ブログやnoteは「記憶のセーブデータ」を作る行為なんだから、どんどんやったほうがいい。
これ、タイムラインに埋もれる前にちゃんと残しておこうと思って。オチは一緒なので、ご理解いただけたら全部読む必要はないっス。
ありがたいことに、自分と同じようにnote、あるいは個人ブログをお持ちの方々と交友関係が広がり、日頃の物書きについて話し合う時間があると、どんな人からも飛び出すのが「下書きを消した」「お蔵入りしたものが何本もある」というもの。その理由も様々なんだけど、掘り下げていくと「もっといい感想があったから」や「○○さんところのブログと内容が被ると思って」という実に奥ゆかしいものが散見されました。
まぁこれに関してはね、わかる。わかりますよ。ここで「あなたの感想や文章はあなただけの、世界でオンリーワンのもの。誰かと被るとか二番煎じとか気にせず、"アップする”ことに意義があるのですよ」などと、綺麗事を無責任には言いません。何せ私も、これまで数えきれないほど筆を折ってきた過去があるし、溜まった下書きや面白く出来なかった文章はUSBという名の「墓場」に押し込めてしまう弱い人間なので。同じ作品を観て抱いた感想が近い人のブログをうっかり読んじゃって「こういう伝え方があるのか……!!」「構成とかワードセンスとかぜんぶスッゲェ〜〜〜〜!!!」になって、PC閉じてふて寝したこと、あるよね?わかる、わかりますとも。
ただ、ただね、やっぱり私は私とみなさんに推奨するのは、「それでも書く」んです。最悪投稿しなくてもいい。映画やゲームやアニメといった作品に対して、何を想い何を感じたのか。箇条書きにすればそれは「メモ」になるし、人様に読んでもらうよう体裁を整えれば「文章」になる。そしてそれはあなたにとって「財産」になる、っていう話なんですよ。
今年、『イコライザー』シリーズ待望の最新作が公開されまして。ウォー楽しみ!と思ってたわけですが、なぜか公開日を勘違いしていて、前作の復習が間に合わなかったわけです。どうにか一作目だけは観て、でも『2』を観る時間がなくて、仕方がないのでwikiであらすじだけ読んでおくか……と検索したら、あら不思議どこかで見た名前というワケで、書いてあったんです当時、『2』の感想を。
文章も拙いし全体的に稚拙。本編を観た人だけをニヤリとさせようとしたタイトルもスベってる。気恥ずかしさは否めないけれど、でも不思議と「『イコライザー2』を観て劇場を出た瞬間の気持ち」を思い出せたんですよね。物語の起承転結がどうという事実よりも、作品に触れて自分が何を想ったのかの一部始終を、わりと鮮明に思い出す。そうそう、イコライザーってこうだったよね、の気持ちで最新作に臨める。5年前の自分に、アシストされたわけです。
人間、今のところ自分の記憶の外部化とかデータ化はまだ一般的ではないようなんですが、自分で文章を書く行為って、擬似的にそれをすることが出来るんです。「その時自分が何を感じたか」を書き記しておいて、ネットなりHDDなり紙に出力しておいて、それを後に取り出して、読む。これってメモリーカードからセーブデータをロードするとか、特定のファイルをクラウドから呼び出すとかを、人間がやっているのと同じだと思うんです。なのでブログやnoteを書くことを私は「記憶のセーブデータ化」と読んでいるのです。後で思い出したいために、今書いておく。旅行先でいっぱい写真撮って、後に見返して楽しかったナ〜ってなるでしょ?あれの文章版です。
先程言った通り、人に読ませるか否かは最悪問いません。散文的に書いた自分だけのメモでもいいし、たとえ拙くとも他者の目を意識して文章として整えてお出ししたら、あなたはもっと偉い。大切なのは、「自分で書いたもの」であるということ。自分の感情を自分の手で書いたものだからこそ、読んだ時の「思い出し」が鮮明になるのです。人様の文章を読んで感動や感心はすれど、思い出しの誘発なら自分のものがピカイチなわけで。
で、どうしてこんなに書くことを薦めるかと言うと、積み重ねた文章って「続編が出た時」に役立つんです。先程のイコライザーの例のように、前作を復習したいけど観る時間が取れない💦というときに、過去の努力が今の自分を助けてくれる。その時自分が何を想い何を感じたのかを「思い出した」上で目の前の作品と向き合うって、結構楽しいし、理解も深まるわけです。
ある意味で、未来の自分への「投資」として、何でもいいから書き残しておく。だから、これは自分に言い聞かせるための言葉でもあるのですが、もっと気軽に書いて、投稿していいんですよ。
もし仮に、いまあなたが他の誰かに気後れしたり、文章に自信が持てなくて自分の下書きを引っ込めようとしているのなら、それを「もったいない!!」と思えるようになってほしいな。あなたの記憶のタイムカプセルは、あなたにしか作れないのですから。
(2023年11月22日 追記)
拙作をご紹介いただきました。インターネットの数えきれないご意見や“お気持ち”に自分の感情や思ったままを上書きされる前に、書いて、記録を残しておく。これも大事ですね。書くんだ、生きるために。