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【つくるとわかる#1 色とかたち 】を開催しました!

6月16日(日)宮崎市の若草Hutteにて、「描く」以外の方法で手と足を動かして、絵画を観る・触れるワークショップ【つくるとわかる#1 色とかたち】を開催しました。



まずは、【つくるとわかる】のこと

つくるとわかるとは?

生活の選択肢の一つにアートがある社会を構想し、先天的な能力や資本、経験と離れた空間で、アートとの接続機会を設計するユニットです。
鑑賞・製作・批評が同じ地平に拓かれるための方法として、対話や「つくる」に焦点を当てたワークショップ、技術を通して新たな視点と感覚に出会える場を生み出し、「鑑賞・製作・批評」の3つのスコープからアートに触れられる方向性の拡充を行っていきます。

一方向的な鑑賞から、参加への移行。社会階層に囚われない、アートを介した対話の尊重。
手を動かしてアートとつながる。抽象的だった「わかる」に、感情が伴う。「つくるとわかる」は、従来のプラットフォームや既存の尺度にとらわれず、人々とアートの間の交差点を拡げていきます。

アートエンジンって?

経験的に生じたアートとの距離をほどくことを、「つくるとわかる」は眼差しています。距離感のほつれを解いた先、アートに触れたい、知りたいという欲求は、だれもが備えるアートエンジンと言えるのかもしれません。
「つくるとわかる」は、あらゆる背景に左右されない機会を設計し、参加した人のアートエンジンを駆動するきっかけを生み出したいと考えています。

【つくるとわかる#1 色とかたち】を開催しました!


グループに分かれてワークショップスタート!


パズルで細部にふれる

美術館や本で作品を俯瞰する機会と比べると、細部の配色や表現に目をむける機会は少ないのではないでしょうか。今回は、100ピースパズルを各グループでつくり、1ピースごとの表現にふれ、全体を観察してみました。それぞれのグループで取り組んだパズルは、〈印象・日の出〉〈星月夜〉〈ひまわり〉の3種。

このうねうねはどこ?
あと2ピースで完成!

似たパターンのピースや、意外な隣接に戸惑いながらも、3グループともなんとかパズルを完成させました。それぞれがときめいたピースや、初めて見る配色や表現をベースに、次は「アートハント」へ向かいます。

アートハントへ出かけよう

拡大したら模様が似てるかも!


パズルで各自が注目した色やかたちを、まちの様々な場所で探すアートハント。会場の若草Hutteの周辺で、絵画の全体像やピース、部分に合致するような色やかたちを探していきます。

どの青が近い?

看板の塗装の色合いや外壁のタイル、マンホールの蓋の溝など、それぞれの視点で作品との共通点を見つけられたようでした。


フィードバックとふりかえり

まずはグループでふりかえり

アートハントを終えた後は、会場に戻って各グループでふりかえり。発見を共有しつつ、全体フィードバックで提出する写真を選びました。それぞれの視点が光る写真ばかりで、選出にも一苦労。

みんなで発見を共有!

全体フィードバックでは、各グループで選出した写真を共有していきます。他のグループがどの絵画に取り組み、どんな視点でみたのか。比較することで生まれる発見に、感嘆の声が上がっていました。

参加者の声

「上手い下手とか、周りにどう評価されるかを気にせずに触れられて楽しかった」
「他の参加者の発見と比較すると、自分の性格が浮き彫りになった」
人と鑑賞するって面白い!
「事前知識なしで接することで、先入観なく解釈を広げられた
子供も飽きずに触れられる機会だった」
褒められなくてもやり続けるって大事なのかも」


方法を増やせば、解釈は無限に広がる


まとめ

今回はパズルとアートハントという方法で、「色とかたち」に着目しました。
パズルをつくる過程では、色の変化が緩やかな部分があったり、似たタッチが連続していたりすると、なかなか進まない様子。一方で、大胆な切り替えがあると、パズルを作る手が一気に進む。

パズルの進み具合から、作品の持つ性質の分布についても考えるきっかけが見えてきました。また、アートハントを通して得た自分だけの発見は、作品への愛着をもたらすと同時に、まちの表情を再発見するきっかけにもなったようです。
作品を介して見るまちと、まちを介してみる作品。参加者と絵画の間に、情緒的な結びつきが生まれていました。

今回最も難易度が高かった〈星月夜〉
似た模様が連続するととっても難しい

美術館で鑑賞するとき、作品に向き合う時間は、長くても数分程度のことが多いと思います。今回のワークショップでは、1時間以上も同じ作品を見つめました。手を動かしながら向き合うことで、鑑賞の選択肢が広がり、対話によって批評することのハードルが下がったのではないでしょうか。

今回参加して下さった方の意見の一つに、「子供と美術館にいくことは難しいが、パズルであれば触れられる上、ワークショップであれば保護者としてもゆとりを持てる」というものがありました。
アートとの接点が、美術館やギャラリーに限られる地域において、文化資本との接続が「美術館に行くことができるか」という要素で制約されてしまうことがあります。現物をみることは中心にしつつも、アートと接する機会の裾野が拡がる動きを興していきたい!と突き動かされるひとコマでした。

知らない人と同じチームだからこそ
作品に対して素直になれるのかも


「つくるとわかる」では、今後も「つくる」「わかる」に主眼を置いた企画を通して、住む場所や、得意不得意に左右されずに、誰もがアートエンジンを駆動できる機会を設計していきます。

過去のワークショップの様子や今後のイベントの予定は、Instagramにてご覧になれます。次回以降のイベントもおたのしみに!

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