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いまあなたがすべきことは『void tRrLM(); //ボイド・テラリウム』を予約することです。体験版もあるぞ。

 あなたが目覚めたとき、目に見える景色はどこか幻想的で、緑色の光がまるで蛍のように空を舞っている。その光が、世界を滅ぼした張本人だなんて知る由もなく、あなたは歩を進める。言い忘れていたが、あなたは人間ではない。ロボットだ。何のため、誰に尽くすために造り出されたのかもわからない、あてもなくただ廃墟をさ迷い歩く鉄の塊。でも、その歩みには意味がありました。あなたは、一人の女の子を見つけます。巨大な割れたビンの中で、弱り果て言葉を発することもできない女の子。この崩壊した世界で、たった一人の生きたニンゲン。あなたは、その女の子が可哀そうに思ったのでしょうか、その子のお世話をすることに決めました。

 あらすじを読み、この動画を観てくれた全人類はもれなく号泣しているだろう。隠さなくていい。ハンカチで目元を拭う時間くらいはくれてやる。大丈夫、おれも体験版を遊び始めて開始3分で号泣した。これはヤバいゲームが来たぞと、本能はそう警告している。

 今回は、まだ発売されていないゲーム『void tRrLM(); //ボイド・テラリウム』を紹介したいと思う。発売日は2020年の1月23日。クリアしていないゲームを妄想込みで紹介するのも本来気が引ける行為だが、必ずやこのゲームは多くの人に刺さり、あなたの人生を豊かにすると確信している。おれはこのゲームが届くのを楽しみに待ちわびているし、みんなにもそうなってほしいから、今手持ちの情報だけでプレゼンしてみる。どうかお付き合いくだちい。

体験版配信中(Switch/PS4)

コンセプトが最高

 まずは何より、「死にかけの女の子を助けるために崩壊した世界を旅するロボット」という設定がもうヤバい。このあらすじだけでご飯が喰える。この世界では、有害な菌類の異常発生により人類はその生活拠点を地下に移し、しかしその地下文明もすでに滅んでいる、という絶望的な状況から始まる。その地下文明の、かつて工場であった廃墟の片隅で目覚めたロボットが、プレイヤーが操作するキャラクターである。

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 世界を彩る緑は、人類を死滅に追いやった菌類の色。それらが儚げに光輝き、この窮屈な地下世界を照らす。その風景にうっとりしていていられるのは、プレイヤー自身がロボットであるからだ。この地下世界は、人類が造り出した急造のシェルターであり、自動増殖する機構を持つ、不定形の世界だ。この『BLAME!』めいた世界では、すでに人はいない。主人公であるロボットは、存在する理由も指示をする主人も失った空っぽ(void)な機械だ。そんなロボットが、廃墟で見つけた女の子をお世話するためにひたむきに頑張る姿は、どうしたって応援したくなるだろう。ピクサーアニメ『ウォーリー』の一切セリフのないあの冒頭場面で落涙してしまうタイプは、どうしようもなくこのゲームのコンセプトが刺さるはずだ。

キャラクターがメチャクチャカワイイ

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 体験版の時点で登場するのはこの一人と一体と一つだけ。ロボット、メチャクチャカワイイ。背中に背負っているリュック?のせいでどこか犬っぽく見えてしまうせいか、もう歩いている姿だけで癒し。女の子にご飯をあげた後、口を拭いてあげる細かいアクションがいちいち健気でヤバい。泣かすな。

 トリコちゃん。おれらが救うべき廃墟の女の子。メチャクチャカワイイ。すでに菌類から侵されているのでもう目から何か出ちゃってて若干グロいけど不憫カワイイ。たぶん滅茶苦茶甘やかしたくなるし美味しいもの食べさせたい。全体的に武骨な地下世界の中でたった唯一「柔らかそうで」「か弱そう」なデザインが秀逸。状態異常によっては肉塊になるらしいが、それもヤバい。異常性癖向けのゲームか??

 ファクトリーAIちゃん。メチャクチャカワイイ。たぶんドジッ娘属性。自己増殖シェルターを管理していたAIで、意思疎通ができないロボットのおれに代わっていろいろと教えてくれる。感情表現が豊かなので表情がコロコロ変わる第二の癒し枠。ドジッ娘すぎて人類絶滅の片棒を担いだらしいことがほのめかされる。すげぇな。

ゲーム自体は王道で易しい

 本作のジャンルは、女の子の食料や薬、住処となるテラリウムの維持・拡張のための素材を求め、廃墟となった世界を旅するダンジョンRPGである。

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 かつては風来の某と呼ばれた諸君も胸が熱くなったのではないだろうか。果てしなく広大なダンジョンを探検し、まだ見ぬアイテムを見つけては喜び、強敵に出くわして一つの操作ミスであえなく撃沈…といった一喜一憂が蘇ってきたはずだ。

 システム自体は非常にオーソドックス。体力に相当する「HP」と満腹度である「エネルギー」の状態を見ながら、出来るだけ奥に奥に潜っていく。ダンジョンでは回復アイテムや装備品、食材や資材などが見つかるため、探索を続けるためのアイテムと持ち帰るべきものを吟味しながら、効率よくダンジョンを探索することが大切だ。

 ダンジョン内には異常進化した機械や生物が襲い掛かってくる。戦闘もこれまた王道で、敵の方向を向いて攻撃を押すだけで、ステータスや周りの状況と睨めっこしながら被害の少ない立ち回りを考えよう。また、ダンジョン内には姑息なトラップが存在したり、体験版では確認できなかったが「汚染天気」なるものが発生し置いてあるものの汚染度が著しく進む状態異常もあるとか。

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 実はもう一つ管理すべきリソースがあり、それはお腹を空かせてまっているトリコ自身だ。探索中の画面左下に表示されている「おせわっち」は、トリコの空腹度やテラリウムの環境などを逐一教えてくれる便利機能。トリコは空腹度が0になったり、テラリウムが汚れていると病気になってしまう。病気になると、治療用のアイテムを用意しなければならず、常にトリコの状態を気にかけておかねばならない。

 探索する自分とお家で待つトリコ。その二つの状態を見極め、ダンジョンを探索したくさんの食材や資材を持ち帰る。ダンジョンは自動増殖する設定に併せて自動生成型となっており、常に通用する歩き方など存在しない。これがゲームに緊迫感を生む仕組みになっている…はずである(体験版ではおせわっち機能はまだ使えない)。

 だからといって、難しそうだと敬遠する必要はない。たとえダンジョンでHPが尽きたとしても、探索中に集めたアイテムはすべて資材に変換されるため、無駄になるということがない。むしろトリコの体調が許す限り、死んでもいいやと探索を進め、死んだら死んだで資材は確保できる。また、薬やインテリアなどを資材を調合して作成した際、初回に限り「クラフトボーナス」が発生しロボットのパラメータが強化されるため、より探索が楽になっていくだろう。臆せず潜り、造り、また潜る。その繰り返しでトリコをお腹いっぱいにさせてやろうじゃないか。

わかったら今すぐ予約しなさい

 コンセプトもキャラクターもゲーム性も未だ不明なところも多く、遊んでみて評価がどう転ぶかはわからないが、少なくとも体験版とすでに公表されている情報だけでも、このゲームがとてつもなく面白そうで泣けそうだということは伝わっただろう。っていうかこういうのみんな好きでしょ。荒廃した世界!暴走したテクノロジー!滅びた人類が遺した廃墟!目的に目覚めたロボット!人類唯一の生き残りの少女!!ハァーッ……ハァーッ……フィーヒヒヒ……ウボァ……ありがとうございます……二次創作が捗ってウレシイ……。

 そんなわけで、まずは体験版を遊んで、何かしらの性癖に刺さったら即予約するといい。おれは予約した。お前はどうだ??よろしくお願いします。

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※画像は全て公式サイトのものを使用させていただいております。

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