温かい「見守り」【音声と文章】
山田ゆり
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※note毎日連続投稿1700日をコミット中! 1677日目。
※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む、
どちらでも数分で楽しめます。
おはようございます。
山田ゆりです。
今回は
温かい「見守り」
をお伝えいたします。
終業まであと15分と言う時に営業のAさんから電話が入った。
「〇〇様が5時頃にお見えになる予定です。
それまでに僕は戻るつもりだが、もしも間に合わなかったら、渡してほしいものがある。どこにあるかはB子さんに伝えてあるから。〇〇様がお見えになるまではお客様入り口のカーテンは閉めないでほしい。」
のり子は素早くメモをして復唱し、電話を切った。
B子さんは丁度、後片付けの当番で給湯室にいた。
のり子は事務室の隣の営業室に入った。
Aさんの机の上を見たが綺麗に整頓されていて、荷物らしきものがなかった。
黄色の付箋が貼ってある書類が1枚、机の上にあったがそれではなかった。
のり子はいつもより大きく目を開いた。
どちらかと言うとあまり物事を注意してみないのり子である。
Aさんの机の前に立ち、鼻の通り道がはっきりと分かるくらい大きく息を吸った。
肩幅くらいの幅で足を広げて立ち、首だけを左から右へゆっくり動かす。
いままでまなこに幕がかかっていたようだったが、部屋の明るさがワントーン高くなったように周りの景色が見えた。
そして、「〇〇様」とマスキングテープに書かれた巻物を見つけた。
身長190㎝と本人がホラを吹いているがそれでも150㎝無いのり子にとって
その巻物は普段の目では見えない高さのところに置いてあった。
オレンジ色のマスキングテープが飛び出すように貼られていて、その色を確認してみたら〇〇様と書かれていたのだ。
のり子は両足を爪先立ててそのマスキングテープの文字を見直し、そして満足し自分の机に戻ろうとしてくるりと後ろに身体を曲げた。
すると、所長がニコニコしてのり子を見ていた。営業のイチローさんも、先月入社したCさんも、ADさんも、全員がのり子の方に顔を向けていた。
「ど、どうしたんですか?」
のり子は驚いた。こんなに注目されることは普段ないので慣れていない。
「いや~。ジーっとして立っていたから、何探しているんだろうって思って見てました。」
いつもやさしい所長がいつも以上に目を細めてのり子を見ながらおっしゃった。
周りの皆さんも頷いていた。
み、見られていた。
恥ずかしかった。
のり子は時々、変な行動をするようなのだ。
突然、自分の世界に入って行く感覚がのり子にはあった。
今もその状態だった。
恐らく、Aさんの机の近くに来た時に「〇〇様あての物って、どこにあるのかなぁ」と言葉を発しながら探せばいいところを、黙って周りを見回し始めてしまったのは考えてみると不信である。
のり子は自分がずっと見られていたことを知り、急に頭に血が上ってきて耳と顔が真っ赤になった。
しかし、この感覚は久しぶりだった。
誰かに見守られている感覚。
口は出さないが自分の行動を見ていてくれている感覚がとても久しぶりな気がした。
大人ののり子は
いつもは見守る立場である。
会社でも家庭でも。
温かい目で見守られている感覚を感じ、のり子は小さい頃の夕暮れ時を思い出した。
西日が当たりぽかぽかの玄関に座布団3枚を敷いてそこにのり子が寝そべる。
台所でお母さんが夕飯の支度をしている。
「おかぁさーん、今日の夕飯、なぁに~?」
その内、美味しそうな匂いが玄関まで届く。
のり子はお母さんが「できたよー!」って言ってくれるまで寝そべり足をバタバタさせながら本を読んでいる。
あの頃は、全てを両親に委ねていた。両親に任せておけば全てのことは進んでいた。
そんな感覚を思い出した。
優しい皆様とお仕事ができる自分は幸せだとのり子は感じた。
今回は
温かい「見守り」
をお伝えいたしました。
本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。
ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。
山田ゆりでした。
◆◆ アファメーション ◆◆
.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。
私は愛されています
大きな愛で包まれています
失敗しても
ご迷惑をおかけしても
どんな時でも
愛されています
.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。゚+..。*゚+
※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む、
どちらでも数分で楽しめます。
おはようございます。
山田ゆりです。
今回は
温かい「見守り」
をお伝えいたします。
終業まであと15分と言う時に営業のAさんから電話が入った。
「〇〇様が5時頃にお見えになる予定です。
それまでに僕は戻るつもりだが、もしも間に合わなかったら、渡してほしいものがある。どこにあるかはB子さんに伝えてあるから。〇〇様がお見えになるまではお客様入り口のカーテンは閉めないでほしい。」
のり子は素早くメモをして復唱し、電話を切った。
B子さんは丁度、後片付けの当番で給湯室にいた。
のり子は事務室の隣の営業室に入った。
Aさんの机の上を見たが綺麗に整頓されていて、荷物らしきものがなかった。
黄色の付箋が貼ってある書類が1枚、机の上にあったがそれではなかった。
のり子はいつもより大きく目を開いた。
どちらかと言うとあまり物事を注意してみないのり子である。
Aさんの机の前に立ち、鼻の通り道がはっきりと分かるくらい大きく息を吸った。
肩幅くらいの幅で足を広げて立ち、首だけを左から右へゆっくり動かす。
いままでまなこに幕がかかっていたようだったが、部屋の明るさがワントーン高くなったように周りの景色が見えた。
そして、「〇〇様」とマスキングテープに書かれた巻物を見つけた。
身長190㎝と本人がホラを吹いているがそれでも150㎝無いのり子にとって
その巻物は普段の目では見えない高さのところに置いてあった。
オレンジ色のマスキングテープが飛び出すように貼られていて、その色を確認してみたら〇〇様と書かれていたのだ。
のり子は両足を爪先立ててそのマスキングテープの文字を見直し、そして満足し自分の机に戻ろうとしてくるりと後ろに身体を曲げた。
すると、所長がニコニコしてのり子を見ていた。営業のイチローさんも、先月入社したCさんも、ADさんも、全員がのり子の方に顔を向けていた。
「ど、どうしたんですか?」
のり子は驚いた。こんなに注目されることは普段ないので慣れていない。
「いや~。ジーっとして立っていたから、何探しているんだろうって思って見てました。」
いつもやさしい所長がいつも以上に目を細めてのり子を見ながらおっしゃった。
周りの皆さんも頷いていた。
み、見られていた。
恥ずかしかった。
のり子は時々、変な行動をするようなのだ。
突然、自分の世界に入って行く感覚がのり子にはあった。
今もその状態だった。
恐らく、Aさんの机の近くに来た時に「〇〇様あての物って、どこにあるのかなぁ」と言葉を発しながら探せばいいところを、黙って周りを見回し始めてしまったのは考えてみると不信である。
のり子は自分がずっと見られていたことを知り、急に頭に血が上ってきて耳と顔が真っ赤になった。
しかし、この感覚は久しぶりだった。
誰かに見守られている感覚。
口は出さないが自分の行動を見ていてくれている感覚がとても久しぶりな気がした。
大人ののり子は
いつもは見守る立場である。
会社でも家庭でも。
温かい目で見守られている感覚を感じ、のり子は小さい頃の夕暮れ時を思い出した。
西日が当たりぽかぽかの玄関に座布団3枚を敷いてそこにのり子が寝そべる。
台所でお母さんが夕飯の支度をしている。
「おかぁさーん、今日の夕飯、なぁに~?」
その内、美味しそうな匂いが玄関まで届く。
のり子はお母さんが「できたよー!」って言ってくれるまで寝そべり足をバタバタさせながら本を読んでいる。
あの頃は、全てを両親に委ねていた。両親に任せておけば全てのことは進んでいた。
そんな感覚を思い出した。
優しい皆様とお仕事ができる自分は幸せだとのり子は感じた。
今回は
温かい「見守り」
をお伝えいたしました。
本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。
ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。
山田ゆりでした。
◆◆ アファメーション ◆◆
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ご迷惑をおかけしても
どんな時でも
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