風待ち
生まれたての風に飛ばされて
過去雑念の全てを投げ捨てる
彼方に吹き上げる風に憧れ
追いかけたいのに走れない
私にも吹いてほしい追い風
不自由になったがまだ目が見えることに感謝する
そして忘れる
慣れ親しんだ負水に身を沈める私は新鮮な風を必要としている
まだ足りない
舞い上がり感動したい
歳はとったがまだ五体満足であることに感謝する
そして忘れる
慣れ親しんだ負水にこころ沈める私は新鮮な風を必要としている
まだ足りない
舞い上がり感動したい
人の数だけある苦楽
私にも私だけの苦楽
生きていることさえ忘れて
塵になるほど高く遠く飛ぶ
全身を切り裂くほどの強風
存在の全てを開放し魂に刻み込む
新鮮な感動の風をいつまでも待つ
この身の
こころの
愚かさを忘れるほどに