ミスも増え、仕事のパフォーマンスの低下を身にしみて実感し続ける、そんな日々だった。
ゆえに仕事納めも際も一人欠員のまま粛々と行われ、自分ともう一人の若手だけが翌日に半日の休日出勤をしてなんとか終わらせる、みたいな〆だった。目標だったデスクの片付けは一切手つかずで、来年の自分のために書いたtoDoリストの付箋の、その字の汚さが怒涛の一年を物語っている。
それでも、残業代や休日出勤手当で多少懐は潤いもした……が、結局のところ所得税の通知を見て後日青ざめることになるだろうし、数字だけで部下の力量を判断なさるお上は弊のことを苦々しく思うだろう。まぁ何か言われたら言い返せるくらいのネタは集めてあるので、賞与が出る月まではふてぶてしく居座ってやってもいいが????の精神でやっていこう。
これは納得いってない・オブ・ザ・イヤーです。
映画のこと。
労働で余暇時間が圧縮されると、犠牲になるのが映画だ。話題作の移り変わりが激しく、「今週はキツいから来週観に行こう……」をやっていたら翌週には終わっていた、なんてことが頻発し、出会えなかったフィルムや無駄にしてしまった前売り券の数を数えたら小柳ゆきも流石に同情して一曲歌うかもしれない。
とくに悔しかったのは『グリーンバレット』やいつの間にかIMAX上映が終わってしまった『NOPE/ノープ』、『マッドゴッド』に推しの最新作『ハーティー 森の神』を観られなかったことだ。今年はトム兄ィが「映画ってさァ〜〜〜映画館で観るモンなんだよなァ〜〜〜〜〜〜〜」っとジェットエンジンで殴りかかってきた一年なのに、その精神に反するような過ごし方をしてしまい、身を正す思いでいっぱいだ。
それでも、自分なりにベスト10を決めれたので、今はスッキリしている。テーマや一貫性はないかもしれないが、「狂い」の度合いだけで順位をつけてみると、なんだかとっても個性が浮かび上がるな、と思った次第だ。
ソシャゲのこと。
労働が忙しくなるとしわ寄せを喰らうのが、主にソシャゲだ。今年はとにかく『アイドルマスター シャイニーカラーズ』をサボりまくったし、『プロセカ』に関してはシナリオイベントの供給ペースについていけなくなったことをハッキリと自覚して、半ば凍結状態だ。
ときおりTLに流れてくる公式ツイートやファンアートを見て「おっ」となっても、アプリを起動してログインボーナスを受け取る、そんな1〜2分の動作ができないくらいには疲弊していた。また、シャニマスもプロセカも、そのシナリオの完成度やキャラクター描写には多大な信頼を置きつつ、ゆえに「読むために必要なカロリーが高い」がために、体調いい時に読むネ……を繰り返し負債が溜まり続けている。せめてニーゴだけでも、ストレイライトだけでも逃さず追おうという気概はあるが、ニーゴに関しては未読のシナリオが二つあって、本当に申し訳ない限りだ。
シャニマスに関しては、今年書いた記事はたったの三本、という体たらくだ。それ以外にも書きたかったことはたくさんあるはずなのに、その残骸は「下書き」という名のゴミ箱に眠っていて、日の目を見ることはない。シャニマス経由でtwitterやnoteをフォローしていただいている手前、その期待に応えられず、ただただ歯がゆい思いだ。
そういえば「今年読んだコミュベスト10」みたいな記事も考えたりもしたが、そもそも引けなかったカードの枚数を考えれば総括するのも烏滸がましい、みたいな感じで下書きを消してしまった。わりと熱量を注いだはずなのに、一過性でこういうことをすると、マジで後悔する。
じゃあせめてベスト1は何よ?というと、もう実際のところ、2022年の覇権コミュは『YOUR/MY Love letter』で相違ないでしょ、みたいなところがある。ハッキリいって完成度、刺さる度では過去を置き去りにするレベルでダントツ、シャニマスのこれまで成し遂げてきたことのさらに「その先」を描かんとする姿勢に、ただただ泣きじゃくることしか出来なかった。今後、シャニマスを薦める際はこのコミュを押し付けてやろうと思うくらいの、圧巻の一言が相応しい傑作シナリオだ。
その素晴らしさについては、以上の二つの記事から、シャニマス未プレイヤーの方にも察していただければと思う。いやもうホントに凄かったんですよこの話。ちょっと思い出して今泣いてるもん俺。
アイカツ!のこと。
2022年を振り返る上で、『アイカツ!』のことは避けて通れない。21年に『スターズ!』から始まったぼくのアツいアイドル活動は、歪すぎる履修順を経てようやく、『オンパレード!』の完走をもってエンドマークを打った。
7月公開の『劇場版アイカツプラネット!/アイカツ!10th STORY ~未来へのSTARWAY~』に向けて大急ぎで無印とプラネット!をやり、その後のんびりフレンズ!観て、そしてオンパレード!へ。これだけ話数の多い長寿番組の、10年の歴史を駆け足で追ってきて、一番最初に思えたのは「アイカツ!が好きだ」という素直な気持ちだ。
アイカツ!はいい。数年前から言われ続けたことだけど、今ではその想いが手にとるようにわかる。夢に向かって努力することの大切さ、挫けた時にどう立ち直るか、あるいは思いっきり悔しいとか悲しいという気持ちを吐き出すことの必要性、ドレスやステージに込めた想い、ファンや友達や家族を大事に抱きしめたい気持ち。言葉にするとありふれた綺麗な言葉たちを、てらいなく真正面から描き続けてきたアイカツ!は、本来のターゲットから外れたはずの成人男性にも響くものがあった。
ハッキリと言えば、本当に「救い」だった。アイカツ!が観たいから仕事を頑張ったり、泣きたいくらい辛い日は「START DASH SENSATION」に助けられたりした。アイカツ!で出会ったフォロワーからたくさんのものを受け取った。先輩方が紡いできたSHINING LINE*の先に自分がいて、受け取ったバトンはしっかりと手の中で輝いている。
先日、嬉しいことがあった。複数のフォロワーが、『アイカツスターズ!』を観てくれた。誰かがスターズ!に触れる瞬間をツイートごしに感じることができて、まさかこんなに自分の心が満たされると思わなかった。
また、日頃仲良くしていただいている虎賀れんと氏(@Le_Soya)が、自分のレコメンドをきっかけに『スターズ!』視聴に挑み、13話までの時点で1万字に及ぶ熱量のブログを投稿されている。今年、公私合わせた「一番いい仕事」を何かと問われれば、ぜったいこれになる。
れんとさんのようにブログをされている、いわば「アウトプットが上手な人」にスターズ!を観ていただけるのは本当にありがたいし、薦められたからを超えてその人にとって「大切な作品」の棚にスターズ!が並ぶとすれば、これ以上の達成は今の自分には思いつかない。
それに、自分が誰かにアイカツ!を教える側に、SHINING LINE*のバトンを渡す側になれたことに、とてつもない感動が押し寄せている。
自分の好きな作品に他人が触れてくれる。twitterやnoteをやっていてそういう瞬間に巡り合うことは度々あるけれど、こと『アイカツ!』となればそこに特別な意味が産まれてくる。アイドルから輝きを受け取り、それを伝播する役割を果たせたのだとしたら、それが自分にできる唯一のアツいアイドル活動であり、その成就はかけがえのない喜びだ。そんな機会をくれた氏には改めて感謝したいし、アイカツ!を薦め履修を応援してくださった全ての方々にも、お礼を言って回りたい。ありがとうございました。
長文・オブ・ザ・イヤーです。
noteのこと。
ありがたいことに、noteのフォロワーが4万人を超えました。
「金で買ったフォロワー」「半分がbotか情報商材アカウント」を煽られ続けましたが、継続は力なりがこうして実を結ぶことが人生でほとんどなかったので、これはありがたいことです。いつもお世話になってます。
5年前にアカウントを作り、ちまちまと物書きをやってきて、『バーフバリ』でネットの膨大な海の中から拾っていただき、その後なんやかんやあってたくさんの方に読んで頂けている。プロのライターでもない素人の長文をありがたく召し上がって頂けて、ずっと憧れてきたブロガーの方々の背中が薄ぼんやり、輪郭が見えるかな?くらいの位置にまで登ってこれたかな?と今日くらいはドヤ顔をしてみる。
先日、これまた仲良くさせていただいているかずひろ氏(@kazurex1215)主催の『今年イチオシの自ブログ記事をプレゼンするスペースin2022』の末席に加えていただき、今年の振り返りの機会を頂戴しました。詳しくは以下のまとめブログをお読みいただきたいのですが。
2022年に一番読まれた記事は『仮面ライダーオーズ』、書いて良かった記事に『RRR』を選出いたしました。作品の話題性を間借りして沢山の方にアクセスいただいたこの二つですが、前者は多いに悩み時にキレながら、後者は溢れる想いと興奮をキーボードに叩きつけた、拙いながらに愛おしいこの二つをピックアップしてお話しております。
この二つに加えて、「読み返して『この人……天才??????』と思った自画自賛記事」を二つほど紹介させてください。
昨年末から遊び続けていた『ダンガンロンパ』シリーズの最終章にして異形の完結編『V3』について。10代の少年少女が殺し合いを強要されるというシリーズの骨子の部分にメスを入れ、それをゲームとして興じる「私たち」に目を向けた本作は、ほとんど反則のやり方で自己言及に至る。そんな作り手の狙いについて、わりと素直に受け取れたからこそ書けるものを出力できたかな、という想いがあり、たまに読み返しては「……イイね」くらいにニヤついてしまうくらいには好き。
またアイカツの話ししてる。というわけで、こちらは『劇場版アイカツ!』の感想記事から。実のところ、初代『アイカツ!』の履修は中々フットワークが重たかったのだけれど、そのギアが上がった瞬間が劇場版だったんですね。
一年目と二年目で蒔かれていた種、すなわち「神崎美月の物語は終わっていない」にフォーカスし、彼女に憧れてアイドルになった星宮いちごがその胸中を自分の名前を冠するファン感謝祭的な立ち位置のイベントで歌い上げる。「神崎美月ただ一人」に向けられたステージの感情、熱、輝き。それに魅入られた瞬間の軌跡を、これまた巧く出力できたなと自負するテキストで、アイカツ!の何が好きなの?と聞かれたら名刺代わりにこれを差し出す所存である。そんなこと聞かれないですけど。
未来へ。
さぁ、キーボードを叩いている今、あと半日で2022年もおしまいだ。来年はどんな年になるだろう。少なくとも、労働と余暇のバランスはこれ以上悪くならないようにしたい。
何にせよ、自分の幼い部分として、映画やゲームといった「趣味」の優先順位が高すぎて、それ以外の「生活」だとか「成長」が疎かになりがちなところがあり、その当たりのネジを締めていきたい気持ちがある。だがそれはそれとして楽しいことからは抜け出せないことを自覚しながら、いっそ両取りしようよ、という欲張りな自分も見え隠れする。なんだか、欲張る話をすると『オーズ』を思い出してちょっと気分が沈むけれど、これも2022年に置いていきたいね。ハリケンジャーとアバレンジャーは誰も死なないよね東映クン!????!??!??!?!?!?!?
というわけで、今年も一年、ありがとうございました。当アカウントのキャッチコピーは来年も変わらず「おれで暇を潰せ」です。初志貫徹、わたしの好きな言葉です。それでは、また。
で、ここからは「来年更新予定の記事」についてお話する、短めの次回予告コーナーです。ぼくにお年玉を払いたい人は、小銭を投げつけてくれると、喜びます。小銭をぶつけられたいなァ〜〜〜〜〜痛みを知りたいなァ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜。
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