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吐露2

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個人的な書き物です。
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2022年9月の記事一覧

風待ち

生まれたての風に飛ばされて
過去雑念の全てを投げ捨てる

彼方に吹き上げる風に憧れ
追いかけたいのに走れない

私にも吹いてほしい追い風

不自由になったがまだ目が見えることに感謝する

そして忘れる

慣れ親しんだ負水に身を沈める私は新鮮な風を必要としている
まだ足りない
舞い上がり感動したい

歳はとったがまだ五体満足であることに感謝する

そして忘れる

慣れ親しんだ負水にこころ沈める私は新

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合わないふたり

あなたが私を置いていくことを恐れていた
ぶつかり合い波打った長い時間

違うスピードで老い続けるあなたと私

目を合わそうとしないあなたから伝わる
迷惑をかけてごめん

その小さな姿は、私がいてごめんねと、あなたの幸せを願い続けた過去の私
 
あなたのことなんか知らないよと言える側になり、あなたがあなたなりに私を愛してくれた思い出が苦しい。

許せなかった思いまでもあなたへの想い

懸命に個を生き

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春夏秋冬

季節は必ず巡っても

春 長い人生
夏 長い人生
秋 長い人生
冬 長い人生

人さま 行く手さまざま

春 短く
夏 短く
秋 短く
冬 短く

同じ長さ同じ期間 巡る人生はなし

植えてばかり
水やりばかり
収穫ばかり
準備ばかり

巡らない人生 あったりなかったり

私と誰か

季節の違う人生を同時に進んでいけば

うまくいかない工夫がなされているような

生きてみなければ分からない分からな

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種のゆくえ

棒立ちで往来する排気ガスに揺れている

ところどころ撃ち抜かれたような白髪頭

頭いっぱいの可能性

抱えたまま終わるか飛んでゆくか転がるか

誕生前の一本一本

片側だけ踏まれちぎれて立つ姿

社会にある境界線

棒立ちではやられるだけだとベルが鳴る
誰かが仕掛けたからくり時計
いつもどこかで人間劇

惑わされる人人人

本当は枠なき世界にあなたと私
どこまでも真っ直ぐ立っている